定義 | 肝細胞で特異的に増殖する肝炎ウイルスによって起こる肝の急性炎症疾患。 | ||||||
病因 |
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病態 | 肝炎ウイルスが肝細胞に感染・増殖すると、これを排除しようとしてT細胞による免疫反応が惹起される。この結果、肝細胞が急激に障害され、急性肝炎を発症する。 | ||||||
病理 |
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臨床症状 |
・前駆期…1~2週間の潜伏期の後、全身倦怠感、発熱、食欲不振、悪心・嘔吐などが認められる。 ・黄疸期…眼球結膜の黄染、濃厚尿、皮膚掻痒感が自覚される。 ・回復期…ほとんど自覚症状はなくなる。 | ||||||
検査所見 |
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診断 |
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鑑別診断 | 肝炎ウイルス以外のウイルスでは、EBウイルス・サイトメガロウイルスなどが重要であり、それぞれのウイルスマーカーを測定して診断する。また、これらのウイルスでは伝染性単核球症、またはこれに類似した病態を呈することが多い。 薬物アレルギー性肝炎では薬物使用歴の聴取が重要である。本人が薬物として認識していない場合もあるので注意する。白血球増加、好酸球増加、薬物リンパ球刺激試験(LST)陽性などが診断の助けとなる。 | ||||||
治療 | 急性肝炎は自然治癒傾向が強いので、重症化例を除いて特殊治療の必要はない。 ・急性期…安静、補液、栄養補給などを行う。 ・重症化をきたした場合…ステロイドや抗癌剤の投与あるいは抗ウイルス療法(IFN治療など)などが行われる。 | ||||||
予後 |
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定義 | 肝炎のうちで、経過中に広範な肝細胞死により、肝性昏睡をはじめとする種々の肝不全症状をきたすもののことで、"症状発現後8週以内に高度の肝機能障害に基づいて肝性昏睡Ⅱ度以上の脳症をきたし、PT 40%以下を示すもの"が診断基準とされる。 肝炎発症後10日以内に脳症が出現する急性型と、それ以降に発現する亜急性型がある。 |
疫学 | 日本全国で年間約1,000例発症すると推定されている。原因別頻度では、薬物性が約10%、A型肝炎が約20%、B型肝炎が約25%、非A非B型が約45%である。C型肝炎は非A非B型に含まれるが、C型肝炎による劇症肝炎の頻度は少ない。 |
発生機序 | 十分には解明されていないが、免疫複合体の関与や細胞性免疫の関与、Shwartzman反応の関与など考えられている。 |
病理 | 肉眼的には縮小した軟らかい肝、組織学的には肝細胞の壊死脱落と出血がみられる。急性型では広範な肝細胞壊死、亜急性型では亜広範細胞壊死像を示すことが多い。 |
臨床症状 | 肝性昏睡が必発であるが、軽度のものから完全な昏睡まで広く含まれる。肝性昏睡以外の主要な臨床所見としては、進行性の黄疸、強い全身倦怠感と食欲不振、悪心・嘔吐、肝性口臭(←血清アンモニアの上昇による)、発熱、頻脈、出血傾向、浮腫、腹水、乏尿、肝濁音界の縮小(肝の萎縮)、羽ばたき振戦※などがある。 ※羽ばたき振戦…腕を前方に伸ばし、手指をできるだけ広げて手指を背屈させると 律動性の運動が交互に手関節・中手指関節に出現する。劇症肝炎以外でも、 尿毒症やCO2ナルコーシスなどの代謝性脳症でも出現する。 |
検査所見 & 診断 |
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治療 | 治療の基本は、肝細胞壊死の阻止と肝細胞再生の促進であり、そのために、①全身管理、②特殊療法、③合併症対策が行われる。 ①全身管理…安静、栄養・呼吸・循環の管理を行う。 ②特殊療法…血漿交換などの血液浄化法、免疫抑制療法、抗ウイルス療法、抗サイトカイン療法などが行われる。 ③合併症対策…感染症・消化管出血・DIC・脳圧亢進などに対して適宜、適切な予防措置を行う。 また、実施可能な場合には、肝移植が行われることもある。 |
予後 | 劇症肝炎の救命率は30~50%であり、特に亜急性型は予後が悪い。救命には、肝炎の劇症化を予測し、早めの対応をとることや、病因や病態に応じた適切な治療法を選択することが重要である。 |
定義 | 肝炎ウイルスの持続感染により、通常血液生化学的肝障害が6か月以上持続している状態のこと。B型慢性肝炎とC型慢性肝炎がその代表である。 | ||||
疫学 | 慢性肝炎のうち、B型が10~20%、C型が70~80%を占める。非B非C型慢性肝炎や自己免疫性肝炎はそれぞれ数%である。慢性肝炎患者は潜在例も含め、全国で200万人程度いることが推測されている。 | ||||
病因 |
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病態 | 肝炎ウイルスの持続感染が存在し、感染肝細胞に対する細胞性免疫反応の結果、持続的な肝細胞壊死とこれに伴う線維化が惹起される。進行例では門脈-門脈、および門脈-中心静脈間の線維化が起こり、肝小葉構造が改築され、最終的に再生結節が形成される(肝硬変)。また、線維化が進むと肝細胞癌の合併率が高くなる。 | ||||
病理 | ・壊死炎症反応…巣状壊死(数個の肝細胞壊死)、融合壊死、ピースミール壊死(門脈周囲の壊死) ・肝細胞の再生…多中心的に不規則におこる ・門脈域の炎症反応、線維化 | ||||
臨床症状 | 多くは症状を認めないが、他覚所見として肝の軽度腫大がみられる。全身倦怠感、食欲不振、腹部不快感などの非特異的症状を認めることもある。急性増悪時には黄疸が出現する場合がある。 | ||||
検査所見 & 診断 |
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治療 |
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定義 | 自己免疫の機構により肝細胞破壊が持続して進行、早期に肝硬変への進展傾向を示す慢性活動性肝炎。 |
疫学 | 患者数は6,000~7,000人。男女比は1:8くらいである。10~30歳での発症もみられるが、多くは40歳以降の中年女性である。 |
病因 | 原因は不明である。免疫調節機構の異常によって、自己成分(特に肝細胞膜抗原)と反応する免疫担当細胞の出現により発症する疾患といえる。遺伝的素因も認められ、欧米ではHLA-DR3、わが国ではHLA-DR4をもつ症例が多い。自己抗原は不明である。ミノサイクリン・メサラジン・IFNなどの薬剤が原因となることもある。 抗核抗体・抗平滑筋抗体などの自己抗体と、γ-グロブリン(特にIgG)の高値などのB細胞機能異常を示唆する所見、およびB細胞・形質細胞の肝への浸潤が特徴的である。また、慢性関節リウマチ、Sjo¨gren症候群、慢性甲状腺炎など、他の自己免疫性疾患を合併することも多い。 |
病理 |
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臨床症状 | 初発症状として、全身倦怠感、食欲不振、発熱、関節痛、黄疸などがある。しかし、自覚症状に乏しく偶然の血液検査で発見される場合もある。急性肝炎様に発症する場合もあれば、腹水・肝性脳症などを伴って激症or重症肝炎として発症し、肝不全より死に至るものもある。 |
検査所見 |
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診断 | まず、ウイルス性肝炎、アルコール性肝障害、薬物性肝炎、Wilson病を除外診断する。同時に、自己抗体・γ-グロブリン・IgG・血沈の測定を行う。 |
治療 | 原則として、免疫抑制作用のある副腎皮質ステロイド(プレドニゾロンなど)を投与する。多くの症例はこれにより症状、血液生化学検査所見・組織所見も改善する。ただし、長期投与を必要とするため、副作用の出現には注意を要する。 ステロイドの効果が少ない時や重篤な副作用が出現した場合、アザチオプリンを併用する。 軽度の肝障害の場合は、経過観察orウルソデオキシコール酸投与を行うこともある。 |
予後 | 劇症肝炎様の発症例を早期に診断し、ステロイド治療を開始することが非常に重要である。機を逸すると、肝不全から死亡する例がみられる(肝硬変に進展した症例などで高率となる)。 |
定義 | 種々の原因疾患により、病理組織学的に、慢性の肝細胞の破壊と再生、線維の増生により線維性隔壁で囲まれた再生結節(偽小葉)が肝全体にびまん性に形成された状態。 | ||||||
疫学 | 患者数は年々増加し、わが国では現在10~20万人の有病率と推定されている。国内では、西高東低の傾向にあり、西日本にウイルス性肝炎・肝硬変の発症が多い。 原因別には、50%以上がHCV、15%程度がHBV、10%強がアルコール、残りは特殊型・原因不明である。 男女比は原因疾患に依存し、ウイルス性・アルコール性は男性優位、自己免疫性は女性優位となっている。 | ||||||
分類 |
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病態 | 線維性隔壁で囲まれた再生結節(偽小葉)が肝全体にびまん性に形成され、肝細胞の機能不全状態と血流異常に基づいて以下の病態を呈する。
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臨床症状 |
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検査所見 & 診断 |
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治療 | 肝硬変そのものの病態を治癒させることは不可能で、治療は一般状態の改善と合併症の予防・治療に限られる。 ・汎血球減少に対して、鉄剤・ビタミンB12・葉酸の投与、摘脾が行われる。 ・肝性脳症の予防のために、蛋白制限、分岐鎖アミノ酸製剤投与などが行われる。 ・腹水に対しては、安静、塩分制限、利尿薬投与などを行うが、重症例では腹水穿刺や手術も行われる。 ・肝腎症候群に対しては、肝移植、血管収縮剤投与などが行われる。 ・特発性細菌性腹膜炎に対しては、早期の抗生物質投与が必要である。 ・食道静脈瘤に対しては、内視鏡的食道静脈瘤硬化術・結紮術を行う。 |
定義 | 肝内の小葉間および隔壁胆管など中等大の胆管の破壊・消失により、慢性の肝内胆汁うっ滞を示す疾患である。定型的には、皮膚掻痒感を初発とし、黄疸が出現すると消退することは少ない。病期が進行すると、肝不全や門脈圧亢進症が高頻度に出現する。 |
疫学 | まれな疾患といわれてきたが、有病率は10万人あたり3~4人で、患者数は推定約12,000人とされている。最近は皮膚掻痒感・黄疸を欠く無症候性PBCが新規症例の2/3を占めており、無症候性PBCも含めると、それほどまれな疾患ではない。発症年齢は40~60歳代に集中し、約90%が女性である(閉経後の中年以降の女性に好発)。 |
分類 |
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病因 ・ 病態 | 原因は不明であるが、自己抗体の出現や、他の自己免疫疾患を合併することから、自己免疫機序により胆管が破壊されると考えられている。 胆管障害により胆汁がうっ滞し、肝細胞障害・線維化をきたし、やがては肝硬変となる。また、門脈域の炎症や肉芽腫形成などにより肝内門脈枝が閉塞し、早期から門脈圧亢進症をきたしやすい。 |
病理 | 小葉間胆管or隔壁胆管の慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)とよばれる特徴的な組織学的所見を呈し、胆管上皮細胞の多層化や乳頭状配列などの増殖性変化、壊死および胞体の腫大や抗酸性変化などの変性像、胆管の破綻に代表される胆管の壊死性変化などが認められる。 |
臨床症状 | ・無症候性PBC…一般に無症状。他覚所見として肝腫大がみられることが多い。 ・症候性PBC…皮膚掻痒感、黄疸、全身倦怠感が多い。進行例では、消化管出血や褐色尿、体重減少、浮腫、腹水など。 |
検査所見 & 診断 |
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合併症 | 約25%の症例で他の自己免疫疾患を合併し、その中でもSjo¨gren症候群、慢性関節リウマチ、慢性甲状腺炎の頻度が高い。また、腸管からのカルシウム吸収を促進する活性型ビタミンDの産生が低下するために骨粗鬆症を合併したり、コレステロール排泄能の低下による高脂血症を合併したりすることもある。 |
治療 |
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定義 | アルコールの長期・過剰摂取に起因する肝障害で、その機序はアルコールによる直接肝細胞傷害であり、アルコール摂取に伴う栄養障害がそれを修飾する。 | ||||||
疫学 | 近年わが国では、アルコール消費量の増大に伴ってアルコール性肝障害の頻度は増加傾向にある。全肝疾患に占める割合は約10%である。アルコール性肝障害の発生には個体差・性差があり、絶対数は男性に多いが、発病率は女性に優位に多い。 日本では、HCV重複感染例が多く、飲酒によってウイルス性肝障害からの肝細胞癌発生頻度が高まるとともに、若年での発癌のリスクが高まるので、問題となっている。 | ||||||
病型分類 | ・非特異的変化群…肝機能検査では異常を認めるが、組織学的には非特異的変化を認める。 ・アルコール性脂肪肝…小葉中心部に著明な脂肪肝がみられるのみで、肝の構造破壊は伴わない。 ・アルコール性肝線維症…肝組織病変の主体が線維化であり、炎症細胞浸潤や肝細胞壊死は軽度。 ・アルコール性肝炎…小葉中心部の肝細胞の風船化、肝細胞壊死、Mallory体、多核白血球の浸潤がみられる。 ・アルコール性肝硬変…定型例では小結節性、薄間質性の肝組織病変がみられる。 | ||||||
病態生理 | エタノールは、肝においてアルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒドに代謝され、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素により酢酸を経て二酸化炭素と水になる。肝での代謝機構を上回るアルコール摂取が続いた場合には以下のような病態を生じる。
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病理 | Mallory体(肝細胞内空胞出現)、脂肪沈着、肝細胞の風船様膨化、肝細胞周囲線維化、中心静脈の肥厚とその周辺への線維化の波及などがみられる。 | ||||||
臨床症状 |
・アルコール性脂肪肝・アルコール性肝線維症…肝腫大の他には、特有な自・他覚症状はない。 ・アルコール性肝炎…連続的大量飲酒後に発症し、倦怠感、腹痛、発熱、黄疸、悪心・嘔吐、肝腫大などを伴う。 ・アルコール性肝硬変…全身倦怠感、食欲不振、下痢が飲酒継続時にみられ、低栄養の合併が多い。 | ||||||
検査所見 & 診断 |
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治療 | 禁酒以外に有効な治療法はなく、アルコール依存症に対する治療も必要である。 アルコール性脂肪肝は、基本的に無治療でよいが、節酒と肥満の解消が必要である。 | ||||||
予後 | 断酒をきちんと行えば、重症型アルコール性肝炎を除いて、予後は比較的良好である。しかし、断酒が行えない場合には、肝不全・静脈瘤出血などにより死亡することが多い。 |
定義 | 投与された薬剤が原因となって発症する肝障害のことで、発症機序には以下の3つがある。 |
分類 |
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発症機序 |
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病因 | 多種多様な薬剤でおこりうるが、抗生物質(セフェム、アミノ配糖体、抗腫瘍・抗酸性菌薬(リファンピシン)など)、中枢神経系用薬(消炎鎮痛薬、向精神薬、抗てんかん薬など)、循環器官用薬(抗不整脈薬、血管拡張薬など)、腫瘍用薬(代謝拮抗薬など)、ホルモン剤、化学療法剤(サルファ剤、抗結核薬、合成抗菌薬など)が高頻度である。 |
臨床症状 | ・アレルギーによる症状…発熱、発疹、皮膚掻痒感を肝障害出現前にみることがある。 ・肝障害による症状…全身倦怠感、食欲不振、悪心、黄疸などがみられることがある。 |
検査所見 & 診断 |
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治療 | 治療の基本は、起因薬物の中止or他系統のものへの変更である。多剤投与例では疑わしい順に中止or変更し経過をみていく。薬物投与中止後速やかに改善するものが多いが、時に黄疸の遷延することがあり、ウルソデオキシコール酸・副腎皮質ステロイド・フェノバルビタールなどの治療を必要とする。 |
定義 | 肝細胞の先天的ビリルビン代謝異常による黄疸。 |
分類 ・ 病態 |
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疫学 | Gilbert症候群(人口の2~7%)以外はごくまれな疾患である。 |
臨床症状 | 各病型によって症状出現の時期は異なるが、いずれも黄疸が主症状で、他に特有の症状がない場合が多い。 |
検査所見 | 直接型or間接型優位の血清ビリルビン高値を示すが、ビリルビン以外の一般肝機能検査成績は、胆汁酸を含め正常である。 |
合併症 | 胆石が時に認められる。 |
治療 | 最重症のCrigler-Najjar症候群では、核黄疸の予防のための種々の治療が行われるが、Crigler-Najjar症候群以外の体質性黄疸はきわめて予後良好であり、原則的に治療の必要はない。 |
ヘモクロマトーシス (hemochromatosis) |
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Wilson病 |
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肝硬変 | 門脈圧亢進症の原因疾患として最も頻度が高く、全体の過半数を占める。 肝硬変においては、図に示すようなメカニズムで循環亢進がおこる。 | ||||||||||||
特発性門脈圧亢進症 (IPH) |
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肝外門脈閉塞症 (EHO) |
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Budd-Chiari症候群 |
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定義 | 肝細胞由来の悪性腫瘍であり、わが国において大多数が慢性ウイルス性肝疾患(HBVorHCV)に続発する。 |
疫学 | 肝細胞癌は原発性肝悪性腫瘍の90%以上を占める。悪性腫瘍による死亡の中で肝細胞癌は第3位を占め、年間およそ3万の死亡を数え、年々増加を示している。男性が女性に比べて著しく多い。 |
臨床症状 | ほとんどすべてが肝硬変を合併しているので、肝硬変の症状や理学的所見を伴う。肝細胞癌由来の症状には、上腹部~右季肋部痛、肝腫大、腹水、浮腫、黄疸、吐血(←食道静脈瘤・門脈圧亢進性胃症の悪化による)などがあげられるが、相当進行しないと現れない。 肝細胞癌は腫瘍随伴症候群をよく起こす腫瘍で、低血糖、赤血球増加症、高コレステロール血症、高Ca血症などを呈する。腫瘍からのホルモン様物質の分泌や腫瘍の代謝異常が原因と考えられている。 肝細胞癌の主な転移は血行性で、肺・骨・副腎などに多い。骨転移ではその部位の疼痛がみられる。 |
検査所見 & 診断 |
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治療 |
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定義 | 胆管上皮由来の悪性腫瘍であり、肝内胆管癌ともよばれ、左右肝管合流部より末梢の胆管から発生したものをいう。 |
疫学 | わが国では原発性肝悪性腫瘍の3~5%を占める。発病年齢は50~60歳に多発し、男女差はない。 |
分類 | ・肝門型…肝門部付近に発生してしばしば閉塞性黄疸をきたす。 ・末梢型…末梢の胆管から発生し、症状に乏しい。 |
病因 | 胆石、トロトラスト(静注用造影剤)の肝沈着、肝吸虫、原発性硬化性胆管炎(PSC)、潰瘍性大腸炎、良性多発性嚢胞などがあげられる。 |
臨床症状 | ・肝門型…閉塞性黄疸、発熱(←胆管閉塞に伴う感染)ガ多い。 ・末梢型…高度に進行してから上腹部痛をきたす。発熱もみられることが多い。 |
検査所見 & 診断 |
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治療 | 肝切除は可能な症例では行われるが、治癒切除率は低い。多くの場合、手術不可能である。肝門部の胆管の閉塞のある場合は、経皮経肝胆管ドレナージ(PTCD)が行われる。手術不能例では、皮下埋め込み式リザーバーを用いた動注化学療法や放射線療法が行われる。 |
ある人が移植を受けた場合、通常は摘出された臓器はもう「使えない」ぼろぼろの状態にあるから、捨ててしまう。ところが、特殊な病気の場合には、摘出した臓器を他の人が利用できるということがある。 FAP(家族性アミロイドポリニューロパチー)は、肝臓でトランスサイレチンという物質が産生されるために、その代謝産物のアミロイドが臓器や神経に沈着して発症する病気である。アミロイドは約20年かかって他の臓器や神経に沈着して、手足の感覚障害や全身倦怠感を引き起こす。しかし、FAPの肝臓は、それ以外の機能については正常で、見た目も健康な肝臓と変わらない。そのため、残りの寿命が約20年以下である場合には、(理論的には)FAPの肝臓を移植することで問題は生じない。さらにまた、もう一度移植を受けるまでのつなぎとして利用できる。 |
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