肝炎ウイルス
   肝炎ウイルスとは、主な増殖の場を肝臓とするウイルスの総称で、現在、A型・B型・C型・D型・E型・G型・TT型の7種類が知られている。一方、肝障害をおこす可能性のあるウイルスでも、肝臓を主な増殖の場としないEBウイルス・サイトメガロウイルス・コクサッキーウイルスなどは「肝炎ウイルス」には含まれない。
肝炎ウイルスの分類
 HAVHBVHCVHDVHEVHGVTTV
ウイルス
の種類
RNA型DNA型RNA型RNA型RNA型RNA型DNA型
エンテロウイルス属ヘパドナウイルス属フラビウイルス属カリチウイルス属
主なウイルス性肝炎の特徴
 A型肝炎B型肝炎C型肝炎E型肝炎
主たる
感染経路
糞口血液・体液
(特に母子感染)
血液
(医原性)
糞口
急性肝炎多い重い軽い多い
劇症肝炎まれ多いきわめてまれ多い
慢性肝炎ない成人では慢性化しない
母子感染時にはキャリアとなる
多いない
特徴海産物(主にカキ)からの感染が主。通常は入院させなくても治るが、高齢者では腎不全を引き起こすこともある。冬に多い。肝炎をおこすのはキャリアのうち10%程度。日本ではHBe抗原(+)の母体から生まれた胎児に対してワクチン接種を行っているために、感染率は低下してきているが、中国では肝炎の主要原因となっている。抗HIV薬のリバビリンが有効。日本における慢性肝炎の主たる要因。100%慢性肝炎となり、うち半数が肝硬変、そのうち半数が肝癌になるといわれている。IFN治療により、30%くらいの患者で、ウイルスの駆除を行うことができる。インド・ミャンマー・ネパールなどに多く、家畜からの感染が主。特に妊娠時に劇症化しやすい。
HBVマーカーとその臨床的意義
HBVマーカー臨床的意義
HBs抗原HBVに感染している状態(キャリア)
HBs抗体過去のHBV感染
HBe抗原HBVの盛んな増殖
HBe抗体HBV増殖の減少、感染力の低下
HBc抗体(高力価)HBVの持続感染
HBc抗体(低力価) HBVの一過性感染、HBV感染の既往 
 IgM型 HBc抗体(高力価)HBVの初感染(急性肝炎)
 IgM型 HBc抗体(低力価)HBVの持続感染の増悪
注意点
   ・抗体が出てくるのはアルファベット順(HBc抗体→HBe抗体→HBs抗体の順)
   ・HBc抗原はウイルスのコア蛋白で、血中には出てこない
   ・キャリアはHBs抗原(+)、HBs抗体(−)、HBc抗体(+)
   ・HBeの抗原→抗体への転換はウイルス量の減少を表す(この転換をzero-conversionという)
   ・HBs抗体は肝臓内にウイルスが存続していることを示す
B型急性肝炎におけるウイルスマーカーの変動
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