放射線 の種類 | 透過性 | 物質との相互作用 | 特徴 | 利用 |
γ線 (X線) | よい | γ線のエネルギーは一部あるいは全部が電子の位置・運動エネルギーに変換され、そうしてエネルギーを与えられた電子はまわりの物質や生体内で電離・励起を引き起こす | 電荷をもたないため、物質との相互作用の確率が低く、透過性がよい。指数関数的に強さ(数)は減少するが、いつまでたってもゼロにはならない | 断層シンチグラフィー(CT) |
β線 | 悪い | 原子を構成する電子と核に対して、クーロン力による相互作用を起こす | 電子との衝突を繰り返してジグザグ状に進むが、その強さ(数)は指数関数的に減少し、ある厚さで強さはゼロになる(その物質中での最大飛程という) →体内に入ってしまうと危険だが、遮蔽すればO.K. | Autoradiography エネルギーの低いβ線を用いて、分子の動きの電顕で観察 |
α線 | 悪い | 大きな運動エネルギー、+2eの電荷をもち、物質中を進むとき主に核外電子の電気的相互作用によって、電子の電離や励起を引き起こす | 質量が大きいため電子をいろいろな方向に飛ばすが、自身はほとんど曲がらずに進む。同じ核種から放出された同じエネルギーをもつα線はどれも同じ距離だけ進むため、ある距離を越えると突然にその数がゼロになる | 深部の組織にエネルギーを集中できるため、癌治療に利用される |
中性子 線 | たいへん 大きい | 電荷がないので、物質中を通過するときクーロン力による相互作用がなく、主に原子核との衝突によりエネルギーを失う | 原子核の大きさは原子に比べ非常に小さいので、中性子が衝突する確率は小さい | − |