Hirschsprung病 (先天性巨大結腸症) | 先天的に拡張・肥大した結腸。直腸と直腸上部の種々の連続する長さの消化管の腸筋神経叢の神経節細胞が欠如(神経節細胞欠損)or著しく減少(神経節細胞減少)するために、直腸・結腸の蠕動運動が障害され、機能性通過障害と口側腸管の異常拡張をきたす。頻度は4000~5000例に1例程度で、男性に多い。Swenson・Soave・Duhamel法などの根治手術が6ヶ月以降に行われる。 |
消化管重複症 | 胎生初期における神経管と消化管の分離過程の障害。 |
腸回転異常症 (総腸間膜症) | 胎児期の腸回転の異常により生じる腸管の位置異常。胆汁性嘔吐・腹部膨満・下血などがみられ、ショックとなるため、Ladd靱帯の切離や壊死腸管の切除などの緊急手術を行う必要がある。 |
鎖肛 | 膜性中隔(総排泄腔膜の遺残)の存在、あるいは肛門管の完全欠如による肛門開口の先天的欠損。 |
憩室症 |
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サルモネラ菌 | 生卵の経口摂取による。最近増加傾向にある。治療は脱水に対する輸液以外は特に必要ないが、ニューキノロンの投与を行うこともある。 | |
大 腸 菌 | 毒素原性大腸菌 | 海外旅行中に水道水を飲んで下痢をおこす時(Traveler's diarrhea)の起炎菌。エンテロトキシン(グアニリン類似物)を産生し、軽症例が多い。治療は基本的に不要だが、重症例ではニューキノロン投与も。 |
腸管出血性大腸菌 | 代表菌は-157。赤痢菌と同じ志賀毒素を産生し、血管内皮細胞破壊を引き起こす結果、溶血性尿毒症症候群(HUS;急性腎不全・溶血性貧血・血小板減少症)や脳症を呈する。治療はホスホマイシン投与により行われるが、大腸全摘が最終的に必要となるケースもある。 | |
MRSA | 院内感染・日和見感染の起炎菌として重要。腸炎の他、肺炎なども引き起こす。治療はバンコマイシンによる。 | |
エルシニア | 家畜・鶏・犬を介して感染する。リンパ節が主病変で、回腸末端~盲腸が冒されやすい。慢性化すると、Crohn病に似た臨床症状を引き起こす。治療にはアミノグルコシドなどが使われる。 | |
カンピロバクター | 生の鶏肉から感染する。主に小腸が冒される。ギランバレー症候群の原因ともなる。Skirrow培地によって菌の同定を行った上で、エリスロマイシンによる治療を行う。 | |
結核菌 | 回腸末端~上行結腸が冒されやすい。Crohn病と類似した組織像を呈するため、鑑別が非常に重要である。Crohn病と誤って、ステロイド治療を開始すると、腸結核に対しては悪影響をもたらすからである。 | |
腸炎ビブリオ | 菌がヒトの体内で生き続けて、毒素を出すタイプ(生体内毒素型)の細菌。海水中に生息し、近海で採れた生魚から経口感染する。夏に頻発し、細菌性食中毒の中で最も多い。通常2~5日で回復するが、肝硬変の患者に感染した場合には、肝で菌が殺菌されずに全身性に広がって、重症化することがある。 |
※ | 食中毒…食餌中に含まれる毒素によって下痢などの下部消化管症状が引き起こされることをいい、腸感染症の概念とは一致しない。起因菌として、重要なのは①腸炎ビブリオ(生体内毒素産生型)、②ブドウ球菌(生体外毒素産生型)、③サルモネラ菌(細胞侵入型)、④カンピロバクター(細胞侵入型)、⑤病原性大腸菌O-157(生体内毒素産生型)などがあげられる。 |
サイトメガロウイルス (CMV) | 日和見感染の原因ウイルスとして重要。胃腸炎の他、肺炎・肝炎なども引き起こす。胃炎では地図状のびらんを形成する。ガンシクロビルにより治療が行われる。 |
Epstein-Barr(EB)ウイルス | 胃炎の原因ウイルスとなり、CMV同様、地図状のびらんを形成する。日本人の胃癌の約10%に関係しているといわれている。 |
エンテロウイルス | ポリオウイルス・コクサッキーウイルス・エコーウイルスなど。腸炎の原因ウイルス。 |
ロタウイルス | 腸炎の原因ウイルスで、嘔吐・水様性の下痢・発熱をきたす。咳嗽・鼻汁・中耳炎などの上気道炎症状を伴うことが多い。 |
ノーウォークウイルス | 胃腸炎の原因ウイルスで、冬季に散発性or集団発生することが多い。悪心・嘔吐・下痢・微熱・筋肉痛・倦怠感・腹痛・めまいなどの症状を呈する。 |
小型球形ウイルス | 生がき摂取後の水様下痢の原因ウイルス。 |
定義 | 抗生物質投与に伴っておこる腸炎。菌交代現象によるものと考えられている。 |
腸炎の 種類 |
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治療 | 本症を誘発している抗生物質の投与中止が何よりも重要。その後、バンコマイシンなどの投与が行われる。 |
アニサキス | サバ・サンマ・イカなどの生魚に含まれており、胃腸炎を引き起こす。腸炎の場合、小腸の好酸球性肉芽腫と消化性潰瘍or腫瘍に類似する症状を特徴とする。 |
赤痢アメーバ | 海外旅行時に起こりやすく、同性愛者間の性交渉で媒介されるといわれており、現に若い人で直腸に発生することが多い。所見は潰瘍性大腸炎と酷似し、生検組織による原虫の検出をもって診断が行われる。メトロニダゾールにより治療される。 |
定義 | 泌尿器や産婦人科領域における腹腔内悪性疾患に対する放射線治療の晩期合併症。 |
病態 | 血管や結合組織への照射により虚血と線維化が生じた結果、腸管障害をきたす。 |
臨床症状 | 下血、渋り腹、下痢など。 |
治療 | 完全に有用な治療法は今のところない。 |
定義 | 原因不明で、主として若い成人にみられ、線維化や潰瘍を伴う肉芽腫炎症性病変からなり、消化管のどの部位からも起こりうる。臨床像は病変の部位や範囲による。発熱、栄養障害、貧血、関節炎、虹彩炎、肝障害などの全身性合併症が起こりうる疾患である。 | ||||||
疫学 | 北欧の白人に多く、わが国では非常にまれといわれていたが、わが国においても欧米でもCrohn病は増加傾向にある。現在日本では人口10万人あたりの有病率は約5人、罹患率は0.5人程度と推定されている。初発年齢は10代後半~20代前半にピークがあり、男女差は若干男性に多い。 | ||||||
分類 | 肉眼的病変(縦走潰瘍・敷石像・狭窄など)の存在する部位によって、小腸型、小腸・大腸型、大腸型、直腸肛門型などに分類される。これらの病変を欠く場合は特殊型(多発アフタ型、盲腸虫垂限局型など)とされる。小腸・大腸型が全体の半分を占め、小腸型と大腸型がそれぞれ1/4を占める。 | ||||||
病因 | 原因は不明であるが、病理像で単球-マクロファージ系細胞とCD4陽性細胞を中心とした免疫異常がみられるため、食事・細菌・ウイルスなどの外因性因子と腸管との相互作用で、腸管に慢性炎症性変化がおこった結果生じたものとする免疫異常説が有力である。また、家族内発症が比較的高率にみられ、HLA-DR4と有意の相関を示すことから、遺伝性のファクターの存在も考えられている。 | ||||||
病理 |
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臨床症状 | 腹痛(一般に軽い下腹部痛)、下痢、発熱、体重減少を4主徴とする。その他、肛門病変(裂肛・肛門潰瘍・痔瘻・肛門周囲膿瘍など)、全身倦怠感、血便などが比較的高頻度でおこる。これらの症状は慢性に経過し、徐々に進行する。 | ||||||
検査所見 & 診断 |
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鑑別診断 |
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合併症 |
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治療 | 潰瘍性大腸炎と同じく、基本的には対症療法で、栄養療法と薬物療法による内科的治療が中心である。
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予後 | 本症は慢性に経過し、一時的に緩解を得ても高率に再発・再燃する。年余にわたって狭窄・変形が進行し、15年以上の経過例では約半数に手術がなされている。一方、発癌などは少なく、生命予後に関してはあまり影響しないといわれている。主な死因は術後敗血症や中毒性巨大結腸症、穿孔などである。 |
定義 | 主として粘膜を侵し、しばしばびらんや潰瘍を形成する、大腸の原因不明のびまん性非特異的炎症である。大腸粘膜および粘膜下層が主たる炎症の場であり、病変は直腸からびまん性連続性に広がっている。 |
疫学 | わが国で最も多い大腸の慢性炎症性疾患で、人口10万人あたりの罹患率は2.0であるが、欧米に比べて低率である。男女比は1:1。年齢分布はCrohn病に比べて若干高く、25歳前後にピークがあり、60歳前後に第2のピークがある。 |
分類 |
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病因 | 原因不明であるが、感染説、アレルギー説、酵素説、血管炎説などが唱えられている。最近では微生物などに対する免疫機構の関与が有力とされている。さらに、免疫学的機序におけるHLAなどの遺伝素因や、自律神経との関連が考えられている。 |
病理 | 病変は主として結腸・直腸の粘膜・粘膜下層に限られ、一般に長期にわたり増悪と寛解をくり返す。その中で、粘膜表層のびらんや粘膜のうっ血に始まり、慢性的に経過するにしたがって、大腸の長さの短縮や腸管ハウストラの消失などが認められるようになる。 |
臨床症状 | 下痢、腹痛(疝痛で、腹部全体or下腹に限局)、粘血便・血便などを主症状とする。持続性・反復性の粘血便・血便が最も特徴的な症状で、程度はさまざまである。重症例では悪心・嘔吐、心窩部痛などがみられることもある。また、発熱・頻脈・全身倦怠感などの全身症状は、炎症の強さや病変の範囲の広さにより程度が異なる。 |
検査所見 & 診断 |
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合併症 |
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治療 |
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予後 | 本症は慢性の経過をたどることが多く、寛解再燃を繰り返す。再燃率は50%前後である。 |
定義 | 原因不明の難治性全身性炎症疾患であるBehcet病の特殊病型の1つで、消化管に病変の主体を認めるもの。 |
疫学 | 20~40歳代に多く、性別では男性にやや多い。食道から直腸までの全消化管に起こりうるが、ほとんどは回盲部に発生する。 |
病態 | 主として回盲部に潰瘍を形成するが、病変は全消化管に起こりうる。Behcet病の病因は不明であるが、好中球機能の亢進が病態の基本にあり、病変部位は病理組織学的に好中球浸潤を主体とする非特異的炎症像を呈する。 |
臨床症状 | 右下腹部痛(圧痛)の他、発熱、腫瘤触知、下痢、下血など。 |
検査所見 & 診断 |
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治療 | 特異的治療法はなく、栄養療法(完全静脈栄養・成分栄養など)や薬物療法(サラゾスルファピリジン、副腎皮質ステロイド剤、免疫抑制剤など)による保存的内科療法が主体である。穿孔例・瘻孔形成例・出血例などでは外科的切除が行われるが、吻合部やその口側に再発するケースが多い。 |
定義 | 脂肪・脂溶性ビタミン・糖質・蛋白質・無機質など、各種栄養素の消化管からの吸収が障害され、それらの欠乏症を生じることを主徴とする症候群をいう。消化器系諸臓器それぞれの機能障害or相互の調節障害によりおこる。 |
病因 |
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臨床症状 | 消化吸収障害の程度・期間により、さまざまな程度の栄養障害がみられる。本症に共通してみられる症状としては、慢性下痢(←脂肪の吸収障害)、体重減少(←カロリー不足)、貧血・倦怠感(←鉄の吸収障害)、浮腫(←蛋白の吸収障害)、舌炎、皮疹、出血傾向などがあげられる。また、原疾患による症状も伴う。その他、他覚所見として、るいそう、脱毛、口角炎などもみられる。 |
検査所見 & 診断 |
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治療 |
・食事療法…高エネルギー・高蛋白・高ビタミン食(ただし低脂肪)で消化吸収しやすいものを素材とする ・経腸高エネルギー療法…経口的に十分な食事が摂取できない場合に適応となる ・完全静脈栄養…腸管吸収面積の著減や高度の栄養障害・消化吸収障害がみられる場合に適応となる ・薬物療法…消化酵素薬の投与の他、止痢薬(下痢がひどい場合)やビタミン剤の投与などが行われる ・原疾患に対する治療 |
定義 | 血漿蛋白、特にアルブミンが胃腸管壁を経て胃腸管腔内へ異常に漏出することにより惹起される、低タンパク血症を主徴とする症候群。 |
疫学 | 本症の原疾患は、消化器疾患のみならず、心疾患・膠原病などの全身性疾患を含むきわめて多彩な疾患で認められるため、本症に遭遇する頻度は高い。 |
原疾患 | ・胃疾患…Me´ne´trier病、胃ポリポーシスなど ・腸疾患…腸リンパ管拡張症、Crohn病、非特異性小腸潰瘍、アレルギー性胃腸症など ・心疾患…収縮性心外膜炎、うっ血性心不全 ・全身疾患…肝硬変、SLE、Sjo¨gren症候群、アミロイドーシスなど |
病態 | 健常者においても、アルブミンは消化管に排出され、再吸収されて肝において再合成されるため、糞便中に排泄される量はほとんどない。本症では、再吸収や肝のアルブミン合成能を超えてアルブミンが消化管腔内へ漏出し、低蛋白血症・低アルブミン血症が生じてくる。 蛋白以外にも血漿成分、Ca、Fe、Cu、リンパ球、脂質が管腔に漏出する。 漏出の機序についてはいまだ不明な点が多いが、腸リンパ系の異常、毛細血管透過性の亢進、H. pylori 感染・炎症・潰瘍・悪性腫瘍などによる胃腸粘膜上皮の異常、局所線溶の亢進、自己免疫的機序などが複数にわたり関与していると考えられている。 |
臨床症状 | 原因となる疾患によってさまざまである。 ・下痢、悪心・嘔吐、腹痛、体重減少…消化管に蛋白が漏出することによる ・浮腫、腹水貯留による腹部膨隆…低蛋白血症による ・テタニー症状(痙攣・感覚異常・Trousseau徴候)、貧血症状(めまい・動悸・息切れ)…Ca・Fe・ビタミンの漏出による |
検査所見 & 診断 |
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治療 | 原疾患を明らかにし、その疾患に対する治療を進める。 ・食事療法…高蛋白低脂肪食や成分栄養を摂取させる ・薬物療法…低蛋白血症・浮腫に対しプラズマネート、アルブミン製剤、利尿薬を投与する。 |
定義 | 便通異常(便秘・下痢・交替性)が持続し、種々の腹部症状を訴えるが、腸管に器質的な病変はなく、機能異常によって起こる病態。 |
疫学 | 消化器症状を訴える者のなかで最も頻度が高く、一般人の約15%がIBSの症状をもっているといわれる。社会が複雑になり精神的ストレスも多くなったためか、近年次第に増加してきている。20~40歳代に好発し、女性にやや多く、肉体労働者よりも知的労働者に多い。 |
病態 | もともと神経症的な素質や自律神経系の不安定な素地のある者に、情緒的緊張やストレス、食品による刺激が加わった時、腸管が運動亢進状態となり症状を起こしてくる。便秘型ではS状結腸の運動が亢進しており、腸内容物の移動が妨げられる。一方、下痢型では大腸全体が細かく痙攣し、急速に腸内容物が移動し、S状結腸で保持できずに下痢となる。 その他、内臓知覚の過敏や中枢の機能異常、免疫学的異常(肥満細胞機能異常)などが関連していると考えられる。 |
臨床症状 |
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検査所見 & 診断 | 血液検査や糞便検査では、異常は認められない。また、注腸造影検査・内視鏡検査では、器質的な異常所見は認められない。 臨床検査からは特徴的な所見は得られず、腹部不定愁訴を訴えるすべての器質性疾患が除外診断の対象となる。 |
治療 | 心理的治療と生活指導を基盤にして、その上で消化器症状に応じた薬物治療を行う。過労を避け、十分な睡眠をとらせ、規則正しい日常生活を送らせるための生活指導を行う。腹痛や便通異常に対しては抗コリン薬や整腸薬を、情動の不安定な者には精神安定薬を用いる。 |
定義 | 大腸の血行障害により炎症が引き起こされる疾患。主幹動脈には明らかな閉塞はなく、腸間膜動脈の分枝である結腸動脈末梢枝に閉塞or狭窄がおこるために、腸粘膜の一部が虚血性変化を示す。 |
疫学 | 50歳以上の高齢者に好発する。近年、人口の高齢化、高血圧・糖尿病・心疾患などの基礎疾患を有する患者の増加とともに、増加傾向にある。 |
分類 |
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病因 | 高血圧・動脈硬化・糖尿病・心疾患などの循環系の基礎疾患を有する者に、うっ血性心不全・ショックなどが加わり、腸管への血流が低下した時に発症する。その他、腸管側の因子として、便秘などの腸管内圧の上昇も重要な誘発因子となりうる。 |
病態生理 | 腸管の支配動脈の解剖学的分布から、血流が粗となる脾弯曲部の上・下腸間膜動脈吻合部と、S状結腸・直腸移行部の下腸間膜動脈・中下直腸動脈吻合部に好発する。 |
臨床症状 | 腹痛・下痢・下血を 3主徴とする。発症は急激であり、腹痛が始まり,まもなく下痢・下血をみる。症状は通常1~2週間以内に消失することが多いが、狭窄型ではさらに狭窄による症状が持続する壊疽型では、腹痛が強く、持続性かつ進行性で、数日以内に腹膜炎の症状を伴ってくる。 |
検査所見 & 診断 |
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治療 | 絶食・輸液・抗生物質投与などの保存的治療により数日程度で症状が消失することが多い。壊疽型で麻痺性イレウス、腹膜炎(腸壁の壊死・穿孔)の所見がみられた場合、狭窄型で狭窄症状が強い場合には、外科的治療(腸管部分切除)を行う。 |
予後 | 非壊疽型(一過性型・狭窄型)は予後良好であるが、壊疽型は予後不良で、腹膜炎を伴う場合が多い。 |
定義 | 大血管(特に上腸間膜動脈)の粥状硬化による腸管の慢性血流障害に起因して、腹痛発作が起こる疾患。 |
症候&診断 | 高齢者に好発し、食後20~50分に生じる腹痛を特徴とする。 診断は諸検査で他疾患を除外した上で、血管造影を行い確定診断とする。 |
治療 | 急性腸管不全の前駆病変であるので、診断が確定したら、できるだけ早期に血行再建術を行う。 |
定義 | 大腸の内径が異常に拡張する症候群。 |
分類 |
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臨床症状 | 頑固な便秘、腹痛、腹部膨満感、便柱の細小化、嘔気、嘔吐、食欲不振、発育不良など。重症例では、腸穿孔、下血、敗血症、ショックを併発する。 |
検査所見 & 診断 |
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治療 | 根治的手術療法が原則である。Swenson法、Duhamel法、Soave法が術式として用いられる。 |
定義 | 種々の原因により腸管の通過障害が生じ、腸管内容の肛門側への輸送が障害されることによって生じる病態。 | ||||
疫学 | 緊急に外科的処置を必要とする腹部疾患の中では、急性虫垂炎に次いで多く、その約2割を占めるとされる。70歳以上の高齢者で特に多いが、中でも開腹手術後の発症が多い。 | ||||
分類 |
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病態生理 | 閉塞部から口側の腸管は内容物貯留により拡張し、嘔吐や、腸管からの吸収障害による脱水・電解質失調をきたす。さらに、腸管の血行障害や腸管内細菌の増殖から敗血症やショック状態に至る。また、腹腔内圧が増加するため、呼吸・循環・腎機能の低下がおこることもあり、適切な治療が行われないと、ショック状態・多臓器不全・DICが発生する。 | ||||
臨床症状 | ・腸管の閉塞による症状…悪心・嘔吐、疝痛性の腹痛、腹部膨隆、排便・排ガスの停止など。 ・脱水・電解質異常による全身症状…口喝、全身倦怠感、脱力感など。 | ||||
身体所見 |
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検査所見 & 診断 |
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治療 | ・全身状態の改善…水分・電解質の補正、経静脈栄養、ショックに対する治療など。 ・吸引減圧療法…イレウス管を経鼻的に空腸まで挿入し吸引することにより、腸管の減圧をはかる。 ・手術…複雑性イレウスでは急速に病状が悪化するため、早急な外科手術が必要である。 |
腸ポリポーシスとは、単に腸管にポリープが多発した状態を表す言葉で、一疾患単位ではない。ポリープは組織学的特徴をもとに腫瘍性、過誤腫性、炎症性、過形成性などに分類される。
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家族性 大腸 ポリポーシス |
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Peutz- Jeghers 症候群 |
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Cronkhite- Canada 症候群 |
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定義 | 大腸粘膜に発生する悪性腫瘍。 発生部位から結腸癌と直腸癌とに分けるのは、臨床症状や解剖学的特徴から治療・予後が異なるためである。さらに深達度により、粘膜下層までの早期癌と固有筋層より深部の進行癌に分けられる。 |
疫学 | 好発年齢は50~60歳代であり、男女比では男性の方が多くなっている。食生活の欧米化(高脂肪・高蛋白・低繊維食)により増加傾向にある。高脂肪・高蛋白食は消化管を通過するうちに、胆汁酸・腸内細菌などによって発癌性をもった物質に転換される。一方、高繊維食は糞便量を増やし、その大腸内通過を速めるため、発癌率が低い。 |
発生機序 |
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分類 |
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臨床症状 |
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身体所見 | 進行すると腹部腫瘤として触れるか、狭窄を生じて、イレウスを起こすまで異常を呈さないこともある。腫瘤は盲腸・上行結腸癌で触知することが多いが、左側結腸癌では少ない。直腸癌では直腸指診が重要である。進行すれば、貧血・体重減少をきたす。 |
検査所見 & 診断 |
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治療 |
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予後 | 進行すると、近接臓器への浸潤、リンパ管および血管を介して肝や肺への遠隔転移を起こし、予後不良となる。 |
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