形成外科とは?
   形成外科(Plastic and Reconstructive Surgery)とは、体表面の先天性or後天性の変形・欠損を修復し、その機能的形態的回復をめざす医療分野である。一方、よく混同される分野に整形外科(Orthopedics)があるが、こちらは運動器(筋骨格系)の機能的回復をめざす医療分野である。
   形成外科で扱う疾患には以下のようなものがある。
      ・体表面の先天異常(唇裂・口蓋裂、小耳症、多指症など)
      ・外傷(顔面・四肢の外傷、顔面骨骨折、熱傷、褥瘡など)
      ・皮膚良性腫瘍(母斑、血管腫など)
      ・悪性腫瘍切除後の再建
      ・瘢痕拘縮、ケロイド
      ・美容外科
形成外科の基本的手技
Z形成術Z形成術(Z plasty)
   形成外科領域で非常によく用いられる手技で、2点間の距離の延長に特に有用で、瘢痕拘縮・陥凹変形などの治療に利用される。基本的には2つの三角皮弁を入れ換える有茎皮弁法の一種である。切開線がZ字型を呈するためこのようによばれている。
   最も一般的なのが右図に示すような三角皮弁の先端角が60度のものである。先端角が60度の場合、縦方向には約73%の延長効果(約1.73倍になる)が得られる(ただし横方向には縮小してしまう)。
   一般に先端角が30度以下になると、循環障害のために三角皮弁の先端が壊死を起こしやすくなる。逆に、先端角を90度以上にすると、皮弁の入れ替えが困難になるため、4弁Z形成術とよばれる方法がとられる。
   また、拘縮の長さが長い場合には、連続Z形成術が用いられる。
4弁Z形成術            連続Z形成術
W形成術 W形成術(W plasty)
   露出部(特に顔面)の拘縮のない線状・帯状の瘢痕などに対して、整容効果をめざす方法で、両側の切開縁が鋸歯状を呈するためにこのようによばれている。
   この方法は長い線状瘢痕より短いzigzag瘢痕の方が目立たないということを利用したものである。一般に三角皮弁の長さは4〜6mm、先端角は40〜90度にするとよいとされている。
   整容効果は大きいものの、適応が線状・帯状の瘢痕のみに限られること、正常皮膚の犠牲が時に大きくなることなどの欠点がある。
植皮術(skin graft)
   植皮術とは、人体採取部から皮膚のみを完全に切り離して、目的部に移行させる皮膚移植法である。形成外科領域でよく用いられるのは、患者自身の皮膚を用いた自家遊離植皮術である。
   移植片の生着メカニズムは次のようなステップからなると考えられている。移植後、植皮片はまず周りの組織からの滲出液を吸い上げる(組織循環期)。続いて、血管の吻合と毛細血管の増生が起こり(血管新生期)、植皮片は完全に生着する。このため、組織液を吸い上げやすいstamp graftやmesh graft、血管新生の起こりやすい薄い移植片の方が生着しやすいことが分かる。また一方、感染や血腫(←手術時の止血操作不足)は移植片の生着を阻害する要因として重要であり、しっかりと防ぐ必要がある。
   植皮片はその厚さによって、以下の表のような特性があり、それぞれ使い分けがなされている。
  生着性  質感・色調 主な適応
 薄い植皮片 × 体幹部で主に使用される 
厚い植皮片× 顔面で主に使用される
   一方、植皮の方法としては以下のようなものがあり、それぞれに特性があって、使い分けされている。
 sheet graftmesh graftstamp graft
方法1枚で皮膚の欠損部を完全に覆う方法。
sheet graft(模式図)
メッシュ状に加工した皮膚を移植する方法。
mesh graft(模式図)
切手大に細切りにした皮膚を貼り付ける方法。
stamp graft(模式図)
 生着性 ×
外観×
皮弁(skin flap)
   皮弁(有茎植皮)とは、血行を保ったまま皮膚を移動させて、欠損部位を覆う方法のことをいう。皮弁は、植皮と違って、皮膚に加えて厚みのある皮下組織を含めて移植するため、植皮の平面的修復(再建)に対して立体的な再建に用いられる。つまり、皮弁の主な適応として、鼻・眼瞼・頬部・乳房・殿部などの立体的再建があげられる。
   また皮弁は、植皮術に比べて、感染のある場合や血行の悪い場所での生着性がよく、骨や腱の露出部の被覆にも用いられる。
   皮弁は、局所皮弁と遠隔皮弁の2つに大きく分けることができる。局所皮弁とは、移植部の近傍に作製した皮弁を生体との付着を保ったまま移動させるものである(この付着部位を茎という)。皮弁の移動様式から進展皮弁、横転皮弁、回転皮弁などに細分類されるが、このうち最もよく用いられるのは回転皮弁で、殿部の褥瘡の修復や顔面外傷の修復などに用いられる。
   一方、遠隔皮弁とは、移植部位から離れた部位に作製した皮弁を用いるもので、このうち血管柄付でいったん生体から切り離し、後にマイクロサージェリー手技を用いて動静脈吻合を行うものを遊離皮弁という。こちらは、下腿の褥瘡の修復や前胸部の組織欠損の修復、手指の修復などに用いられる。
熱傷
分類
熱傷深度分類
T度熱傷
(epidermal burn)
紅斑がみられる。ふつうの日焼け程度で、特別な治療は必要ない。皮膚の構造と熱傷深達度分類
U度熱傷
(dermal burn)
水疱形成がみられる。浅U度と深U度に細分類される。
浅U度熱傷
一般に水疱の下がピンク色を呈する。皮膚付属器の大部分が残っており、そこから表皮が再生してくるため、通常2週間以内に治り、治癒後肥厚性瘢痕を生じることも少ない。
深U度熱傷
一般に水疱の下が白っぽい。皮膚付属器があまり残っておらず、治癒までに2週間以上要する上、治癒後も肥厚性瘢痕を生じることが多い。
V度熱傷
(deep burn)
組織の壊死が起こっている。皮膚付属器が完全に残っておらず、熱傷範囲が広い場合には皮膚移植が絶対的に必要となる。
熱傷面積緊急時には、9の法則(成人用)あるいは5の法則(幼児・小児用)を用いて、おおまかに計算する。緊急処置後には、Lund and Browderの図表を用いて、正確に計算する。
9の法則、5の法則、Lund and Browderの図表
重症度
Artzの基準
U度30%以上、V度10%以上、顔面・手・足の熱傷、気道熱傷、軟部組織の損傷・骨折の合併が重症熱傷と診断され、総合病院にて入院加療が行われる。
治療
【T度熱傷】局所冷却後に、汚物を洗浄・除去し消毒する。
【U度熱傷】できる限り水疱を保存する。水疱が破れてしまっている場合には、水疱膜を清潔に切除し、創傷被覆材を用いて、水分保持・感染防止・ガーゼとの接着防止を図る。
【V度熱傷】初期治療として、
   1. 気道の確保(気道熱傷のある場合)
   2. 静脈路の確保(中心静脈も含め2〜3本)
   3. 乳酸加リンゲル液の点滴開始(Na・水分の補給)
   4. 膀胱へ留置カテーテルの挿入(適切な輸血が行われているかの指標として用いる)
   5. 胃ゾンデの挿入
   6. 鎮痛剤・鎮静剤の投与
   7. 熱傷創の処置(洗浄など)
   8. 検査に必要な採血、X線検査
が行われる。その後は、迅速な植皮が必要となる。
 特殊な熱傷 
気道熱傷
気道の確保が初期に必要となる。
電撃傷
傷が非常に深い。表面だけを治すための植皮を初期に行ってしまうと、敗血症を招くことがある。
化学熱傷
酸・アルカリ・重金属などによる。
肥厚性瘢痕とケロイド
   通常、傷跡は、半年〜1年程度で白く目立たなくなるが、傷が化膿してしまったり、傷の安静を保たなかったりすると、赤色調の肥厚性病変(肥厚性瘢痕)になってしまうことがある。また、体質によっては、受傷部の周囲まで肥厚性病変が拡大するケロイドになることもある。
   これらの現象はいずれもコラーゲンの過剰増生によるものであるが、両者には以下のような違いがある。
 肥厚性瘢痕ケロイド
 定義 受傷部を超えない赤色調の肥厚性病変受傷部を超えて増殖を示す赤色調の肥厚性病変
要因虚血・拘縮・緊張など局所要因が大きなウェイトを占めるといわれる
(誰にでも起こりうる)
人種・性別・年齢など全身要因が大きなウェイトを占めるといわれる
(起こる人と起こらない人がいる)
経過一定期間の増殖後、自然寛解する持続的に増大する
部位部位依存性は少ない好発部位として、前胸部(特に胸骨部)、上背部(特に肩甲骨部)、上腕外側部など
拘縮生じることが多いあまりない
症状ほとんどないかゆみ・痛みを伴うことがある
治療基本的に治療不要(切除して縫い直せばきれいに治る)切除+放射線治療(20Gy)
またはステロイドの局注
先天性顔面形態異常
唇裂・口蓋裂・唇顎口蓋裂
【分類】
唇裂先天的に唇が割れている状態のことで、日本での頻度は0.08%である。上唇に軽いくびれがあるだけで鼻もまったく変形していないような軽い状態から、上唇だけでなく歯茎のところまで割れていて、鼻も強く変形している程度の重い場合まである。また、唇の割れが片側だけに起きている場合(左側が圧倒的に多い)と両側に起きている場合があり、両側唇裂・片側唇裂というよび方がなされている。
 口蓋裂 唇が割れていなくて、口の中の上顎だけが割れている状態のことをいう。日本での頻度は0.03%で、女性に比較的多いとされている。口と鼻の間を隔てている境がなく、口と鼻がつながっているため、後に構音障害や難聴をきたしやすい。
唇顎
口蓋裂
唇から上顎を含め口蓋垂まで割れていて、唇裂と口蓋裂が合併している状態のことをいう。日本での発生頻度は0.08%で、男児に多いといわれている。唇裂同様、唇の割れが片側だけに起きている場合(左側が圧倒的に多い)と両側に起きている場合があり、両側唇顎口蓋裂・片側唇顎口蓋裂というよび方がなされている。
【原因】
   原因を考える前に、正常の顔面形成(特に鼻・口唇・口蓋)について簡単に復習する。
   胎生4週目に顔面隆起が出現する。最初は、前頭鼻隆起・上顎隆起・下顎隆起の3つの隆起によってなっている。このうち、前頭鼻隆起は、内側鼻隆起と外側鼻隆起へと分かれていく。
鼻・口唇・顎部の発生
   5週目には鰓弓が形成される。内側鼻隆起下方は上顎隆起と癒合し、人中や鼻背の部分になる。外側鼻隆起は外鼻孔を取り囲み、鼻翼から内眼角付近までを形成する(口唇の形成には関与しない)。その後、外側鼻隆起は上顎隆起と癒合しその位置に鼻涙管ができる。口蓋は1次口蓋(内側鼻隆起由来)と2次口蓋(上顎隆起由来)からなる。
口蓋の発生
   このように、鼻・口唇・口蓋の発生において重要なのは、上顎隆起・内側鼻隆起・外側鼻隆起の3つの隆起である。それぞれの最終分化像をまとめると、以下の左表のようになる。
鼻・口唇・口蓋の発生
上顎隆起頬・上唇側方部
内側鼻隆起上唇の人中・鼻尖・鼻背
外側鼻隆起鼻翼〜内眼角付近
      
唇裂・口蓋裂の原因
唇裂上顎隆起と内側鼻隆起の癒合不全
口蓋裂左右の口蓋隆起の癒合不全
唇顎口蓋裂上2者の合併
   これらのことから、唇裂は上顎隆起と内側鼻隆起の癒合不全、口蓋裂は左右の口蓋隆起(←上顎隆起由来)の癒合不全によって生じたもので、これらが同時に起こったのが唇顎口蓋裂ということができる(上表の右側)。
【治療】
   唇顎口蓋裂の治療は多段階にわたる。@まず、生後約3ヶ月に、三角弁法・Millard法による唇裂の手術が行われる。A続いて、1〜2歳の時に、口蓋裂の手術が行われる。この口蓋裂の手術により、上顎の発育抑制が起こるために、B歯列矯正が5〜6歳で必要となる。歯茎に裂がある場合には、C10歳までに顎裂部骨移植が行われる。最終的に、D18歳以降に唇裂微修正が行われ、一連の治療は終了するが、その後も定期的に診察を行い、必要があれば修正手術を施行する。
   口蓋裂・唇顎口蓋裂では、鼻と口が交通しているために、構音障害をきたすことが多く、言語訓練もこれらの外科治療とあわせて行われる。
小耳症
   小耳症とは先天性の耳介形成不全である。一般に発生頻度は4,000〜8,000人に1人といわれるが、1〜2万人に1人という報告もあリ、かなりまれな疾患である。一口に耳介の形成不全といっても、程度はさまざまで、耳介がほぼ完全な形で残っているものもあれば、外耳道が完全に閉塞し耳の形が全くみられない場合もあり、その形態によってgrade分類(T〜X)がなされている。
   小耳症は外耳の病気で、中耳や内耳が正常な場合が多い。そのため、小耳症の場合には、伝音性難聴に陥りやすい。特に両側小耳症の場合には、無治療だと、せっかく正常なまま残っていた両側の聴神経が、無刺激状態によって麻痺してしまう。そのため、早期より補聴器の装着が行われる。
   小耳症は合併症として、第一第二鰓弓症候群とよばれる顔面の変形をきたしやすい。実際に患者の顔をよく診察すると、耳だけでなく顎骨・皮膚皮下組織などの軟部組織も小さいことがしばしば認められる。
   形成外科的な治療としては、胸の肋軟骨を使った耳介形成術が行われる。これは、肋軟骨を耳の形に細工して、側頭部の皮下に埋め込み、約半年後に耳介挙上を行うというものである。耳の孔は掘っても聴力改善はあまり期待できず、耳だれが出るなどの支障があるため孔は開けず、立体感をつけるためのくぼみをつくる程度にとどめる。
顎・顔面骨骨折
 概念疫学・成因症状治療法




歯槽突起
骨折
歯槽突起のみの骨折。前歯部に多くみられる歯根が植立しており、骨質が比較的少ないので、比較的軽度の直達外力により破折しやすい。頻度は10%強
顔面症状
変形、腫脹、疼痛、損傷、出血、自発痛、圧痛、知覚麻痺etc.
口腔内症状
粘膜・舌・歯肉などの損傷・出血、咬合異常、歯列不整、歯の破折・脱臼・脱落etc.
顎関節障害
咬合時・顎運動時の疼痛、顎運動障害、咀嚼・談話の障害、流涎etc.
鼻症状
鼻出血、鼻閉、(時に)髄液鼻漏etc.
眼症状(←Le Fort II・III型)
眼球結膜出血、眼球沈下、視力障害、複視、鼻涙管閉鎖による流涙etc.
救急処置
創面の消毒・止血、呼吸困難に対する処置・気道の確保、創面の閉鎖etc.
骨折片の整復
なるべく早期に非観血的整復(徒手整復)を行う。徒手整復困難な陳旧例に対しては観血的整復が必要になることもある
骨折片の固定
ネジやプレートによる骨縫合、副子固定、顎間固定、顎外固定などが症例に応じて行われる。固定期間は一般的に成人で約1ヶ月半
後処置
栄養補給、感染防止、顎運動機能訓練etc.

※顎・顔面骨骨折においては骨折自体を治すことはもとより、上下顎咬合関係の回復を完全に行えないと、患者の将来のQOLが著しく低下してしまうため、骨折片の固定が他の骨折に比べて重要となる





Le Fort
I型
horizontal type。参照上顎骨には鼻腔・副鼻腔の空洞が存在するため、骨の薄い部があり、比較的軽度の直達外力によって破折しやすい。そのため、複雑骨折となることが多く、古典的なLe Fort分類に合致する骨折線を呈することは少ない。顎・顔面骨骨折の中ではそれほど頻度は多くなく、10%強である
Le Fort
II型
pyramidal type。参照
Le Fort
III型
参照
骨体部
縦骨折
歯槽突起・上顎骨に上下方向に骨折線が走るもの。正中部に多い




歯槽突起
骨折
歯槽突起のみの骨折直達外力がかかりにく部位にあるため、頻度は低い
顔面症状
変形、腫脹、出血、損傷、裂傷、挫傷、自発痛、圧痛etc.
口腔内症状
粘膜・歯肉などの損傷・出血、歯列不整(大臼歯部骨折で著明)、咬合異常、歯の破折・脱臼・脱落、歯根の破折etc.
顎関節障害
咬合時・顎運動時の疼痛、開口困難、閉口不能etc
下顎
骨体部
骨折
下顎正中部、側オトガイ部、大臼歯部、下顎角部、下顎枝部にできた骨折の総称顎・顔面骨骨折の1/3を占め、交通事故・作業事故・打撲などの外傷による直達骨折が多い
関節突起
骨折
下顎骨の下顎頭(関節突起)に生じた骨折比較的頻度が高い。成因としては直達骨折よりも下顎体部に加わった外力によって介達骨折を起こすことが多い
筋突起
骨折
関節突起の前方にある筋突起に生じた骨折。単独骨折はかなりまれ
頬骨骨折・
頬骨弓骨折
頬骨前頭縫合・頬骨上顎縫合・頬骨弓・眼窩下縁に骨折線があるもの比較的頻度が高く、交通事故・作業事故・打撲などの外傷による直達骨折が多い眼球の沈下、複視、側頭筋の炎症性拘縮に伴う開口障害etc.
眼窩底
陥没骨折
blowout
fracture
前方から眼窩直径より大きい物体(ボール、握りこぶし)が衝突した時に、眼窩内容が後方に押されて、抵抗の弱い眼窩底(特に下壁に多い)の陥没骨折が生じ、眼窩内容の一部が上顎洞に逸脱する。頬骨or上顎骨骨折は含めない複視、眼球陥没、眼球の上転障害etc.眼瞼部切開法or犬歯窩切開法にて副鼻腔に到達して、逸脱している眼窩内容を整復した後、腸骨を用いて眼窩底を再建する
褥瘡 decubitus
概念壊死組織を伴った難治性の慢性皮膚潰瘍
原因
外力・内力による
限局性圧迫
←可動性の減少、知覚・運動障害
          ↓
局所循環障害
(組織の虚血)
←局所的因子(骨の突出)
          ↓  ←組織の耐久性の低下  ←外的因子(摩擦、ずれetc.)、内的因子(栄養不足、貧血、動脈圧低下etc.)
組織の壊死
          ↓  ←感染の合併
褥瘡発生
症状
深達度による分類
・1度…圧迫を除いても消退しない発赤
・2度…水疱、びらんを伴う浅い潰瘍。創は真皮にとどまる
   ⇒1度・2度は浅い褥瘡で、治療により皮膚は再生治癒する
・3度…皮下脂肪にまで傷害が及ぶ深い潰瘍
・4度…筋肉から骨にまで傷害が達する深い潰瘍
   ⇒3度・4度は深い褥瘡で、治療を行っても壊死組織を伴い瘢痕治癒する
※好発部位は荷重域であり、仰臥位状態では殿部、背部、脚部(仙骨部、大転子部、踵部etc.)などに好発する
予防日常的な感染予防対策…褥瘡処置前後の手洗い、清潔操作etc.
除圧・減圧…2時間ごとの体位変換、減圧用具(ウォーターベッド、ウォーターマットレスetc.)、局所的褥瘡予防用具etc.
栄養管理…十分なカロリーと蛋白質の摂取、貧血の予防etc.
治療
急性期褥瘡
【概念】発生後間もない場合、傷害範囲が不明な場合、発赤・水疱・出血を伴う場合etc.
【治療】ドレッシング材による創面の保護、生理食塩水による感染の制御(抗生剤、強い消毒剤は原則として使用しない)、疼痛の軽減etc.
慢性期褥瘡−黒色期(炎症期)
【概念】黒色壊死組織が付着した状態
【治療】外科的デブリドマンによる壊死組織の除去、壊死下膿貯留の切開・排膿etc.
慢性期褥瘡−黄色期(壊死期)
【概念】感染・滲出液過多・不良肉芽の存在する状態
【治療】壊死組織の化学的デブリドマン(酵素製剤などを使用)、吸水材による滲出液のコントロール、創面の洗浄による感染の予防、抗生剤の全身投与etc.
慢性期褥瘡−赤色期(肉芽形成期)
【概念】肉芽形成の盛んな状態
【治療】肉芽形成を促進させるために、適切な外用薬の塗布、ドレッシング材による湿潤環境作り、外力からの保護etc.
慢性期褥瘡−白色期(上皮形成期)
【概念】肉芽組織が収縮し始め、表皮形成がみられるようになった状態
【治療】上皮下を促進させるために、適切な外用薬の塗布、ドレッシング材による湿潤環境作り、外力からの保護etc.

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