良 性 軟 部 腫 瘍 | 脂肪腫 | 成人の良性軟部腫瘍で最も頻度が高い。成熟脂肪細胞が増殖したもので、時に巨大化し悪性との鑑別が問題となることがある |
血管腫 | 多くは組織奇形を基盤とした血管増殖で、全身各所に発生する。しばしば静脈結石を伴う |
腹壁外デスモイド | 線維芽細胞が増殖したもの。浸潤性・再発性が高いが、基本的に治療は不要で経過観察で十分である |
ガングリオン | 間接包や腱鞘、関節周囲結合組織の粘液腫様変性によって生じた小嚢胞の癒合したもの。手指、手、足背に好発する |
色素性絨毛結節性滑膜炎 | 関節内滑膜組織の絨毛状・結節状増殖性病変。膝関節に好発し、再発性の関節血腫を主症状とする |
悪 性 軟 部 腫 瘍 | 悪性線維性組織球腫 (MFH) | 50〜70歳台に好発するwaste box的な疾患群。多形性を示す線維芽細胞様細胞と組織球様細胞から構成され、多彩な組織像を示す。最近は、診断技術の進歩により、MFHの診断は減少傾向にある |
脂肪肉腫 | 40〜60歳台に好発する。病理所見から4つの型に分類されるが、そのうちの円形細胞型と多形型が特に悪性度が高い。粘液型と円形細胞型では、共通して融合遺伝子(TLS-CHOP・EWS-CHOP)が認められる |
平滑筋肉腫 | 50〜60歳台に好発。化学療法抵抗性で、腫瘍塞栓を合併しやすく、治療成績が悪い |
滑膜肉腫 | 20〜40歳台に好発。四肢の関節近傍に多く発生する。融合遺伝子(SYT-SSX)が認められる。比較的化学療法が奏効する |
横紋筋肉腫 | 小児の悪性軟部腫瘍として重要であるが、高齢者に多く発生する多形型もある。増殖が速く、悪性度はかなり高いが、化学療法に対して感受性をもつ。しかし、遠隔転移が多く、予後は不良である |
神経芽細胞腫 | 副腎髄質から主に発生する悪性腫瘍で、小児に多くみられる |