I2試験問題(2002.7.2実施)

A4用紙 12枚(各問題1枚ずつ) 解答書き込み式

総合診療部 新保卓郎

1. 治療の有効性の根拠としてランダム化比較試験が優れている。その理由として以下のうちで不適切なものはどれか?一つ選べ。
a.二つの治療法の比較が、背景の似た患者集団で可能
b.Regression to meanの効果を利用できる
c.計画的な結果の測定が可能
d.ブラインドによる結果の評価が可能
e.疾患の自然軽快が結果の評価に及ぼす影響を除外できる

2. 治療効果に対する患者の価値観と治療選択について、以下の記載のうち不適切なものはどれか?一つ選べ。
a.治療選択を行うとき、治療効果に対する患者の価値観を考慮するのは必須である
b.効果や副作用の発生時期、QOL、費用についての患者の価値観も治療選択に重要である
c.ランダム化比較試験は、治療効果に対する患者の価値観も評価している
d.患者の価値観を治療選択に反映させるために、インフォームドコンセントが重要である
e.治療効果の表現方法により、治療法に対して患者の受ける印象は異なる

3. 喫煙患者に対する禁煙指導の一部として、不適切なものは以下のうちどれか?一つ選べ。
a.喫煙状況を確認する
b.喫煙の害を説明し、禁煙を動機づける
c.禁煙開始後にニコチンパッチはなるべく使用しないよう励ます
d.禁煙開始と維持のための具体的アドバイスを複数提示する
e.禁煙が維持できれば褒める

4. 終末期癌患者に対する接し方の一つとして、傾聴し感情に焦点をあて共感を示す」という方法がある。終末期癌患者が、「先生、早くいかせて(死なせて)もらえないでしょうか?」と話してきたとき、以下のうちどの応答がこれに相当するか?一つ選べ。
a.「ごめんなさい。そんなことは法律的にできないのです。」
b.「そんなことをしたら家族の方が悲しまれます。」
c.「自分も頑張ります。あなたも、もっと頑張ってください。」
d.「どのようなことがつらくてそのように思われるのか、教えて頂けませんか?」
e.「痛みとか今のつらい症状は、積極的に取るようにします。」


第二外科 山岡義生

『   』に適切な言葉を入れよ。

問題  1   近代外科学の祖といわれるAmbroise Pareが言ったことば
     「私が処置し、『     』がこれを癒し給うた」
 
問題  2   医の倫理の根本として「ヒポクラテスの誓い」がよく引用されるが、1964年に世界医師会が出した『     』にインフォームド・コンセントがはじめてもりこまれ現在にいたっている。2000年エジンバラ総会での修正が最新のものである。


第一外科 土井隆一郎

問題1.  括弧内うち、正しいものを選べ。
   急性閉塞性化膿性胆管炎は、胆道の閉塞により胆道内圧がA( @上昇、 A低下 )し、胆汁中細菌が肝臓、肝静脈を経由し全身性に逆流することがその病態となっている。胆汁中の細菌、B( @ウイルス、 Aエンドトキシン、 BRNA )などが関与し、最終的には細菌性ショックを呈し、C( @MPO、 Aヘルニア、 BMOF )と呼ばれる病態になる。胆管結石症で多く悪性腫瘍では少ないが、乳頭部癌では多く見られる。Charcotの三徴といわれる悪寒戦慄、右上腹部痛、D( @消化管出血、 A黄疸 )に加え、ショックと意識障害が加わったReynoldsの五徴が見られる。すなわち急性胆管炎に細菌性ショックが加わった病態である。治療として、確実に胆道内圧を減圧するために、E( @EUS、 APTCD、 BEMR、 CPTCA )などを行い、抗菌剤を使用する。

  問題    解答(番号で)  
A 
B 
C 
D 
E 

問題2.  括弧内うち、正しいものを選べ。
   偽膜性腸炎は、抗菌剤の投与によりA( @日和見感染、 A菌交代現象 )として腸管内で、B( @Bacteroides fragilis、 AClostridium difficile、 BMRSA )が異常繁殖し、これが産生するエンテロトキシンによって引き起こされる下痢性腸炎のことである。セフェム系抗生物質、リンコマイシン系抗生物質に起因する頻度が高いが、ほぼすべての抗菌剤が本症を惹起する可能性がある。抗生物質投与後、C( @直ちに、 A10〜20日で、 B1〜2ヶ月で )症状が発現し、激しい下痢、腹部鈍痛、時に血便が主症状である。また発熱、食欲不振、悪心・嘔吐、腹部膨満、白血球増多が観察され、続発的に、D( @貧血、 A脱水 )による電解質異常、低蛋白血症、腎機能障害がみられる。内視鏡検査で大腸粘膜面は特徴的なE( @赤、 A黒、 B白黄、 C緑 )色の偽膜形成がみられ、また糞便中にB( @Bacteroides fragilis、 AClostridium difficile、 BMRSA )が検出される。

  問題    解答(番号で)  
A 
B 
C 
D 
E 


呼吸器外科 和田洋巳

(1) 肺癌の外科的治療につき知るところを記せ

(2) 縦隔の構造を解剖学的に分類し、それぞれの部位に好発する腫瘍を列挙せよ


第二外科 鳶腹康行

問題1:ショックの定義をのべ、原因別に5つ挙げて説明せよ。

問題2:酸塩基平衡異常を4種類挙げ、それぞれどのような場合におこるか例をあげて説明せよ。


移植外科総論


問題1.肝移植の適応となりうる疾患を5つ列挙せよ。

問題2.臓器移植患者において感染免疫能に影響を与える因子を5つ列挙せよ。


移植外科 藤本康弘

1) 新生児、乳児、小児において外科治療の対象となりうる疾患名を8ヶ以上列挙せよ。

2) 1)のうち1つ選び、その診断法について記載せよ。


第一外科 今村正之

1)消火器癌(食道・胃・大腸など)の早期診断と早期治療の方法論について述べよ。
 
2)実質臓器癌(肝・胆道・膵など)の早期診断と治療法の現況と改革案についてあなたの考えを述べよ。


第一外科 嶋田 裕

1) 腫瘍外科における基本的考え方を根治性、リンパ節郭清、標準手術、拡大手術、縮小手術、機能温存、QOL、インフォームドコンセントをキーワードとして記せ。

2) 取り扱い規約と治療ガイドラインいついて記せ。


第一外科 小野寺 久

1) 外科の無菌手術について
    a. 滅菌と消毒につきその差異を記せ

    b. 消毒の三要素につき述べよ

2) 消化器外科における鏡視下手術につき正しいものを選べ
         1.1987年Mouretによりはじめられた腹腔鏡下胆嚢摘出術がその起源とされている。
2.消化管癌の全てが適応であると合意されている。
3.傷は小さいが、術後の疼痛は強い。
4.気腹法においては炭酸ガスを用いて腹腔内を拡張させる。
5.大腸癌の手術ではポートサイト再発の配慮が必要である。
 
         解答群)
      a. (1)(2)(3)      b. (1)(2)(5)      c. (1)(4)(5)      d. (2)(3)(4)      e. (3)(4)(5)


関西医科大学 中谷壽男

問題1   ゼングスターケン・ブレイクモアチューブについて正しいのはどれか

a   食道静脈瘤の破裂予防に用いる
b噴門部胃静脈瘤の破裂には無力である
c胃バルーンには膨らみすぎないように50mLの空気を入れる
d食道バルーンは静脈瘤をしっかりと抑えるために内圧を80mmHgにする
e潰瘍には適用はない

問題2.   患者が眼前で心配停止したと考えられる。応援を求めたにもかかわらず、救援者が自分一人しか居ない場合の行動として正しいのはどれか。ただし、最寄の電話までは走っても片道30秒はかかるものとする。

a.  患者は53歳で既往歴不明。まず、心配蘇生術を試みる。
b.患者は53歳で溺れているのを引き揚げた。まず、電話に走り119番通報をする。
c.患者は7歳で心疾患で通院中である。まず、胸骨圧迫式心臓マッサージをする。
d.患者は7歳で、車にひき逃げされた形跡がある。まず、電話に走り119番通報をする。
e.患者は35歳で既往歴不明。まず、電話に走り119番通報をする。


心臓血管外科 米田正始

1、 心臓外科手術において必要かつ特徴的な手段について述べよ

2、 体外循環使用時の生体の変化を列挙せよ
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