@定義
視床下部は第三脳室の側方にあり、視床の下方、視交叉と中脳の間に位置し、脳の最深部にある。視床下部は系統発生学的には脳の古い部分であり、その発達の程度は動物によってあまり差はない。
A組織学的特徴
視床下部の毛細血管の内皮細胞には小さな孔が開いており、ニューロン膜は常に直接血液に接している。また、視床下部内側領域には血液および脳脊髄液とを連結する小管系も存在する。したがってこれら視床下部の組織学的特徴は、視床下部ニューロンが血液、脳脊髄液中、さらには視床下部内の諸物質の濃度の変化を感知するのに非常に都合がよい。すなわち、視床下部ニューロンが内部環境情報の受容を行うための受容器をもつことに対して重要な意義をもつ。
B線維連絡
視床下部は、それより高位および下位の中枢領域と遠心性および求心性神経を介して下図のように連絡している。
また、視床下部と末梢との線維連絡は、主に内側前脳束と背側縦束によって行われる。この内側前脳束と背側縦束は、視床下部および他の中枢部位からの出力を脳幹において統合し、目的のある順序だった行動(摂食行動、飲水行動、性行動、攻撃行動など)の遂行に関与する。