中枢神経系の機能総論
用語集
反回抑制  recurrent inhibition
   脊髄運動神経細胞で見られるフィードバック型抑制のこと。運動ニューロンの反回側枝を介して、興奮性の入力が脊髄にある介在ニューロン(レンショウ細胞)に入る。レンショウ細胞は運動ニューロンに投射し、抑制性のシナプスをつくることによって、2シナプス性に運動ニューロンの抑制が起こる。反回抑制の主な働きは、運動ニューロンの出力の利得を調節することである。

拮抗抑制  antagonistic inhibition
   拮抗筋の運動ニューロンへの反射性の抑制のこと。この反射のことを伸張反射というが、ここでは拮抗筋のTa群線維が求心路となっており、介在ニューロンを介して2シナプス性にフィードフォワード型の抑制が行われている。この介在ニューロンは、レンショウ細胞を介する反回抑制も受けている。

自原抑制  autogenetic inhibition
   同名筋の運動ニューロンに対する反射性の抑制のこと。これは腱受容器による反射で、筋の張力の情報がTb群線維を通って伝達され、2〜3シナプス性に運動ニューロンに抑制性に作用することによって起こっている。Ta群線維による伸張反射とともに筋硬度の調節を行なっている。
抑制回路



シナプス後電位の時間的・空間的加重  temporal and spacial summation of postsynaptic potential
   求心神経に十分短い一定の時間間隔で反復刺激を与えると、シナプス後電位が加算されて大きくなるという現象が起こる。このことを時間的加重という。また、1個のニューロンに収束する複数の求心神経を刺激すると、それぞれの求心神経の刺激によって生じるシナプス後電位が加算されるという現象が起こる。このことを空間的加重という。
   たとえ1つ1つの刺激が小さくとも、反復刺激をしたり、複数の求心神経を刺激したりすると、上記の加重が起こって大きなEPSPとなり、それが閾値に達すればインパルスを発生するようになる。
時間的・空間的加重



閉塞と促通  occlusion and facilitation
   1つのニューロンプールに2本の求心神経 a, b の入力があるとして、2本の求心神経を独立に刺激した場合に発火するニューロンの合計数 F(a)+F(b) と、2本を同時に刺激した場合に発火するニューロンの数 F(a+b) との間の関係について考える。2本の求心神経の入力に重なりがない場合は数値は等しくなるが、重なりがあれば等しくならない。
   ある程度の強い刺激を同時に与えると、すべてのニューロンの発火が起こるが、重なりあっている分だけ F(a+b) の方が F(a)+F(b) よりも小さくなる。このような現象のことを閉塞という。しかし、刺激を弱くしていくと、2本をそれぞれ独立した場合には閾値に達しないために発火しなかったニューロンの中で、空間的加重によって発火するニューロンが出てきて、先ほどとは逆に F(a+b) の方が F(a)+F(b) よりも大きくなる。このような現象のことを促通という。
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