グラム陰性菌の外膜について次の各問に答えよ。
(1)  その構造を内膜との違いが明確になるように図示せよ。また、それぞれの膜はどのような機能を有するか説明せよ(感染への寄与についても言及せよ)。
(2)外膜に存在し臨床的に感染性ショックに関与するものの構造の概略を図示せよ。
(3)上記のものがどのような機序で感染性ショックを招くと考えられるか説明せよ。


(1)
グラム陰性菌細胞膜の概略図
   外膜は、基本的には細胞内を保護する役割をもつ。また、LPSや、タンパク質を含み、あるタンパク質はポーリンや担体輸送タンパクをなし、栄養物を取り込む。LPSのO側鎖は、宿主の貪食細胞による貪食を退ける力がある。
   内膜の機能は、
   @細胞の内と外を区別する障壁を形成すること
   A細胞外に希薄に存在する栄養物を細胞内へ輸送・濃縮し、また代謝産物を排出すること
   B細胞膜外構築物の材料を分泌し、細胞表層に組み立てること
   C膜ポテンシャルを形成し、ATPを合成すること


(2)
LPSの構造 サルモネラ菌のリポ多糖の基本構造
大腸菌のリピドAの化学構造



(3)
   LPSは、内因性凝固系において、接触因子である第Z因子はLPSと接触して活性化される。一方、外因性凝固系においてLPSが単球・マクロファージに作用し、組織因子を放出させ、組織因子と第Z因子が複合体をつくりプロトロンピンをトロンピンに変え、血液を凝固させる。また、LPSは、血小板と結合し、LPSのO抗原多糖部位を介して、補体を活性化し、血小板破壊をおこす。これによって、血管障害をおこす。マクロファージともマクロファージ上のCD14を介して結合し、INF、IL-1、TNF、CSFなどのサイトカインを放出させ、発熱などをおこす。
   また、LPSはアラキドン酸代謝を刺激し、この時できるロイコトリエンが毒性を示すと考えられる。
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