細菌芽胞形成機序を説明せよ。栄養型の細菌細胞とは構造的にどのように違うか、また芽胞の耐熱性や消毒薬剤耐性は各々何に由来すると考えられるか。


   環境の栄養素が枯渇すると芽胞形成が始まる。染色体が軸状になり(第T期:軸状染色体期)、不等分裂が起こって(第U期:分割期)、前芽胞と母細胞になる(第V期:前芽胞形成期)。母細胞が前芽胞を包み込み、続いて芽胞細胞壁が形成される(第W期:コルテックス形成期)。母細胞によって前芽胞の周りに皮層が形成され、内芽胞殻も形成される(第X期:芽胞殻形成期)。外芽胞殻が付け加えられた後、芽胞は成熟(第Y期:成熟期)、母細胞から放出される(第Z期:芽胞遊離期)。芽胞は栄養型と違い、周りを何重もの層で覆われている。コアには1コピーの染色体と必要最低限のmRNAや酵素しか入っておらず、水分も極端に少ない。芽胞細胞壁は非常に密である。この乾燥性が耐熱性を産む。密な芽胞細胞壁は消毒剤耐性につながる。
芽胞形成過程各時期の模式図
芽胞の構造図
有芽胞菌
   クロストリジウム Clostridium 属  グラム偏性嫌気性桿菌
         破傷風菌 C. tetani
         ボツリヌス菌 C. botulinum
         ガス壊疸菌 C. perfringens
   バシルス Bacillus 属  グラム陽性通性嫌気性桿菌
         炭疸菌 B. anthracis
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