細胞周期とチェックポイント |
≪機能分担≫ | ||
・異常をモニターして検出する検出因子 | ||
・検出した異常を修復装置に伝える仲介因子 | ||
・修復あるいは破壊を実際に行う作動因子 | ||
≪時期による分類≫ | ||
・G1期チェックポイント(G1⇒S、G1/S) | ||
・G2期チェックポイント(G2⇒M、G2/M) | ||
・S期チェックポイント(S⇒S、S⇒G2、S/G2) | ||
・M期チェックポイント(分裂中期⇒分裂後期) | ||
≪機能による分類≫ | ||
・DNA傷害チェックポイント (DNAに損傷がある状態で複製や分配が行われるのを防ぐ) | ||
・DNA複製チェックポイント (DNAが完全に複製される前に細胞が分裂し染色体が分配されるエラーを防ぐ) | ||
・スピンドルチェックポイント (紡錘糸が正確に集合し、すべての染色体動原体に付着するまで分離が起きないようにする) |
※ ライセンス化とは、細胞周期の間に複製が1回しか起きないことを保証するメカニズム。すなわち、S期の後にM期を経なければ、次のS期をおこすことができないシステム。 |
MIN(microsatellite instability)⇔CIN(chromosomal instability) がん細胞の中で、マイクロサテライトマーカーなど、シークエンスレベルでの不安定性を示すものと、染色体の数の変化など大きな不安定性を伴うものがある。前者はミスマッチ遺伝子の欠損がんなどによく見られ、後者はスピンドルチェックポイントに異常をもったがんによく見られる。その鑑別は、微小管重合阻害剤※下で分裂するかどうかで判定できる。 |
※ 紡錘糸は微小管でできているので、微小管重合阻害剤を加えれば、染色体が赤道面に整列することができず、スピンドルチェックポイントが働いて、分裂中期で細胞周期が停止する。 |
細胞周期と癌とをつなぐRBタンパク質とp53 |
DNA修復能に欠損をもつ疾患および染色体不安定性を示す疾患 |
原因 | 主なDNAの変化 | ||
内的な要因 | DNA複製エラー | ミスペア・フレームシフト | |
塩基の互変異性 | ミスペア | ||
脱塩基反応 | ミスペア | ||
酸化的損傷 | ミスペア・2本鎖切断 | ||
外 的 な 要 因 | 物理的要因 | 紫外線 | シクロブタン型ピリミジンダイマー (6-4)光産物 |
電離放射線(X線・γ線) | 1本鎖切断・2本鎖切断 | ||
化学的要因 | アルキル化剤 | アルキル化塩基 | |
架橋材 | 鎖内架橋・鎖間架橋 |
損傷の直接的・ 可逆的な修復 | ピリミジンダイマーの光回復 |
アルキル化塩基の脱アルキル化 | |
2本鎖切断の再結合 | |
除去修復 | 塩基除去修復 |
ヌクレオチド除去修復 | |
ミスマッチ修復 | |
組換え修復 | 複製後修復 |
相同的組換えによる2本鎖切断の結合 | |
非相同的組換えによる末端結合 |
機能 | 反応に関与する 主なタンパク分子 | 各経路により おこる疾患 | |
塩基除去修復 (BER) | 加水分解や酸素ラジカルによる、DNAの塩基化学修飾の修復 | APエンドヌクレアーゼ、種々のDNAグリコシラーゼ | 知られていない |
ヌクレオチド除去修復 (NER) | 紫外線照射でつくられたDNAの化学修飾の修復。BERよりも大きいサイズの化学修飾を修復できる | XPA CSA | 色素性乾皮症 コケイン症候群 |
ミスマッチ修復 (MMR) | DNA複製時に新しく合成されたDNA鎖上の塩基の取り込みの誤り(ミスマッチ)を修復 | MSH・MLA | リンチ症候群(HNPCC) 大腸がん |
非相同性2本鎖切断 末端結合(end-joining) | 2本鎖DNAの修復。 Bリンパ細胞の抗体遺伝子のV-J組換え、クラススイッチ組換えにも使用される | DNA依存性プロテインキナーゼ・Ku | 免疫不全 (TとBリンパ細胞が発生できない) |
組換え修復 (recombinational repair) | 2本鎖DNAの修復を、切断端のDNAとそれの相同染色体もしくは姉妹染色分体との相同組換えによって行う | Rad51・Rad54 Mre11 | 知られていない |
DNA損傷チェックポイント (DNAの損傷を認識) | ゲノムDNAの損傷を認識して、その損傷が修復されるまで、DNA複製や細胞分裂を停止したり、損傷を修復できない細胞にアポトーシスを誘導する | Atm・NBS・ p53・p21 | 血管拡張性運動失調症 Nijmegen症候群 |
スピンドルチェックポイント (細胞分裂時の異常を認識) | 細胞分裂中に姉妹染色分体が各娘細胞に均等に分配されるようにチェックする | Bub1・Mad1・ Mad2 | 染色体の異常を示す癌の一部 |
臨床症状 | |
色素性乾皮症 (XP) | 常染色体性劣性遺伝疾患。紫外線感受性が高く、皮膚の光線過敏症状(露光部の色素沈着など)、皮膚がん・内部臓器癌の高発、進行性の精神神経症状を特徴とする |
コケイン症候群 (CS) | 手足が相対的に長く、目が落ち窪んだ特徴的な小人症の所見を示す。光線過敏症状も見られる |
硫黄欠乏性毛髪発育異常症 (TTD) | 常染色体性劣性遺伝疾患。毛髪・眉毛・睫毛はすべてもろく、まばらであり、爪の低形成も観察される。システインなどの含硫アミノ酸の減少に起因する。また、約半数には光線過敏症状が見られる |
臨床症状・細胞レベルの異常 | |
ファンコニ貧血 | 造血系の細胞の減少など、5つのサブグループがあり、それぞれ臨床症状が異なる。好発がん性 |
ブルーム症候群 | 自然発生の姉妹染色分体が多く観察される。好発がん性 |
血管拡張性運動失調症 | 運動失調・眼の結膜などの毛細血管拡張。好発がん性。 電離放射線に対する感受性増大 |
ナイミーヘン症候群 | 小頭症、好発がん性。 電離放射線に対する感受性増大 |
以下はテストにはあまり関係ないです。でもおもしろい(といったら言葉は悪いが)病気なので、テストが終わってからでも目を通してみてください。 |
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