CPUについて(総論)

   CPUはパソコンの中心となるパーツで、人間でいう脳、車でいうエンジンに当たるものであって、これがないとパソコンは始まらない。逆に言うと、CPUの選択はパソコンの自作において一番重要なことで、一番最初にやるべきことである。これは、パソコンのパーツのうちマザーボードとケース(電源)が、CPUによって使える形が決まってきてしまうからである。詳しくは後ほど。
   それで、CPUの選択からまず始めるわけであるが、選択肢がたくさんあって、それぞれの特徴をまず押さえなければならない。現在出ている主流派だけでも、Intel社のPentium4/PentiumV/Celeron、AMD社のAthlon/Duronの5つがあげられる。5つといっても、それぞれの中で規格の更新が随時なされているため、厳密な意味で異なっているものとしては優に10を超えてしまう。また、この他にもVIA社から出ているC3という、安価低発熱そして高性能という異色CPUも登場してきている。
   CPUの選択は、機能と価格、そしてパソコン自作の経験の有無(←意外と大事らしい)を天秤にかけて行なう。CPUには、大きく分けてIntel社系列とAMD社系列の2つの系列に分けられるわけであるが、両者の違いは主に組みやすさと価格の差である。AMD社のCPUは、CPU自身が表面に露出しているために、CPUクーラー取り付け時に「コア欠け」とよばれるCPU瞬殺現象の危険と向き合わなければならず、パソコン自作の経験がない人にはあまりオススメできない。でも、性能/価格比はIntel社系列に比べてはるかに高いので、自作に慣れている人にとってはもっとも好まれるCPUである。余談であるが、Intel社系列のCPUとAMD社系列のCPUとの関係は、ちょうどデジカメの記憶媒体のスマートメディアとコンパクトフラッシュとの関係にたとえることができる。(ちょっと分かりにくいかな?)
   それでは、まずIntel社系列のCPUについて述べたいと思います。


Intel社系列のCPU

   もう随分前の話であるが、「Intel入ってる」のCMで一躍有名になったCPU。今現在発売されているものとしては、Pentium4/PentiumV/Celeronの3つがあげられる。それぞれの特徴を一言で言ってしまうと、Pentium4が性能重視、PentiumVが安定性・組みやすさ重視、Celeronが価格重視という構造になっている。
   まず、Pentium4 についてであるが、ソケットの種類が423とよばれるものと478とよばれるものの2つがある。今はソケット478の方が主流となってきていて、ソケット423の価格が随分と下がってきている。でも、安いからといっていいことは財布の中身が少し潤うというだけで、対応したマザーボードの種類が少なく、それに伴って作れる機械のバライエティーも減ってきてしまいます。だから、書いてある数字に注意して、少々高くてもソケット478 の方を選んだ方がいいと思います。
   また、Pentium4は大量に電気を食うCPUのため、電源装置 の選択(=ケースの選択)が意外と重要になってきます。すなわち、主力の電源の他に「+12V電源」とよばれるものが必須なのです。でも、この「+12V電源」を搭載しているだけでは不十分で、店頭ででかでかと「Pentium4対応」と書いているケースでも、実際に使ってみると電源系統のトラブルで動かないということが多々起こるそうです。ケースを購入する前に必ず「Pentium4マシンを組むけど、大丈夫か?」ということを店員さんに確認しておきましょう。
   続いてPentiumV について。PentiumVは、Pentium4にデスクトップ用CPUの主役を奪われてしまったという感は否めないものの、安定性と組みやすさは抜群で、今なお自作家たちの熱い視線が注がれている。こちらの方は、Pentium4と違って、ソケットの形状が370の1種類で、それほど数字にこだわることはないが、1点だけ購入に当たって注意しなければいけないことがある。それはマザーボードがBステップ とよばれる改良版であるかどうかの確認である。昨年夏に、低発熱を売りにしたテュアラティン とよばれる新型が発売されたのであるが、電気的な仕様が異なっているため、Bステップとよばれる対応マザーボードが必要となってくるのである。だから、PentiumVの購入に当たっては、テュアラティンとBステップという言葉に注意していただきたい。
   最後にCeleron についてであるが、これはPentiumVに比べて価格面を重視したCPUとなっている。ソケット形は370の1種類であるが、PentiumVと全く同じ注意が必要である。激安マシンを組みたいという場合には、避けては通れない選択肢である。
   この3つについて、まとめると以下の表のようになります。
 Pentium4PentiumVCeleron

性能高いまあまあ少し劣る
安定性少し劣る非常に高い高い
組みやすさ組みやすい非常に組みやすい非常に組みやすい
リテール品の価格
(2001.12現在)
2万台〜8万
(Socket478)
2万〜3万50008000〜2万
注意点ソケットの形状
電源装置(ケース)
テュアラティンとBステップ



AMD社系列のCPU

   AMD社系列のCPUの特徴は一言で言うと、「安価な割に高性能」。これだったら、みんなAMD社系列のCPUを選ぶのではないかと思う人も多いと思いますが、AMD社系列のCPUには1つ大きな欠点があるのです。それは、Intel社系列のCPUと違って、CPUコアが露出していて扱いにくく、扱いを誤ると「コア欠け」とよばれるCPU瞬殺現象がおこる頻度が高い。これは気をつければ防げることではあるが、初めてパソコンを作るという人にとっては、自作すること自体で神経を使っているから、CPUの取り扱いはおろそかになってしまいがちである。そのため、初めてパソコンを作るという人には、前述のIntel社系列のCPUを勧めたい。
   AMD社系列のCPUには、大きく分けて2種類のCPUが存在する。それぞれAthlon とDuron とよばれるが、これらの間の関係はPentiumVとCeleronの関係と同じである。一口にAthlonと言っても、PentiumV同様コア型の微妙な改良が重ねられてきており、新型コアはAthlon XPやAthlon MPとよばれている。また、Athlon系は、(厳密に言うと)Pentium4同様、電源ユニットを選ぶため、少々ハードルが高くなっているという点も見逃せない。
   どう考えても、「AMD社系列のCPUは玄人用、Intel社系列のCPUは素人歓迎」という構図ははっきりと見て取れるような気がする。


最後に

   実際に店に行くと、CPUはレジ前の棚の中に並んでいる場合が多い。そこで目にするのが「リテール品」と「バルク品」という言葉。前者がCPUクーラーとシリコングリスなどのついた正規のパッケージ版であるのに対して、後者はCPUだけ入った無保証製品である。バルク品の方が無論値段は安くなっているが、CPUクーラーを別途購入する必要があるから、結局値段的な大差はない。自作のベテランで、CPUクーラーを自分で選びたいというような場合以外はリテール品を選ぶ方が無難である。
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