解剖
副腎
【位置】右副腎…右腎上極の内前方に位置。その内前方には下大静脈が、外側方には肝右葉がある
左副腎…左腎上極の内前方に位置。その内前方には腹部大動脈が、前方〜外側方には膵臓が、前上方には胃がある
【形態】横断面で、右副腎は線状〜三日月状を、左副腎は逆Y字型を呈することが多い
【組織】皮質…体腔上皮由来。球状層・束状層・網状層からなり、それぞれ鉱質コルチコイド、糖質コルチコイド、性ステロイドを分泌
髄質…神経堤由来。クロム親和細胞と交感神経節細胞からなり、カテコラミンを分泌
【血行】動脈系…上副腎動脈(←下横隔膜動脈)、中副腎動脈(←腹部大動脈)、下副腎動脈(←腎動脈)
静脈系…左副腎静脈(→腎静脈→下大静脈)、右副腎静脈(→下大静脈)
【位置】右腎の方が左腎よりも1〜2cm低位。両腎ともT11〜L3の高さ
【構造】被膜…(内側から)線維被膜、脂肪被膜、腎筋膜(Gerota筋膜:副腎・尿管も包む)の順
血行…腎動脈(←腹部大動脈@L1〜L2レベル);腎静脈(→下大静脈)
   ※左腎静脈は、大動脈と上腸間膜動脈に挟まれ、狭窄・内圧上昇をきたしやすい
腎門部における位置関係…前方から静脈→動脈→尿管(VAU)の順
【組織】皮質…腎実質の外部。糸球体、尿細管、小葉間静脈以下の血管、腎柱などが存在
   ※ネフロン…腎小体(糸球体+Bowman嚢)と尿細管を合わせたもの。片腎に100万個以上存在
髄質…腎実質の内部。腎錐体よりなり、その先端は腎乳頭となる。集合管、Henle係蹄、直尿細管などが存在
腎盂…尿管上端の扁平な漏斗状膨大部で腎杯を受け、先端は尿管に続いている
尿管
【走行】腎盂(腎茎部の後面)から出て、大腰筋の前面を下行し、総腸骨動静脈の前面を走行して、骨盤腔内に入る。膀胱の後面より膀胱三角部で膀胱に流入する。女性の場合、膀胱子宮靱帯の中を通過する
膀胱
【構造】後腹膜臓器であるが、その頂部から後方にかけては腹膜で覆われる
【分類】頂部…胎児期の尿膜管の遺残。内胚葉性
底部(膀胱三角部)…左右の尿管口と内尿道口を結んだ部分。腎盂・尿管と同じ中胚葉性
体部…頂部と底部以外の部分。内胚葉性
※頸部…前立腺上面と接している部分
【血行】膀胱動脈(←内腸骨動脈);膀胱静脈(→内腸骨静脈)
【解剖】筋肉…排尿筋(膀胱の平滑筋)、内尿道括約筋(膀胱頸部〜膜様部尿道に至る平滑筋)
【神経】
骨盤神経(S2〜S4由来の副交感神経)が排尿筋を支配し、下腹神経(T6〜L2由来の交感神経)が内尿道括約筋を支配
排尿中枢…上位の排尿中枢は大脳(前頭葉)と橋(網様体)に存在。下位の排尿中枢はT6〜S4(主にS2〜S4)に存在
   大脳が橋に対して排尿を抑制するように働くのに対して、橋およびT6〜S4は排尿を促進するように働く
【生理】蓄尿…排尿筋は弛緩、内・外尿道括約筋は収縮
排尿…排尿筋は収縮、内・外尿道括約筋は弛緩
尿道
【分類】後部尿道…内尿道口〜尿生殖隔膜の部分。さらに尿道前立腺部と尿道膜様部とに分けられる
前部尿道…尿生殖隔膜より末梢の部分。球部と振子部とに分けられる
【組織】腎盂〜尿管〜後部尿道のほとんどは移行上皮、後部尿道の一部から前部尿道は円柱上皮、亀頭部では重層扁平上皮
【解剖】筋肉…内尿道括約筋(膀胱頸部〜膜様部尿道に至る平滑筋)、外尿道括約筋(尿道膜様部の横紋筋)
【神経】下腹神経(T6〜L2由来の交感神経)が内尿道括約筋を支配し、陰部神経(S2〜S4由来の体性神経)が外尿道括約筋を支配
会陰部の
筋膜
【種類】Denonvillier筋膜(恥骨前立腺靭帯)…前立腺・精嚢と直腸の間の隔壁
Buck筋膜(陰茎筋膜)…深筋膜で、陰茎の3つの勃起構造を包んでいる
Colles筋膜(浅会陰筋膜)…泌尿生殖部の皮下組織の膜で、後方は尿生殖隔膜の縁に、側方では坐骨枝・恥骨下枝に、前方では腹壁に、それぞれ付着
Scarpa筋膜…下腹壁の皮下組織深部の部分。Colles筋膜に続く
前立腺
【血行】動脈系…下膀胱動脈(←内腸骨動脈)etc.
静脈系…サントリニ静脈叢・前立腺膀胱静脈叢(→内腸骨静脈)
リンパ系…内外腸骨リンパ節へ流入
【構造】末梢域peripheral zone(外腺に相当。本来の前立腺で、外科的被膜ともよばれる)、移行域transition zone(尿道の周囲部で、分泌腺ではない。内腺に相当)、中心域central zone、線維筋域fibromuscular zoneの4つに分けられる
精巣
(睾丸)
【血行】動脈系…精巣動脈(←腹部大動脈)
静脈系…蔓状静脈叢→右精巣静脈(→下大静脈)/左精巣静脈(→左腎静脈→下大静脈)
リンパ系…直接大動脈周囲の腰リンパ節に入る
【機能】間質部のLeydig細胞…テストステロンの分泌(←LHにより促進)
精細管のSertoli細胞…アンドロゲン結合蛋白などの合成・分泌(←FSHにより促進)
精細管の精祖細胞…精子の形成
【発生】胎児期には腹腔内にあり、Wollf管の精巣上体となる部分に接しているが、胎生5ヶ月頃に陰嚢腔の底に終着した導帯がhCGの作用で収縮し、その結果精巣が引っ張られて腹膜に沿って下降し、28週頃になると精巣は深鼠径輪の位置まで下降し、鼠径管を通過、陰嚢部に収まる
精管
【機能】精子の通路、精子の形態・機能の成熟化
【走行】精嚢腺の頸部で精嚢と融合し、前立腺を横切って射精管となり、精丘の位置で後部尿道に開口
精巣上体
(副睾丸)
【位置】精巣の後面
【血行】動脈系…精管動脈(←内腸骨動脈)、精巣動脈(←腹部大動脈)
静脈系…蔓状静脈叢→右精巣静脈(→下大静脈)/左精巣静脈(→左腎静脈→下大静脈)
リンパ系…内・外腸骨リンパ節
【機能】精子の成熟・貯蔵、射精時の精子の輸送
陰茎
【構造】(腹側から)尿道海綿体に囲まれた尿道→2本の陰茎海綿体→陰経背動・静脈→皮下陰茎背静脈の順。また、Buck筋膜とColles筋膜が存在する
【神経】勃起中枢・下位尿路中枢ともS2〜S4にある
   ※勃起は副交感神経支配(射精は交感神経支配)
症候



発熱
【疾患】急性腎盂腎炎、急性前立腺炎、急性精巣上体炎、カテーテル熱、腎膿瘍などの実質臓器の炎症による
原則として、急性膀胱炎や急性尿道炎のような管腔臓器の炎症では発熱は認められない
体重減少
【疾患】腎不全、腎細胞癌etc.
全身倦怠感
【疾患】腎不全、慢性腎盂腎炎、悪性腫瘍全般etc.





排尿時痛
【疾患】膀胱・前立腺・尿道に炎症・狭窄・結石etc.(初期排尿痛では急性尿道炎、終末時排尿痛では急性膀胱炎、排尿後痛では膀胱結核or膀胱周囲炎のことが多い)      ※前立腺肥大症のみでは通常排尿時痛は認められない
腎部痛
【原因】腎or尿管の病変⇒尿管閉塞⇒腎盂内圧↑⇒腎線維膜の伸展or尿管平滑筋の痙攣⇒疝痛発作(典型的には肋骨下から尿管の走行に沿って放散する激痛で、顔面蒼白や悪心・嘔吐を伴うこともある)
【徴候】CVA tenderness(+)
【疾患】激痛⇒腎・尿管の結石が高頻度でみられる。他には、腎梗塞、腎腫瘍、腎動脈瘤破裂etc.
鈍痛⇒腎盂腎炎、腎結核、腎周囲炎、水腎症etc.
陰嚢部痛
【疾患】激痛⇒急性精巣炎、急性精巣上体炎、精巣捻転症/鈍痛⇒精索静脈瘤、精巣上体結核
膀胱部痛
【疾患】尿閉、膀胱結石、膀胱異物、膀胱結核、間質性膀胱炎
射精痛
【疾患】急性前立腺炎、急性精嚢炎
会陰部痛
【疾患】鈍痛⇒前立腺疾患、精嚢疾患、尿道炎etc.
尿



































血尿
【症状】症候性血尿では、排尿時疼痛、患部の疼痛、発熱、排尿異常などの自覚症状を伴う
【疾患】無症候性血尿⇒悪性腫瘍(腎細胞癌、膀胱癌etc.)をまず疑う。他に、IgA腎症、菲薄基底膜症候群、ナッツクラッカー現象(左腎静脈が上腸間膜動脈と大動脈に圧迫される病態)etc.
顕微鏡的血尿⇒原因不明、前立腺肥大症、尿路結石症、尿路感染症、悪性腫瘍の頻度が高い
肉眼的血尿⇒尿路感染症、悪性腫瘍、前立腺肥大症、尿路結石症、原因不明の頻度が高い
年齢別…幼児期には過Ca尿症、小児〜青年期には腎炎・SLE、壮年期には尿路結石や腎・膀胱腫瘍、老年期には前立腺肥大症や前立腺・膀胱腫瘍が多い
その他、まれなものとして、遊走腎、水腎症、多発性嚢胞腎、特発性腎出血、尿道狭窄etc.
【鑑別】尿蛋白の有無…尿蛋白(+)でしかも円柱を伴っていれば、腎炎を中心とした内科的疾患をまず考える
赤血球変形の割合…糸球体由来の血尿の場合には、赤血球変形が著明
血尿の出方…前部尿道からの出血では排尿開始時血尿、後部尿道・膀胱頸部からの出血では排尿終末時血尿、頸部以外の膀胱や腎・尿管からの出血では全血尿
蛋白尿
【分類】
 病態原因疾患
溢流性蛋白尿
(腎前性蛋白尿)
尿細管内の蛋白↑↑多発性骨髄腫、アミロイドーシス、単クローン性高γ-グロブリン血症、血中β2-MGの増加する免疫性疾患や悪性腫瘍etc.
尿細管性蛋白尿Albの糸球体透過性↑
or尿細管間質障害に
よる尿細管再吸収能↓
Fanconi症候群、尿細管性アシドーシス、家族性尿細管性蛋白尿、Wilson病、糖尿病、シスチン尿症、ガラクトース尿症、サルコイドーシス、多発性骨髄腫、SLE、急性間質性腎炎、薬剤性腎障害、重金属(Cd、Pb、Hg)etc.
糸球体性蛋白尿size barrierとcharge
barrierの障害
糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、膠原病、糖尿病、薬剤性腎障害etc.
膿尿
【概念】尿中に白血球が混入している状態
【性状】多くは黄白色の膿尿だが、尿路結核の場合には米のとぎ汁様となる
【疾患】尿路・生殖器系の感染症を示唆(無菌性膿尿では、特に急性間質性腎炎、腎結核を疑う)
※腎盂扁平上皮癌は、慢性炎症に続発することが多く、血膿尿となりやすい
乳び尿
【原因】腎盂とリンパ管の交通⇒微細な脂肪が尿中に流入
【疾患】フィラリア症が最多。他には、外傷・腫瘍・炎症による胸管閉塞、原因不明etc.
気尿
【疾患】尿路と腸管の間に瘻孔がある場合(特に膀胱腸瘻)
糞尿
【疾患】尿路と腸管の間に瘻孔がある場合(特に膀胱腸瘻)
精液瘻
【疾患】逆行性射精、夢精etc.
頻尿
【定義】正常の排尿回数は4〜5回/日で、夜間は0〜1回。頻尿はこの数を超える場合をいう
【原因】膀胱容量の減少、膀胱・尿道に対する刺激(炎症、腫瘤etc.)、神経因性
【疾患】萎縮膀胱、後部尿道炎、膀胱炎、前立腺炎、前立腺肥大症の初期(夜間頻尿が特徴)、前立腺癌、神経因性膀胱、神経性頻尿(夜間排尿数正常)、DM、骨盤内腫瘤、その他の多尿をきたす疾患etc.
夜間頻尿
【疾患】前立腺肥大症をはじめとする下部尿路閉塞性疾患
排尿困難
【分類】苒延性排尿困難(排尿時間の延長)と、遷延性排尿困難(尿意を感じてから排尿が開始されるまでの時間の延長)
【疾患】前立腺肥大症、前立腺癌、尿道狭窄、神経因性膀胱、薬剤性排尿障害
残尿
【検査】排尿後の膀胱超音波検査にて尿の遺残(+)
二段排尿
【定義】一度排尿が終了した後に、すぐに再び尿意をきたし、排尿するとある程度の尿を排尿できる状態
【疾患】膀胱憩室がほとんど。他には、水腎症、水尿管症etc.      ※尿路結石で起こることはない
多尿
【定義】尿量が2500ml/日以上
【原因】水分の多量摂取、利尿薬の服用、内分泌異常、腎機能障害、体内水分の過剰etc.
【疾患】心因性多尿症
尿崩症…中枢性尿崩症、腎性尿崩症
浸透圧利尿…糖尿病etc.
二次性濃縮力障害…低K血症高Ca血症、中毒(Li、Cu、Hg)、慢性腎盂腎炎、多発性骨髄腫、鎌状赤血球症、アミロイドーシス、サルコイドーシスetc.
体内水分過剰…腹水・胸水・全身浮腫の回復期、心不全(夜間多尿をきたす)、心因性多飲症etc.
その他の腎疾患…水腎症、萎縮腎、多発性嚢胞腎、慢性糸球体腎炎etc.
無尿
【概念】膀胱まで尿が到達していない状態で、尿量100ml/日以下と定義される(乏尿は、尿量400ml/日以下)
【症状】尿意(−)
【疾患】腎前性無尿…大量出血などによる循環不全で腎の血流量↓
腎性無尿…急性尿細管壊死、ネフローゼ症候群、腎毒性薬物中毒、異型輸血etc.(腎盂腎炎ではみられない)
腎後性無尿…両側性尿管結石、腫瘍の浸潤etc.(尿路感染症ではみられない)
尿閉
【概念】尿が膀胱まで来ているのに排尿できない状態
【症状】尿意(+)、腫大した膀胱の触知、時に溢流性尿失禁
【疾患】膀胱結石、尿道結石、膀胱腫瘍、尿道腫瘍、前立腺腫瘍、前立腺肥大症、尿道損傷、膀胱頸部硬化症、弛緩型神経因性膀胱(原因として脊髄損傷etc.)etc.(前立腺結石では起こらない)
【処置】まず導尿を行う。カテーテル挿入不可能の場合は膀胱穿刺(恥骨上1〜2横指の正中線上)を行う。輸液・利尿薬投与・下腹部圧迫は禁忌
尿線が細い
【疾患】尿道狭窄、前立腺腫瘍、尿道結石、尿道腫瘍、神経因性膀胱etc.
尿線中絶
【疾患】膀胱結石の膀胱頸部・尿道への嵌入、膀胱腫瘍有茎部の尿道への嵌入etc.
尿失禁
【分類】尿道からの尿失禁…腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、溢流性尿失禁、反射性尿失禁、真性尿失禁、機能性尿失禁
尿道外尿失禁…尿管異所開口、尿管腟瘻、膀胱腟瘻、尿道腟瘻
遺尿症(いわゆる"おねしょ")

側腹部腫瘤
【疾患】腎細胞癌、水腎症、多発性嚢胞腎、腎膿瘍、腎周囲膿瘍、後腹膜腫瘍、腎結核etc.
※副腎腫瘍ではまずみられない(腫瘤触知の前に内分泌症状が現れる)
陰茎腫瘤
【疾患】陰茎癌、尖圭コンジローマ
陰嚢内腫瘤
【疾患】有痛性⇒急性精巣炎、急性精巣上体炎、精巣捻転症
無痛性⇒精巣腫瘍、陰嚢水腫、精液瘤、精巣上体結核、慢性精巣上体炎、精索静脈瘤
診察・検査




尿

































視診
【所見】側腹部の膨隆⇒小児では腎腫瘍・水腎症、成人では水腎症をまず疑う
下腹正中部の膨隆⇒尿閉などによる膀胱の尿貯留をまず疑う
触診
【方法】仰臥位で両膝を曲げて立てさせ、腹壁を弛緩させた状態で行う
【所見】正常な状態では原則として腎は触知できない(ただし、小児や痩せた女性で触知することがある)
直腸診
【方法】膝胸位or砕石位にて行う
【所見】前立腺…正常では表面平滑、弾性硬、クルミ大、正中に左右を分ける溝触知。前立腺肥大症では前立腺の腫大、正中の溝の不触知。前立腺癌では表面不整で石様硬
精嚢…正常では触知しない
聴診
【所見】腹部の血管雑音⇒腎血管性高血圧が最も疑われる
神経学的
検査
【方法】
睾丸筋反射
上部大腿内側面を擦ると、同側の精巣が挙上
球海面体反射
肛門に指を挿入した状態で、亀頭や陰核を刺激すると外肛門括約筋の収縮がみられる
尿











24時間尿
【正常】尿量:500〜2500ml、比重:1.015〜1.025、pH:5.0〜8.0
【目的】尿蛋白・尿糖などの1日排泄量の定量、CCr測定etc.
随時尿
【方法】男性では、早朝一番尿の中間尿をThompsonの2杯分尿法で採取
女性では、早朝一番尿を導尿or外陰部清拭後の中間尿で採取
尿沈渣
【方法】尿採取後4時間以内に、標本作成を行って、400倍(強拡大)で鏡検
【所見】
赤血球正常では1視野あたり数個以内
白血球正常では1視野あたり1個未満。各視野5個以上あれば尿路感染症と診断。腎盂腎炎・間質性腎炎では、glitter cellとよばれる好中球が認められる



尿細管上皮糸球体腎炎、急性尿細管壊死、ネフローゼ症候群、重金属中毒でみられる
移行上皮膀胱炎、尿路結石、移行上皮癌、乳頭腫でみられる
扁平上皮単純性膀胱炎、検査時の外陰部からの混入でみられる
卵円形脂肪体尿細管上皮細胞が脂肪変性したもので、ネフローゼ症候群にみられる




硝子円柱病的意義は少ない
赤血球円柱糸球体腎炎、ループス腎炎、腎静脈血栓症、心内膜炎などでみられる
白血球円柱慢性腎盂腎炎、ループス腎炎、間質性腎炎でみられる
顆粒円柱硝子円柱に壊れた上皮細胞がついて変性したもの。腎盂腎炎、間質性腎炎、糸球体腎炎、慢性重金属中毒でみられる
脂肪円柱ネフローゼ症候群、ループス腎炎、糖尿病性腎症でみられる
ろう様円柱腎炎末期、腎不全、腎アミロイドーシスなど重症腎障害でみられる
broad cast腎障害末期、重症腎障害でみられる
telescoped
urinary sediment
赤血球、白血球、赤血球円柱、白血球円柱、脂肪円柱、broad castなど、多種多様の成分を同時に認める尿沈渣。SLE、PNといった活動性糸球体腎炎を長期間認める疾患に特異的
結晶正常尿でも尿酸塩、シュウ酸塩は認められる。尿が酸性を示し、正六角形の結晶が認められた場合にはシスチン尿症を疑う。その他、酸性尿では尿酸塩、シュウ酸Caがみられ、アルカリ尿ではリン酸塩、リン酸Mg・アンモニウム塩がみられる
尿細菌検査
【異常】尿細菌培養にて105個/ml以上の細菌数がある場合、その細菌を起炎菌とする尿路感染症が存在していると考える
Ultzmann法
【概念】尿混濁の原因(血尿、膿尿、塩類尿、細菌尿、乳糜尿etc.)を調べるための検査
尿細胞診
【判定】Papanicolau染色で細胞の形をClassT〜Xまで分類(ClassVが擬陽性)
精液検査
【目的】男子不妊症の原因究明、精嚢・前立腺疾患の診断
【方法】5日以上禁欲させてから用手法で採取。20分ほどして液化してから検査
【正常】精液量:2.0ml以上、精子数:4億5000万以上、運動率:50%以上、奇形率:20%以下
前立腺液検査
【方法】肛門より挿入した指先で前立腺をマッサージし、外尿道口に圧出し採取
【正常】乳白色で粘稠(前立腺の炎症の程度によって変化する)
【異常】各視野10個以上のWBCが認められれば、前立腺炎と診断








総腎機能
検査
【種類】
腎機能検査法方法・所見
糸球体
機能
糸球体濾過量(GFR)イヌリンorクレアチニンを用いて測定。正常値は100ml/分
BUN正常値は9〜21mg/dl
血清クレアチニン値正常値は、男性で0.6〜1.2mg/dl、女性で0.4〜0.9mg/dl
腎血行能腎血漿流量(RPF)パラアミノ馬尿酸(PAH)のクリアランスにほぼ等しく、正常値は500ml/分
腎濾過能濾過率(FF)GFR/RPFで求められ、正常値は0.2
尿細管
機能
PSP試験15分値…正常では35%。Ccrとよく相関。20%以上であれば、手術O.K.
30分値…正常では50%
尿濃縮能Fishberg濃縮試験第1〜3分尿のうち、少なくとも1つが比重1.022以上であれば正常。腎機能の中で最初に障害される
分腎機能
検査
【意義】泌尿器科疾患には片側腎機能に障害が起こっているのに、総腎機能としては全く異常を示さないものが多いので、重要
【種類】
検査法方法・所見
インジゴカルミン
排泄試験
1%インジゴカルミン5mlを静注し、膀胱鏡下で、青色の色素が両側尿細管口より排泄されるまでの時間を計測。近位尿細管機能が反映される。患側の尿細管口には、色素出現時間の遅延、染色が淡いといった所見が認められる(正常では3分以内に淡い青色尿が出現し、5〜7分で濃青となる)
静脈性腎盂造影
(IVP)
腎・尿管・膀胱の位置・形態異常の有無、腎盂から膀胱までの尿路通過障害の有無などをみる
シンチグラム腎の位置・大きさ・形態、占拠性病変の有無などをみる
レノグラム腎・腎外組織の血液容量、腎血流量、尿細管機能、尿流状態などを知ることができる
尿管カテーテル法左右それぞれの腎からの尿の量・質などをみる。腎血管病変の診断に用いられるが、最近はあまり行われない
静脈カテーテル法腎静脈血中レニン測定etc.
尿





膀胱内圧測定
【方法】被検者を仰臥位にし、膀胱にカテーテルを挿入し、滅菌水or CO2をゆっくりと膀胱内に注入していき、内圧変化を測定
【正常】正常膀胱の最大容量(約400ml)までは、尿貯留量が増加しても内圧はわずかしか上昇せず、400mlを越えると急激に上昇し、同時に尿意も高まる
【診断】神経因性膀胱の診断に有用
尿流測定
【意義】排尿困難の有無を客観的・無侵襲に評価できる。排尿困難の原因の鑑別もある程度可能
【方法】排尿を始めてから終わるまでの時間と、その排泄される量を記録
尿道括約筋
筋電図
【方法】会陰部より直接外括約筋に電極を刺入して記録
 
Whitaker
test
【意義】尿管の通過障害を調べる
【方法】膀胱と腎盂の2ヶ所にカテーテルを挿入しておいて、腎盂側のカテーテルから持続ポンプでインジゴカルミン液で着色した生理食塩水を10ml/分で注入。腎盂と内圧の差が13cmH2Oまでは正常、それ以上では尿管通過障害を疑う
膀胱鏡検査
【利   用】膀胱内部の直接観察の他、経尿道的前立腺切除術や膀胱砕石術などの治療面にも応用される
【合併症】尿路感染、尿道・膀胱・尿管などの損傷、尿道狭窄、尿閉、無尿
【禁   忌】前立腺炎・精巣上体炎・淋病・腎盂腎炎などの炎症が高度で活動性の場合、高度の前立腺肥大症、尿道狭窄
尿

















腹部単純
X線検査
(KUB)
【所見】読影のポイントは、
@腎の輪郭(正常では右腎の方が左腎より低位)
A腎・尿路などの石灰化の有無
B腰筋陰影(シルエットサイン陽性⇒腎周囲膿瘍、腫瘍、血腫etc.)
C骨陰影(骨形成所見⇒前立腺癌の骨転移を疑う、骨溶解性所見⇒腎細胞癌の骨転移などを疑う)
D異常ガス像の有無(腎部に異常ガス像⇒気腫性腎盂腎炎、膀胱内に異常ガス像⇒膀胱腸管瘻)
静脈性
腎盂造影
(IVP)
【方   法】20〜40mlの造影剤を数分かけて静注
【所   見】
 注射後
の時間
読影のポイント
ネフログラム相
(腎実質の造影)
約5分ネフログラムの濃さ、変形や回転異常の有無、左右差、欠損の有無をみる(⇒馬蹄鉄腎、癒合腎、腎腫瘍、腎膿瘍、慢性腎盂腎炎、腎梗塞、無機能腎、腎下垂などで異常所見)
ピエログラム相
(腎盂・腎杯の造影)
約10分腎杯・腎盂の形、変形、拡張の有無をみる(⇒腎実質部の占拠性病変、海綿腎、疝痛発作時、尿管狭窄、水腎症、尿管結石、腎盂尿管腫瘍などで異常所見)
尿管の造影約15分尿管の走行、重複、変形、拡張の有無、蠕動をみる(⇒結石、尿管腫瘍、膀胱尿管逆流症、膀胱下垂などで異常所見)
膀胱の造影約15分膀胱の大きさ、形態、欠損の有無などをみる(⇒膀胱憩室、前立腺肥大症などで異常所見)
【禁   忌】絶対禁忌…ヨードアレルギー、重症甲状腺機能亢進症、気管支喘息
相対禁忌…腎機能不全(血清Cr≧2.0mg/dl)、高齢者の脱水時、高度の心機能障害、骨髄腫、重症糖尿病etc.
【副作用】被爆の問題(特に小児、若年女性)の他、造影剤による副作用として、熱感、血管痛、脱水、血管内皮障害、赤血球変形、腎機能障害、アナフィラキシー様反応(くしゃみ、掻痒感、蕁麻疹、浮腫、気管支痙攣、ショック、心停止etc.)などがある
点滴静注
腎盂造影
(DIP)
【方法】造影剤100mlを5〜10分かけて点滴静注
【適応】通常のIVPで腎盂・腎杯の造影が不鮮明であると予想され、腎盂・尿管・膀胱を鮮明に造影したい時
逆行性
腎盂造影
(RP)
【適   応】IVPやDIPで上部尿路が十分に造影されない時。しかし侵襲性が高く、CTが普及した今日では頻度は減少してきている
【方   法】カテーテルを尿管から腎盂まで逆行性に挿入して造影剤を注入
【禁   忌】活動性尿路感染が疑われる場合      ※ヨードアレルギー患者には使用可能
【合併症】腎盂外溢流性上行性感染、カテーテルによる尿路損傷、尿管浮腫
順行性
腎盂造影
(AP)
【適   応】高度の水腎症のために、IVP・DIP・RPでは尿路が造影されない場合。しかし侵襲性が高く、CTが普及した検査単独の目的で行う頻度は減少してきているが、経皮的手術や内視鏡手術を同時に行いたい場合には非常に有用である。また、腎瘻造設術への応用も行われている
【方   法】超音波下に腎臓を穿刺し、そこから直接造影剤を注入
【合併症】出血etc.
排尿時膀胱
尿道造影
(VCUG)
【方法】カテーテルを尿道から膀胱に入れ、造影剤を注入(成人では200〜300ml)。まずこの状態で正面の撮影(=膀胱造影)。ついで排尿時にも撮影
【所見】膀胱造影にて陰影欠損や変形像⇒膀胱壁に浸潤した腫瘍etc.
排尿時に尿管の造影⇒膀胱尿管逆流症(VUR)
その他、尿道憩室、後部尿道弁、神経因性膀胱の診断や、外傷による膀胱損傷の程度の把握、新膀胱造設後の縫合不全の有無の確認などにも用いられる
逆行性尿道
造影(UG)
【適応】男性の尿道狭窄(女性は尿道が短いので、逆行性尿道造影を要する疾患はほとんどない)
 
精嚢造影
【目的】精管の通過障害、精嚢の形態をみる
【方法】精嚢に小切開を加え、精管が露出した状態として直接精管内に注射針を刺入し造影(比較的侵襲性大)



選択的
腎動脈造影
【適応】腎血管性病変(腎動脈狭窄、腎動脈瘤、腎動静脈瘻etc.)が疑われる時、嚢胞性腎腫瘍と腎嚢腫の鑑別、腎先天奇形、腎外傷、腎性血尿を認める時。また、腎血管性高血圧に対して、腎静脈血採取が行われることもある
【所見】腫瘍…動脈相での腫瘍血管像、実質相での腫瘍濃染
嚢胞…動脈相での動脈分枝の圧排像、実質相での欠損像
骨盤動脈造影
【適応】膀胱腫瘍の浸潤度を調べるために行われる
副腎血管造影
【適応】原発性アルドステロン症の局在診断のために、副腎静脈造影が行われることがある
CTスキャン
【所見】腎腫瘤の鑑別のポイントは、
   ・腎嚢胞…嚢胞内容は水と同濃度で、造影剤による増強(−)
   ・腎細胞癌…正常腎実質とほぼ同じ密度で、造影剤による増強(+)のことが多い
MRI
【所見】正常腎の皮質髄質境界…T1強調像で明瞭、T2強調像で不明瞭
水腎症、嚢胞性腎疾患…T1強調像で低信号、T2強調像で高信号
前立腺癌…peripheral zoneにT2強調像で比較的低信号
精巣…正常ではT2強調像で水に近い高信号、精巣腫瘍で低信号
【適応】MRI…CTと適応は似ているが、質的診断に特に有用
MRアンギオグラフィ…腎血管性高血圧のスクリーニング、腎移植時ドナーの腎血管系の評価、腎移植後合併症の腎動脈狭窄の評価etc.
MRウログラフィ…IVPで造影されない尿路、小児の閉塞性尿路疾患に特に有用












レノグラム
【方法】腎選択性の高いRI(99mTc-DTPA、99mTc-MAG3 etc.)を静注し、腎で摂取・排泄されるRIの経時的変化を左右腎別に体外計測する
【正常】
 概念反映する機能
segment A
(血管相)
注射後約20秒で急傾斜で上昇する部分腎・腎外の血液容量
segment B
(分泌相)
血管相に比べやや緩やかな勾配を示し、3〜5分持続し、ピーク(B点)に達する部分腎血流量と尿細管機能
segment C
(排泄相)
緩やかに下降する曲線の部分尿流状態
【異常】・機能低下型…segment Aの勾配が緩やか、B点の出現が遅い⇒腎機能低下
・無機能型…RIの上昇がほとんど認められない⇒無機能腎
・閉塞型…B点がない(つまり、segment Cがみられない)⇒尿路閉塞、水腎症などによる腎盂の拡張
     ※この鑑別のために、フロセミド利尿レノグラムが行われる
腎シンチ
グラフィ
【目的】投与されたRIがどのように腎に集積するかをみることにより、腎の形体的変化や機能をとらえる。静的イメージが得られる
【方法】使用核種としては、
   ・99mTc-DTPA…糸球体より濾過される
   ・131I-OIH、123I-OIH、99mTc-MAG3…近位尿細管腔内へ分泌される
   ・99mTc-DMSA…皮質の近位尿細管細胞内や間質に集積
【所見】読影のポイントは、@腎の位置・大きさ・形態、A腎腫瘍・腎嚢胞などの占拠性病変の有無
副腎皮質
シンチグラフィ
【方法】ヨード剤の事前投与により甲状腺への取り込みを抑制した上で、131I-adosterolを静注。約1週間後にシンチグラフィをとる
【所見】正常…両側副腎にほぼ同程度のRI集積
原発性アルドステロン症…腺腫の描出。一般に腺腫が小さいので、デキサメサゾン事前投与が必要
Cushing症候群…腺腫では片側にhot spot、健側は取り込み低下。Cushing病では両側にhot spot
副腎性器症候群…集積はそれほど認められない
副腎髄質
シンチグラフィ
【方法】131I-MIBGを静注し、24時間後と48時間後にスキャンを行う
【意義】副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫etc.)の診断や部位の検索、小児の後腹膜発生の神経芽細胞腫の診断に有用
骨シンチ
グラフィ
【方法】99mTc-MDPや99mTc-HMDPを投与して、2〜4時間後にスキャン
【所見】hot spot⇒悪性腫瘍(前立腺癌etc.)の骨転移、骨の炎症性病変、骨折、Paget病etc.
腫瘍マーカー
【種類】AFP(αフェトプロテイン)…精巣腫瘍のうち卵黄嚢腫瘍
β-hCG(βヒト絨毛性ゴナドトロピン)…精巣腫瘍のうち絨毛上皮癌
CEA(癌胎児抗原)…尿路腫瘍の他、結腸癌、膵癌、肺癌、胃癌etc.
PSA(前立腺特異抗原)、ACP(酸性ホスファターゼ)、γ-Sm(γ-セミノプロテイン)…前立腺癌
ALP(アルカリホスファターゼ)…腫瘍の骨・肝転移で特にALP3が上昇
LDH(乳酸脱水素酵素)…腎・膀胱・前立腺の悪性腫瘍
超音波断層検査
【方法】経皮的走査…腎や膀胱の診察に有効
体腔内走査…前立腺に対して経直腸的走査etc.






腎生検
【方   法】針生検or開放性(観血的)生検
【適   応】主病変が腎皮質に存在するびまん性の腎疾患のみに適応。具体的には、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、ネフローゼ症候群、膠原病に伴う腎症、アミロイドーシスetc.
【禁   忌】絶対禁忌…全身衰弱、心不全、腎梗塞、腎動脈瘤、化膿性腎疾患、腎位置異常、単腎症、出血性素因、重症高血圧症、慢性腎不全の非代償期、腎細胞癌(腫瘍播種と出血の危険性)
相対禁忌…水腎症、多発性嚢胞腎、腎結核、尿毒症、腎盂腎炎、動脈硬化症
【合併症】出血、疼痛、腎動静脈瘻etc.
膀胱生検
【適応】悪性腫瘍の組織診断と悪性度の判定のために行う
前立腺生検
【適応】悪性腫瘍の組織診断と悪性度の判定のために行う
【方法】経直腸的に超音波ガイド下に行うのが一般的
精巣生検
【適   応】男子不妊症の原因を調べるため、造精機能を診るために行う
【方   法】通常、開放性に行う
【禁   忌】絶対禁忌…精巣腫瘍が疑われる場合
【合併症】陰嚢血腫、疼痛、ショック、血清陰嚢水腫
副腎生検
【適応】他疾患の検査中に偶然発見された非機能性副腎腫瘍や転移性副腎腫瘍が疑われる時
【禁忌】絶対禁忌…褐色細胞腫(ショックを誘発する)
Le Fort法
【目的】尿道狭窄の際に、狭窄部を拡張するのに用いられる
【方法】@尿道に麻酔用ゼリーを注入、A糸状ブジーを4〜5本挿入(⇒1本くらいは狭窄部を通過する)、B狭窄部を通過した糸状ブジーに金属ブジーをつなぎ、先へ進めると狭窄部を拡張することができる
泌尿器科手術




膀胱形成術
【適応】膀胱の萎縮をきたす疾患(膀胱結核、間質性膀胱炎、炎症性膀胱疾患、放射線治療、膀胱手術etc.)
【方法】回腸やS状結腸の一部を袋状に形成し、膀胱の欠損部に補充する方法がとられる場合が多い
尿管膀胱吻合術
【種類】Paquin法、Boari法
【適応】Paquin法は膀胱尿管逆流症(VUR)に行われる。Boari法は尿管下端の病変に対する尿管切除術後の再建法
膀胱尿管逆流
防止手術
【種類】Politano-Leadbetter法、Cohen法、Glenn-Anderson法、Paquin法、Lich-Gregoir法
【適応】膀胱尿管逆流症(VUR)
尿











腎瘻
【適応】余命が長くない場合(悪性腫瘍の末期etc.)、尿路閉塞のある患者に対する根治術施行前の一時的尿路変向
【方法】エコーガイド下に経皮的に腎盂を穿刺し、穿刺部を拡張した後にカテーテルを留置し、集尿袋をつける
【注意】長期にわたる利用は控えなければならない
膀胱瘻
【適応】余命が長くない場合(悪性腫瘍の末期etc.)、尿路閉塞のある患者に対する根治術施行前の一時的尿路変向
【方法】膀胱穿刺と同様の手技で、膀胱にカテーテルを留置し、集尿袋をつける
【注意】長期にわたる利用は控えなければならない
尿管皮膚瘻術
【適応】全身状態の悪い患者(術式が容易で、術後合併症も少ない)
【方法】中部尿管以下で尿管を切断し、尿管断端を側腹部皮膚に吻合して、集尿袋をつける
小児の一側性先天性巨大尿管など拡張した尿管を示す症例には、ループ尿管皮膚瘻が行われることが多い
尿管S状結腸
吻合術
【方   法】尿管の末梢側を切断して、S状結腸に吻合
【特   徴】手術侵襲が少ない、肛門括約筋機能が正常ならば真性尿失禁状態にならない
【問題点】腸内細菌による上行感染・腎障害、尿の逆流による腎盂腎炎、高Cl性アシドーシス
回腸導管
【適応】長期にわたる尿路変向
【方法】回腸の一部を切除し、尿管と吻合した後、回腸の肛門側を右腹壁下部に開口させ、開口部に集尿袋を装着
【欠点】手術侵襲が大きい、真性尿失禁状態になる
自己導尿型
リザーバ
【方法】回腸や結腸の一部を切除し、袋状に形成した上で尿管と吻合し、さらに腹壁に尿の出口となる開口部(ストーマ)を作成。カテーテルによる導尿で排尿を行う
【特徴】尿禁制を保てる
代用膀胱
(Hautmann法)
【適応】膀胱尿道全摘術の適応とならない症例(尿道の残っている症例)のみ
【方法】回腸を使って膀胱を作り、この人工的に作った膀胱と尿道とを吻合して陰茎の外尿道口から排尿できるようにする。自己導尿と腹圧排尿訓練で排尿を行う

尿






膀胱砕石術
【適応】下部尿路結石
【方法】内視鏡下に鉗子を挿入して行う
経尿道的
尿管結石摘出術
【適応】上部尿路結石
【方法】内視鏡下に鉗子を挿入して行う
経尿道的切除術
(TUR)
【適   応】前立腺肥大症、前立腺癌(排尿困難に対する対症療法)、膀胱腫瘍、膀胱頸部硬化症、前立腺・膀胱・尿道の生検、膀胱憩室口の切開、尿管瘤の切開、後部尿道弁の切開etc.
【方   法】常時、灌流液(電解質を含まない等張液を使用。1回のTURで20l前後必要)を注入することで内視鏡の視野を確認しながら切除・凝固していく
【合併症】穿孔…切除or凝固のしすぎで起こる他、閉鎖神経反射でも起こる。予防的に経皮的閉鎖神経ブロックを行う
TUR反応…大量の灌流液が体内に吸収されて起こる。低Na血症による悪心・嘔吐、冷汗、徐脈、低血圧、ショックなど。出現時には、手術を即座に中止してショックに対する治療(利尿薬投与、昇圧薬投与etc.)を行う
その他…術後出血、尿失禁、急性精巣上体炎、尿路感染症、逆行性射精、尿道狭窄etc.
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