一般的な身体診察
診察・手術時の体位


仰臥位(背臥位)背を下にして横たわること。乳房・肝臓・腎臓などの触診の際に用いる
砕石位
(切石位)
背臥位で、手術台の端に殿部を載せて、股関節と膝は十分に曲げ、足は革ひもで固定する。肛門の視診・触診直腸の視診泌尿器科的診察婦人科的診察などを行う際にとられる体位
※直腸内圧測定は、腹圧がかからないように仰臥位or側臥位で行う
Trendelenburg体位
(骨盤高位)
様々な角度に傾斜した手術台での背臥位。骨盤は頭より高くなる。骨盤の手術および手術後、またはショック時に用いる
逆Trendelenburg体位頭が足より高い位置にあり、屈曲したり、伸展したりしない背臥位


腹臥位顔を下にして横たわること
膝胸位
(jack knife位)
婦人科の検査or直腸検査のためにとられる、膝と胸の上部をついたうつぶせの姿勢。急性膵炎などで疼痛のために自然にとる体位でもある
膝肘位直腸や婦人科の検査または手術のためにとられる、膝と肘をついたうつぶせの姿勢


右側臥位右側を下にして横向きになった体位
左側臥位左側を下にして横向きになった体位
Sims位膣検査および直腸・肛門検査を容易にするための体位で、患者が下側の腕を後ろにし、上側の大腿を下側の大腿よりも深く曲げて横向きに横たわる。一般には左側臥位
Fowler体位(半坐位)腹腔内液体を下腹部に集めるためにベッドの頭部を50〜75cm上げる傾斜位
起坐位ベットに枕をいくつか積みあげたものに支えられて座る姿勢で、呼吸困難時に自然にとる体位。意識障害のある呼吸不全患者でも、処置時以外は起坐位とする
徒手筋力テスト(MMT)
0   筋収縮が全くみられない
1   筋収縮はみられるが、関節運動はみられない
2   関節の水平方向の運動はみられるが、重力に抗しての上下運動は不可能
3   重力に抗して関節の上下運動はみられるが、軽い抵抗には打ち勝てない
4   重力に抗しての関節の上下運動がみられ、やや強い抵抗にも打ち勝てる
5   正常筋力
神経反射の中枢
角膜反射−橋、下顎反射−橋、上腕二頭筋反射−C5、腕橈骨筋反射−C6、上腕二頭筋反射−C7、大腿四頭筋反射−L4、アキレス腱反射−S1
幼児の栄養状態の評価
皮下脂肪の厚さ、ツルゴール(皮膚の緊張度)がよい指標となる。臍の両側を軽くつまみあげて判定する
小児の身体診察の特徴
呼吸音は成人に比して強く鋭く聴こえる。打診音は成人よりも共鳴性であるため、正確な打診所見を得やすい
打診
@中指の遠位指節間(DIP)関節より末梢側だけを体壁に密着させて置く
A利き手の中指の末節先端部を、体壁に置いた中指のDIP関節の上に垂直に当てるように叩く。その際、手首のスナップをきかせて素早く行う
B体壁に置いた中指のDIP関節の骨を通じて振動を感じ取る
血圧測定
@ゴム嚢から空気が完全に放出されていることを確認する
Aゴム嚢の中央が上腕動脈にかかるようにして、その下縁が肘窩より2〜3cm上になるように巻く。上腕との間に指が1〜2本入る程度に巻く
B上腕動脈の上に膜型聴診器を置いて、血管音を聴きながら、圧を上げていく(聴診法ではなく、触診法で行う場合もある)
C聴こえていた血管音が聴こえなくなる圧から20〜30mmHgほど圧を上げ、そこから1心拍あたり2mmHgの速さで水銀柱を下げていく
D再び血管音が聴取され始める圧を最高血圧値(Swan第1点)、血管音が消失する圧を最低血圧値(Swan第5点)とする
   ※なお、マンシェットの幅が狭いと血圧は実際よりも高く出る
腹部診察
視診→聴診→打診→触診の順序で行う
   ※触診では必ず膝を120°程度曲げる。基本的に仰臥位で行うが、脾臓の触診には右側臥位が最も適している
腹部の触診
通常は触知しにくいが、やせた人で触知する可能性があるもの…腎、腹部大動脈、第4・5腰椎の前面etc.
   ※脾臓を触れるのは常に異常
頸静脈の視診
頸静脈が坐位や立位で観察されず、仰臥位で観察できるのは正常
直腸指診
示指に指嚢を装着し、キシロカインゼリーを付け、肛門管内に静かに挿入して行う。肛門周囲の腫脹、腫瘤、索状物、直腸肛門管狭窄、肛門括約筋の緊張、指先に付着する血液・分泌物の性状、その他前立腺、子宮その他付属器、骨盤底などの病変を知るために行われる
健康な成熟期女性でみられる所見
逆三角形の恥毛、少量の漿液性・粘液性、透明な膣分泌物、規則的な月経周期、非凝固性の月経血、妊娠・分娩etc.
脊柱の彎曲
頸椎は前彎、胸椎は後彎、腰椎は前彎      ※前彎=前方凸の彎曲、後彎=後方凸の彎曲
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