失語・失行・失認
失語症
aphasia
【概念】言語の了解・表出の障害
【分類】
症状による分類
 原因話す速度区の長さ助詞・助動詞の省略プロソディ錯語その他
流暢性失語運動失語正常正常なし正常多い典型的にはジャルゴン
非流暢性失語感覚失語遅い短いあり障害なし努力性発語が認められる
障害部位による分類
 障害部位口語言語書字言語




皮質下感覚失語
(純粋感覚失語)
耳→S自発言語は保持されるが、言語理解・復唱は不可能自発書字・黙読理解とも障害なし
Wernicke失語
(皮質感覚失語)
S自発言語は可能(流暢性失語)。言語理解は著しく障害され、復唱も困難自発書字では錯書が多くみられ、黙読理解は不可能
超皮質感覚失語S→B自発言語は可能(流暢性失語)。言語理解は著しく障害されるが、復唱は可能自発書字は可能だが、黙読理解は不可能
伝導失語S→M自発言語は可能(流暢性失語)。言語理解は可能だが、復唱が著しく障害される自発書字では錯書が多くみられ、黙読理解は可能




超皮質運動失語B→M自発言語は不可能(非流暢性失語)。言語理解は複雑な構文で低下するが、復唱は可能である黙読理解は可能だが、自発書字は不可能
Broca失語
(皮質運動失語)
M自発言語は不可能(非流暢性失語)。言語理解は複雑な構文で低下し、復唱は困難である
皮質下運動失語
(純粋運動失語)
M→口黙読理解・自発書字ともに可能
全失語左半球言語野の広範な障害言語機能はすべて障害される
失名詞失語
(健忘失語)
語彙の検索喚語困難がみられるが、言語理解・復唱は可能自発書字・黙読理解とも可能
※S(感覚言語中枢)…上側頭回上方のWernicke野
   M(運動言語中枢)…下前頭回のBroca野
失行
apraxia
【概念】随意運動の障害で、理解・筋力・知覚・一般的協調作用が保持されているにもかかわらず、細かいまたは目的のある運動の達成が障害されること。後天的な大脳疾患による
【分類】
 失行の内容責任病巣自動運動意図運動
肢関節運動失行個々の神経には異常がないが、ある運動がスムーズにできない(手指失行、顔面失行etc.)中心溝を挟む
前後の領域
  
観念運動失行自発運動はできるのに、言語命令や模倣命令には従えない 
観念失行個別の行為はできるのに、一連の複合的な行為ができなくなる
構成失行構成行為ができなくなる(言語命令にも、模倣命令にも従えない)頭頂葉
着衣失行着衣という特別な行動の中で目立ちやすい失行
失認
agonosia
【概念】五感を通して得られた対象を認知できない病態。大脳の種々の部位の病変で起こる
【分類】
 責任病巣失認の内容・備考




物体失認両側後頭葉(?)物体は見えているのに、何だか分からない
相貌失認側頭連合野(?)家族や旧知の友人を見ても誰だか分からない
色彩失認色覚が保たれているにもかかわらず、色を認知できない
同時失認優位半球の後頭頭頂葉個々の対象は認知できるものの、全体的な認知ができない
Anton症候群盲目であるにもかかわらず、「見えている」と主張し、まるで「見えている」かのように行動する




半側空間無視頭頂葉自分の視空間の半側にある対象を無視する。基礎疾患の多くは中大脳動脈の梗塞
地誌的
失認
街並失認後頭葉と海馬を結ぶ経路見慣れたはずの建物や風景を見ても、それが何であるか、どこであるか分からない
道順失認頭頂葉と海馬を結ぶ経路現在いる位置から目的地までの道順が分からない
Ba´lint症候群両側の頭頂連合野精神性注視麻痺・視覚性注意障害・視覚性運動失調を3徴とする




皮質聾両側の横側頭回(?)脳幹までの聴覚伝導路は正常なのに、聴覚刺激(言語音・非言語音の両方)に気づかない
環境音失認言語音は認知できるが、非言語音を聞いた場合にはそれが何か分からない
純粋語聾耳→Sへの経路皮質下感覚失語のこと
失音楽音楽を聞いても、メロディやリズムを認知できない
触覚性失認物体を触っても、その形態や素材が分からない、もしくはそれが何か分からない



半側身体失認身体の半側への関心が低下し、あたかもそれが存在しないかのように振舞う。多くの場合、片麻痺の合併がみられ、その麻痺側で失認が起こる
Gerstmann症候群優位半球の頭頂葉手指失認・左右失認・失算・失書を4徴とする
精神症状学
























意識の
清明度の
障害
【概念】思考・知能・知覚・随意運動などの精神活動の繰り広げられる舞台の明るさの障害(意識混濁)。意識混濁が高度になり、何の刺激にも反応しない状態を昏睡状態という
   ※昏睡は急性期の意識混濁に対してのみ用いられる用語
【原因】中脳網様体から大脳皮質に向かう上行網様賦活系(ARAS)の機能障害
【評価】
Japan coma scale(JCS)
I   覚醒している
   1   だいたい意識清明だが、今1つはっきりしない
   2   見当識障害がある
   3   自分の名前、生年月日が言えない
II   刺激すると覚醒する
   10   普通の呼びかけで、容易に開眼する
   20   大きな声または体を揺さぶることにより開眼する
   30   痛み刺激を加えつつ呼びかけをくり返すと、かろうじて開眼する
III   刺激しても覚醒しない
   100   痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする
   200   痛み刺激で少し手足を動かしたり、顔をしかめる
   300   痛み刺激に全く反応しない
意識野
の障害
(意識変容)
【概念】思考・知能・知覚・随意運動などの精神活動の繰り広げられる舞台の照明の当たっている範囲の狭小化(意識狭窄)に、幻覚・一過性の妄想・夢体験・不安などの精神症状を伴った状態。JCSの1桁が前提
【原因】ARASの機能障害+辺縁系の過剰興奮
【種類】
もうろう状態 twilight state
概念…軽い意識混濁+強い意識狭窄+幻覚・夢体験
原因…てんかん発作、Ganser症候群、病的酩酊、頭部外傷etc.
症状…軽症では、意識野狭窄による異常行動、人格違和感、抑制欠如、無反省など。重症では、夢遊病、健忘など
せん妄 delirium
概念…軽い意識混濁+強い意識狭窄+高度の認知障害
疫学…高齢者、痴呆患者、AIDS患者、熱傷患者、入院患者(特にICU)に多い
原因…薬物(ドパミン作動薬・抗コリン薬etc.)、アルコール離脱、脱水、代謝異常(肝性脳症・尿毒症etc.)etc.
症状…集中力低下、環境認識困難、見当識障害記憶障害、錯覚・幻覚による混乱・動揺、興奮、不隠な多動or寡動、不眠状態、日中傾眠etc.      ※長期記憶の障害はある程度進行してからみられる
特徴…症状は短期間で出現(日時の特定が可能)、日内変動あり(夕方〜夜にかけて増悪)
   ※術後せん妄の場合、術後数時間から症状が発現する(幻覚の内容は身体的基礎疾患と無関係)
治療…直接の原因の除去、環境調整、薬物療法(ハロペリドール、ジアゼパム、ミアンセリンetc.)
アメンチア amentia
概念…軽い意識混濁+強い意識狭窄+思考障害(軽度のせん妄)
症状…自己や環境に対する当惑感、夢幻思考や思考錯乱
知能の異常
【分類】
精神遅滞 mental retardation
概念…知能の発育障害により、知能指数が70未満で、社会的な適応困難をきたす状態
痴呆 dementia
概念…いったん発達した知能が何らかの後天的な理由によって低下したために、社会的な適応困難をきたす状態
記憶の異常
【種類】
健忘 amnesia
概念…一定期間の情報を追想できない状態(特に、エピソード記憶)
原因…脳の器質的障害。責任病巣は、海馬・間脳・大脳連合野
記銘障害 derangement of the capacity to register
概念…新しいことが覚えられない状態(=前向健忘)
Korsakoff症候群(健忘症候群)
概念…前向健忘+逆向健忘+見当識障害+作話+自己の病態に関する無関心
原因…チアミン(Vit. B1)欠乏。基礎疾患としては、アルコール性脳障害、消化器系悪性腫瘍、飢餓、妊娠悪阻etc.
合併症…同じ原因で起こるWernicke脳症の併発が多い
既視体験 de´ja` vu
概念…今までに見たことがない物を「見たことがある」と認知する現象
原因…再認過程の異常。てんかんの精神運動発作や軽度の意識混濁時にみられる
知覚の異常
【種類】
錯覚 illusion
概念…現実に存在する対象を、誤って別の物と判断する現象
分類…不注意錯覚(注意力・集中力の低下時、軽い意識障害時などに好発)、感情性錯覚(恐怖感など特有の感情に伴ってみられる錯覚)、パレイドリア(空想と知覚の合体。誤りであることは分かっているのにもかかわらず、別のものに見えてしまう)
幻覚 hallucination
概念…現実に存在しない対象を存在するかのように知覚する現象
分類…真性幻覚(知覚の性質が明らかで、外部の客観空間に投影されているもの。意識レベル低下時に好発)、偽幻覚(内部の主観的空間に生じ、知覚の性質が明らかでないもの。統合失調症などにみられる)
・機能性幻覚…現実の知覚と平行して起こる幻覚
・要素幻覚…幻覚の内容が意味のない単なる光や音のような場合
・複合幻覚…話し声や情景などのように、比較的複雑な場合
種類…幻視は脳器質的精神障害に比較的特異的で、幻聴は統合失調症に特異性が高い
















思考過程
の異常
【種類】
観念奔逸 flight of idea
概念…アイデアが次から次へとあふれるように湧き、その結果、思考過程がどんどんと脇道にそれ、最初の目標からはずれて、全体としてまとまりがなくなった状態。会話内容は、音連合やダジャレが目立つ
原因疾患…躁病(気分障害)や一部の薬物中毒etc.
思考制止 inhibition of thought
概念…アイデアの浮かぶスピードが極端に遅くなった状態で、「努力しても考えが浮かばない」などと訴える
原因疾患…うつ病(気分障害)
思考滅裂 incoherence
概念…意識清明ではあるが、個々のアイデアの間に論理的な結びつきがなくなり、何を言っているの分からなくなった状態。軽度の場合を連合弛緩といい、高度の場合を言葉のサラダという
原因疾患…統合失調症
思考途絶 blocking of thought
概念…思考過程が急激に遮断されるために、思考が突然空虚になった状態。話の途中で急に黙り込み、しばらくしてから話を再開するという症状がみられる
原因疾患…統合失調症
保続 perservation
概念…いったん浮かんだアイデアが抑制されずに不必要に持続するために、思考過程が先に進めない状態
原因疾患…痴呆などの脳の器質的障害でみられる
迂遠 circumstantiality
概念…話が回りくどく、冗長になった状態
原因疾患…痴呆などの脳の器質的障害でみられる
思考体験
様式の異常
【種類】
強迫思考 obsessive thinking と恐怖症 phobia
概念…自分自身ではそれが無意味であり、考える必要がないと分かっているものの、あるアイデア(←あくまで自分のもの)が反復的に出現し、「気にしまい」、「考えまい」と努力しても、努力すればするほど心に強く迫り、考えることを止められない現象
原因疾患…強迫性障害、うつ病統合失調症、人格障害、脳の器質的障害etc.
作為思考(させられ思考) made thinking
概念…自分のアイデアであるにもかかわらず、他人によって考えさせられているという被影響感を体験する現象
原因疾患…統合失調症に比較的特異性が高い
支配観念 fixed idea
概念…特定の感情に伴ってあるアイデアが出現し、心の中に存続してとどまった状態。うつ病での自殺企図などがこれにあたる
思考内容
の異常
(妄想)
【概念】異常な確信に支えられた訂正不能な考え
【分類】一次妄想…発生機序を心理学的背景から了解できないもの。主に統合失調症でみられる
二次妄想…発生機序を心理学的背景から了解できるもの。アルコール依存症における嫉妬妄想や躁病の誇大妄想etc.
















状況に
そぐわない
感情
【種類】
爽快気分 cheerful mood
概念…気分が高揚し、晴れやかな状態で、通常は意欲の亢進を伴う
原因疾患…躁病(気分障害)の他、脳の器質的障害、一部の薬物中毒、統合失調症etc.
抑うつ気分 depressive mood
概念…気分が重く、憂鬱な状態で、通常は意欲の減退を伴う
原因疾患…うつ病の他、脳の器質的障害、統合失調症、一部の人格障害、神経症性障害、外傷後ストレス障害etc.
多幸 euphoria
概念…何となく楽天的で、機嫌がよい状態で、通常は意欲の亢進は伴わない。周りから見ると、内容がなく、いかにも浅薄な印象を受ける
原因疾患…痴呆を呈する疾患、一部の薬物中毒etc.(躁病ではみられない
児戯性爽快 la¨ppische Heiterkeit
概念…子供のように朗らかな感情。周りから見ると、内容がなく、いかにも浅薄な印象を受ける
原因疾患…統合失調症の慢性期(感情の平板化)etc.
気分変調 labile mood
概念…気分が不安定で、急に不機嫌になったり、逆に上機嫌になったりする現象
原因疾患…脳の器質的障害、一部の人格障害etc.
感情の
興奮性の
異常
【種類】
情動麻痺 emotional stupor
概念…天変地異などの突発的な大事件を体験した後に、何も感じなくなった状態。一種の心因反応
感情鈍麻 flattening of affect
概念…本来であれば何らかの感情を引き起こすような外界刺激に対して、喜怒哀楽を感じなくなる状態
原因疾患…統合失調症の慢性期の他、脳の器質的障害etc.
情動失禁
【概念】感情の起伏自体は正常であるが、生じた喜怒哀楽の感情が簡単に漏れてしまう状態のこと
【原因】脳梗塞などの脳血管障害に好発。このような器質的要因に加えて、心理的要因の関与も大きく、感情の不安定が基礎にあることが多い。責任病巣は間脳付近にあることが多い
両価性
ambivalence
【概念】同一の対象に対して、相反する感情を同時にもった状態のこと
【原因】典型例は統合失調症








意欲の亢進
【種類】
行為心迫 impulsion to action
概念…発生が了解可能な行為がどんどんと脳裏に浮かんできて、次々に行動に移していく状態
原因疾患…躁病(気分障害)
運動心迫 oppression to movement
概念…発生が了解不能な意味のない行動を次から次へと実行していく状態
原因疾患…統合失調症(緊張病性興奮)
意欲の減退
(意志の障害)
【種類】
制止 inhibition
概念…意欲を行動に移す過程での意志の障害で、動作が緩慢になり、行動も少なくなる
原因疾患…うつ病(気分障害)
途絶 blocking
概念…思考途絶による意志の障害で、行動の突然の停止がみられる
昏迷 stupor
概念…意識清明であるにもかかわらず、意志が極端に低下したために、外界刺激に全く反応しなくなった状態。制止or途絶の極限状態
自我意識の異常
【種類】
離人症 depersonalization
概念…自我意識の能動性が失われたために、自分の知覚・感情・行為などについて現実感が湧いてこない状態。周囲のものがベールで覆われたように感じられるとともに、自分が自分でないような感覚に陥る
原因疾患…神経症性障害・うつ病・統合失調症など種々の疾患の他、健常人でも疲労の極限状態でみられることがある
行為体験(させられ体験) gemachtes Erlebnis
概念…自分が考えるのではなく、他人によって考えさせられているという自我意識の能動性の喪失
原因疾患…統合失調症に多い

各精神疾患の症候のまとめ
 脳器質的精神障害統合失調症気分障害神経症性障害
躁病うつ病
知覚の
異常
幻覚
主に幻視

主に幻聴
   
思考
過程の
異常
観念奔逸    
思考制止    
思考滅裂    
思考途絶  × 
保続    
迂遠    
思考体験
様式の
異常
強迫思考 強迫性障害
のみ○
恐怖症 
作為思考    
支配観念    
妄想一次妄想    
二次妄想   
感情の
異常
爽快気分  
抑うつ気分  
多幸    
児戯性爽快    
気分変調    
感情鈍麻   
情動失禁脳血管障害で○    
両価性    
意欲の
亢進
行為心迫    
運動心迫    
意欲の
減退
制止    
途絶    
昏迷    
自我意識
の異常
離人症  
行為体験    

病前性格のまとめ
統合失調症分裂気質(非社交的で、控えめで、ユーモアのない変人タイプで、繊細で敏感な側面と冷淡で鈍的な側面が混在する)
気分障害循環気質(ねあかなお調子者)
執着気質・メランコリー親和型人格(くそ真面目な堅物で、几帳面で責任感が強い)
てんかん粘着気質
強迫性障害強迫性格(異常に秩序に執着する)
検査
脳波
electro-
encephalogram
(EEG)
【概   念】大脳の神経細胞全体の電気的活動を記録したもの
脳波の周波数
δ波θ波α波β波γ波
0.5〜3Hz4〜7Hz8〜13Hz14〜30Hz30Hz〜
【正常像】
覚醒時
安静閉眼時…後頭部優位に優位律動がみられる(9歳以降ではα波、9歳未満ではθ波などの遅い波)
知覚刺激時・精神作業時…α blockingが起こり、β波やγ波が出現する
   ※θ波は原則として健常人ではみられない。δ波は健常人では絶対にみられない
睡眠時
non-
REM
睡眠
第T期α波が次第に減少し、低振幅のβ波・θ波が目立つ入眠期に相当
第U期紡錘波、δ波が出現(δ波の比率は全体の20%以下) 
第V期δ波の比率が全体の20〜50%徐波睡眠
第W期δ波の比率が全体の50%以上
REM睡眠第T期に類似
(全睡眠の約20%で、明け方に近づくにつれて持続
時間が長くなる)
自律神経不安定
急速眼球運動
抗重力筋の緊張低下
【賦活法】
光刺激
正常所見…優位律動がパチパチという光刺激に関連した周波数に置換される
異常所見…一部のてんかん患者では異常脳波の誘発がみられる
過呼吸
正常所見…過呼吸により両側同期性に徐波活動が生じる。特に小児で著明
異常所見…一部のてんかん患者では異常脳波の誘発がみられる





















知能検査
【種類】
 方法対象
Binet式知能検査
(田中-Binet知能検査)
複数の課題を実施し、その中で合格した課題に与えられた月数から、精神年齢を求める。精神年齢を生活年齢で割ることにより、知能指数(IQ)が得られる主たる対象は青少年期まで
Wechsler成人知能検査
WAIS
6項目からなる言語性検査と5項目からなる動作性検査を行うことにより、全体の知能構造の評価、人格特性の評価、知能指数の算出などを行う原則として16歳以上
Wechsler児童知能検査
(WISC)
WAISを小児向きに作成し直したもので、同様に知能指数などが算出される5〜16歳
人格検査
【種類】
 方法特徴用途具体的方法



質問という明確な刺激に対して、「はい」「いいえ」で答えてもらう比較的短時間で行うことができ、採点も簡単だが、回答に歪みが入りやすいスクリーニング検査に有用CMI健康調査表
Minnesota多面人格検査
Y-G検査
  (矢田部-Guilford検査)


インクの染み、意味ありげな絵画、途切れた文章などの曖昧な刺激を与えて、それに対する自由な回答を引き出す比較的時間がかかり、評価も難しいが、回答に歪みが入りにくく、また人格構造の深部まで観察可能である統合失調症や境界型人格障害の診断にも有用Rorschachテスト
絵画統画検査(TAT)
文章作成テスト(SCT)
記銘力検査
【種類】
 方法
脳研式対語記銘力検査言語性の記銘力検査。有関係対語と無関係対語をゆっくりと読み聞かせた後で、記憶しているけのテストをする
Benton視覚記銘力検査視覚性の記銘力検査。線画をじっくりと見せ、隠した後でそれを再生させる
精神作業
能力検査
【概念】被検者に一定の作業を行わせ、その結果から心理的特徴を評価する検査。被検者の集中力や注意力などの作業態度を知ることができる
【種類】
 方法評価項目
内田-Kraepelin
連続加算テスト
1桁の数字が並んでいる検査用紙を与え、一定時間で隣どうしの数字を加算させることを何度かくり返す緊張感の持続、疲労のしやすさ、練習効果などを評価
Bourdon抹消テストランダムに並んだ8種類の図形の中から指定された形態のものだけを一定時間で消していく
Benderゲシュタルト
テスト
全体としてまとまりのある9枚の図形を見せ、コンパスや定規を使わずにできるだけ正確に模写してもらうゲシュタルト機能を評価する(脳の器質的障害でこの機能の崩壊がみられる)


















簡易精神症状
評価尺度
(BPRS)
【特徴】比較的簡便で、包括的に精神症状を評価できるので、わが国で最も広く用いられている
【対象】急性の成人入院患者が対象。小児や慢性疾患患者はよい適応とはいえない
【項目】1.心気症、2.不安、3.情動的引きこもり、4.概念の統合障害、5.罪責感、6.緊張、7.衒奇症と不自然な姿勢、8.誇大性、9.抑うつ気分、10.敵意、11.猜疑心、12.幻覚による行動、13.運動減退、14.非協調性、15.不自然な思考内容、16.情動の平板化、17.気分の高揚、18.見当識障害
【方法】上記18項目それぞれについて、無症状の1から最重度の7までの7段階で評価していく
包括的精神
病理学評価尺度
(CPRS)
【方法】主観的症状から他覚的所見まで、合計67項目を各4段階で評価していく
【特徴】精神科の専門用語が排除されている
【用途】精神保健の分野で広く用いられている
統合失調症の
評価尺度
【種類】
Positive and Negative
Syndrome Scale(PANSS)
陽性尺度7項目+陰性尺度7項目+総合精神病理尺度16項目からなり、それぞれ7段階で評価
Scale for the Assessment of
Negative Symptoms(SANS)
陰性症状のみの5大項目(30の小項目)からなり、それぞれ6段階で評価
Symptom Rating Scale(SRS)感情鈍麻と言語の貧困という陰性症状、言語の支離滅裂と妄想という陽性症状について、5段階に評価。主に慢性期の患者を対象とし、社会的治療効果の判定に使用される
気分障害の
評価尺度
【方法】世界的に最も広く用いられているのは、Hamilton Rating Scale for Depression(HRSD)。うつ病にみられる21項目の症状に関して、3段階または5段階に評価
不安の
評価尺度
【方法】世界的に広く用いられているのは、Hamilton Anxiety Scale(HAS)。不安に伴う種々の症状に関して、5段階に評価
痴呆の
評価尺度
【種類】
改訂長谷川式簡易
知能評価スケール(HDS-R)
日本で最も広く用いられている痴呆の評価尺度。見当識の検査と記銘力の検査とからなり、30点満点で20点以下だと痴呆の疑いが残る
Mini-Mental State
Examination(MMSE)
世界的に最も広く用いられている痴呆の評価尺度。5問の言語性テストと6問の認知機能テストとからなる
治療

































抗精神病薬
(神経遮断薬)
【作   用】シナプス後部のモノアミン受容体(特にドパミン受容体)の遮断⇒鎮静作用+抗幻覚妄想作用
【薬剤名】
フェノチアジン誘導体
クロルプロマジンレボメプロマジン…鎮静作用が強い
フルフェナジンペルフェナジン…抗幻覚妄想作用が強い
ブチロフェノン誘導体
ハロペリドール…抗幻覚妄想作用が強い
その他の抗精神病薬
スルピリド…もともと胃の粘膜防御因子増強薬。初期分裂病・うつ病に適応
リスペリドンオランザピン…5-HT受容体遮断作用を併せもつ新しい薬剤(非定型抗精神病薬
【適   応】精神運動興奮or幻覚妄想を呈する多くの病態(非定型精神病、躁性興奮時、せん妄の興奮etc.)
【副作用】錐体外路症状…パーキンソニズム、静座不能症、急性ジストニア、遅発性ジスキネジアetc.
錐体外路症状予防のために、抗コリン薬を併用することが多い
自律神経症状…抗コリン作用、抗α1作用、起立性低血圧etc.≪特にフェノチアジン誘導体
高PRL血症…女性で乳汁分泌性無月経≪特にスルピリド
水中毒…低Na血症・脳浮腫(←多飲+SIADHによる)
悪性症候群…高熱、歯車状〜鉛管状の筋固縮、意識変容、自律神経症状、ミオグロビン尿、急性腎不全etc.(⇒治療は、抗精神病薬の中止、ブロモクリプチン・ダントロレンの投与、十分な輸液etc.)
・その他…麻痺性イレウス、肥満etc.
抗うつ薬
【作   用】シナプス前部のモノアミンの再取り込みの阻害⇒意欲亢進作用+気分改善作用+不安解除作用
【薬剤名】
三環系抗うつ薬
イミプラミン…気分改善効果に優れるが、副作用が強い
クロミプラミン…気分改善効果に優れ、静注可能だが、副作用が強い
アミトリプチン…不安解消作用に優れる(特に焦燥感の強いうつ病によく使う)が、副作用が強い
アモキサピン…比較的新しく、副作用が少ない。幻覚妄想を伴う特殊なうつ病によく使う
四環系抗うつ薬
マプロチリンミアンセリンセチプリチン…副作用が少ない
その他の抗うつ薬
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)…マイルドな気分改善効果を有し、副作用が非常に少ない
スルピリド…抗精神病薬・胃粘膜防御因子増強薬でもあるが、少量投与時には意欲亢進作用が得られる
【適   応】うつ病、パニック障害、強迫性障害、遺尿症etc.
【副作用】三環系・四環系抗うつ薬⇒抗コリン作用、交感神経α1受容体遮断作用、ヒスタミンH1受容体遮断作用
気分安定薬
【作   用】躁状態を改善する作用+躁状態とうつ状態の周期的出現をストップさせる作用
【薬剤名】炭酸リチウム…マイルドな気分安定化作用をもつが、遅効性。常にTDMが必要
・カルバマゼピン…本来は抗てんかん薬
【適   応】躁病(気分障害)
【副作用】消化器症状、振戦、続発性腎性尿崩症による多尿、運動失調、せん妄、意識障害、痙攣、眼振etc.
抗不安薬
【作   用】GABAに対する感受性の亢進/セロトニンの再取り込み阻害⇒抗不安作用
【薬剤名】・ベンゾジアゼピン誘導体(BZ)…ジアゼパム、ニトラゼパム、クロナゼパムetc.
・アザピロン誘導体(5-HT1A受容体拮抗薬)
【適   応】パニック障害などを中心とする神経症性障害、てんかん、アルコールやバルビツール酸の離脱症状etc.
【副作用】精神依存、身体依存etc.
睡眠薬
【作   用】Cl-チャネルの開口時間の延長/GABAに対する感受性の亢進⇒精神活動の停滞(鎮静・催眠作用)
【薬剤名】
バルビツール酸系化合物
バルビタールetc.…常用量と致死量が近く、TDMが必要
ベンゾジアゼピン誘導体(BZ)
超短時間型(トリアゾラム、ミタゾラムetc.)、短時間型(エチゾラムetc.)、長時間型(ニトラゼパム、エスタゾラムetc.)、超長時間型(フルラゼパムetc.)
【適   応】不眠症
【副作用】バルビツール酸系⇒精神依存、耐性、離脱症状etc.
ベンゾジアゼピン系⇒眠気、不安、前向健忘、身体依存、服薬中止後の反跳性不眠・不安
抗てんかん薬
(AED)
【薬剤名と作用、適応、副作用】
 作用適応副作用
バルプロ酸
(VPA)
GABAの作用を増強+Na+チャネルを遮断最も広いスペクトルをもつ。全般発作では第1選択薬、部分発作に対しても第1〜2選択薬一般に軽微だが、催奇形や中毒性肝障害が起こることがある
カルバマゼピン
(CBZ)
Na+チャネルを遮断部分発作に対して第1選択。その他、三叉神経痛の治療にも用いられるふらつき、複視、血液障害、続発性SIADHによる低Na血症、顆粒球減少症etc.
フェニトイン
(PHT)
Na+チャネルを遮断CBZとほぼ同様だが、てんかん発作重積状態での再発予防のためにDZP静注後に使用されることが多い血中濃度が不安定で、中毒症状(歯肉増殖、多毛、眼振、複視、小脳失調、意識障害、骨軟化症、くる病、血液障害、肝障害、薬疹etc.)を起こしやすい
エトスクシミド
(ESM)
Ca2+チャネルを阻害欠神発作嘔気・食欲不振などの消化器症状のみ
BZジアゼパム
(DZP)
GABAの感受性を亢進てんかん発作重積状態に対して静注(静注が不可能なら直腸内投与)日中の眠気・活動性の低下、耐性、常用量依存、反跳性不眠・不安などの離脱症状、呼吸抑制
ニトラゼパムWest症候群Lennox-Gastaut症候群などの症候性全般てんかん
クロナゼパム
フェノバルビタール
(PB)
神経細胞のCl-チャネルの開口時間を延長妊娠・出産を控えた女性のてんかん発作(欠神発作を除く)日中の眠気・鎮静(成人)、多動(小児)、身体依存、投薬中止後の離脱症状
精神刺激薬
【作   用】中枢神経の覚醒水準を高め、運動機能・知覚機能などを増強
【薬剤名】メチルフェニデート、ペモリンetc.
【適   応】ナルコレプシー、小児の注意欠陥/多動性障害etc.
電気痙攣療法
electroconvulsive
therapy(ECT)
【方   法】左右のこめかみなどに電極を取り付け、50〜60Hzの交流電流を100Vで2〜3秒間通電する。すると、通電中は患者は強直性痙攣を生じ、通電終了後には間代性痙攣に移行する。治療後患者はもうろう状態となり、多くの場合そのまま眠ってしまう
※現在では、即効性のバルビツレートを用いて静脈麻酔をかけ、その上で筋弛緩薬を静注して痙攣を起こさずに通電する方法(修正電気痙攣療法)も行われている
【適   応】薬剤の効果が不十分な興奮の強い統合失調症と重度のうつ病etc.
【禁   忌】てんかんなどの脳の器質的疾患を持つ場合、心疾患を有する場合、アルコール離脱状態
【副作用】前向健忘、胸椎の圧迫骨折






























支持的精神療法
【概念】患者の自我の弱い部分をサポートすることによって、患者が症状に耐えて生活していけるだけの適応能力を身に付けさせる治療法
表現的精神療法
【概念】患者にとって未解決の情緒的体験をできるだけ自由に話してもらうことによって、うっ積していた感情や緊張を解除しようとする治療法






精神分析療法
【概念】Freud博士の始めた精神療法で、患者の自由連想を通して洞察された、無意識の世界に潜む本能の欲求を患者に意識させ、葛藤を生じさせることによって、不安や不適切な行動の背景を理解させようとする治療法
【適応】ほとんどの神経症性障害(恐怖症性不安障害、パニック障害、強迫性障害etc.)がよい適応
   ※人格障害ではやや困難、自他の区別・現実と非現実の区別のつかない統合失調症には不可能
現存在
分析療法
【概念】Heidegger博士の実存主義哲学(世界内存在)を基盤とした治療法で、患者と世界との関係を具体的に構築することによって、自我の抵抗力を高めることを目指すというもの
非指示的
精神療法
(Rogers法)
【概念】Rogers博士によって始められた、患者の主体性を重視した精神療法。治療者が受容的態度で傾聴し、患者に共感を示すことを通して、患者が安心して自分自身に対する理解を深め、問題となっている人格の変容を促そうとするもの















森田療法
【概念】神経症に関する森田学説を背景として開発された精神療法。現在の症状をあるがままに受容し、それを前提に前向きな姿勢で解決しようと志向するもの
【適応】恐怖症性不安障害パニック障害強迫性障害心気症性障害、不眠症などがよい適応
内観療法
【概念】患者を静かな部屋の一隅に1人で座らせて、長時間にわたり、過去の特定の人からしてもらったことやしてあげたことなどを回想させ、そのことを通して、患者にそれまでの自己のあり方を反省させ、人格の変容を促そうとする治療法
自律訓練法
【概念】Schultz博士により開発された、自己催眠法の一種。段階的な訓練を経て、自己暗示の方法をマスターすることによって、任意にリラックス状態を作り出すことができるようになり、そのリラックス状態の中で緊張した自我を解きほぐしていこうとするもの
【適応】心身症、恐怖症性不安障害、パニック障害などで、適応の範囲は広い
   ※統合失調症、躁うつ病、ヒステリー、強迫性障害などは不適
行動療法
【概念】心身の障害や行動の異常は過去における誤った条件づけに起因するという考えのもと、この誤った条件づけを正しい方向に条件づけし直そうとする治療法
【方法】・系統的脱感作…不安階層表に基づいて、段階的に不安材料を克服していこうとするもの
・オペラント条件づけ…望ましい行動をした時には賞賛し、望ましくない行動をした時には罰を与えるというもの
・バイオフィードバック…体内に生じた気づきにくい変化をあえて意識させ、それを条件づけして生体にかかるストレスをコントロールさせようとするもの
【適応】種々の神経症性障害(恐怖症性不安障害、強迫性障害、心身症、パニック障害etc.)
認知
行動療法
【概念】障害や行動異常の背景には認知の歪みが存在し、その歪みを修正することによって症状は軽快するという仮説のもと、患者が直面する問題に対処できるように、心理教育的な面接を通して援助する治療法
【適応】認知の歪みをもった病態のほとんどすべてに適応がある。つまり、うつ病、パニック障害、恐怖症性不安障害、強迫性障害、人格障害、摂食障害などが適応となる。慢性期の統合失調症に対しては、本治療法の一種である生活技能訓練(SST)が普及しつつある
   ※著明な幻覚妄想をもつ急性期の統合失調症などは適応外
集団精神療法
【概念】数人〜十数人の患者を集めて、集団で精神療法を行うというもの。患者どうしの接触によって、個々の問題点を深く洞察することが期待される
【方法】・断酒会…アルコール依存者に対する集団精神療法。飲酒による失敗談や断酒の継続談などを発表しあい、その問題点について討議しあうことによって、現実逃避の姿勢を除去し、断酒の決意を分かち合おうとするもの
・心理劇…患者にとって葛藤の原因となっている状況を治療者が設定し、患者に即興的に演技させることによって、葛藤を再体験させ、その葛藤の原因を深く洞察させようとするもの
・遊戯療法…主として幼児対象。遊戯室での遊び方、おもちゃの選び方などを通して幼児の精神的問題を探ろうとするもの。自閉性障害などが適応
家族療法
【概念】家族全体を1つのシステムとして精神療法の対象とするもの
【適応】統合失調症を中心に発展してきたが、家族環境に問題のあるすべてのケースに適応
作業療法
【概念】作業活動を通して、障害された精神の機能の回復、維持および開発を促す治療法。精神症状に対する効果の他にも、対人関係の再建や職業訓練にも有効である
【方法】レクリエーション療法、芸術療法etc.
【適応】長期入院患者、神経症性障害、心身症、統合失調症の慢性期、リハビリetc.
精神科関連の症候群
Anton症候群視覚性失認の一種。両側後頭葉の広範な障害によって起こる症候群。盲目であるにもかかわらず、「見えている」と主張し、まるで「見えている」かのように行動する病態。多くは両側後頭葉障害による皮質盲に合併する
Ba´lint症候群視空間失認の一種。精神性注視麻痺(1つの対象を注視した後、他の対象を注視できなくなる現象)、視覚性注意障害(1つの対象を注視すると、他の対象を無視する現象)、視覚性運動失調(注視した対象に触ったり、つかんだりできない現象)を3徴とする病態。両側頭頂後頭葉の広範な病巣による
Ganser症候群拘禁状態で心因性に生じる解離性障害。的外れ応答、偽痴呆、小児症などの症状を呈し、もうろう状態の原因となる
Gerstmann症候群身体失認の一種。手指失認(手指が手指であることは分かるが、何指であるかがわからない状態)、左右失認(自他の体について、その左右を区別できない状態)、失算(加減乗除や数唱ができない状態)、失書(書字機能(特に自発書字)の障害)を4徴とする病態。多くは構成失行を合併する。優位半球頭頂葉の障害による
Gilles de la Tourette症候群汚言を伴う多発性のチック
Kanner症候群小児自閉症(自閉性障害)のこと。人間関係樹立の困難と同一性保持の欲求を特徴とし、生後36ヶ月以前に発症する
Kleine-Levin症候群周期性傾眠症(周期的に過剰睡眠に陥る)+過食症。10歳代の男児に好発
Klu¨ver-Bucy症候群サルの両側側頭葉内側の切除実験で得られた症状で、@精神盲(ありとあらゆる物体に何のためらいもなく近づく)、A視覚性過敏反応(視野に入った物のすべての変化に異常な関心を示す)、B口唇傾向(周囲にある物を何でも口に入れたがる)、C性行動の異常亢進、D情動の平板化などを呈する。Alzheimer病の末期や、てんかん治療のために両側扁桃体を切除した患者などで同様の状態が観察されることがある
Korsakoff症候群錯乱および重篤な記憶障害(特に記銘力の障害)を有し、患者がそれを作語で補おうとすることが特徴となるアルコール健忘症候群。典型的なものは慢性アルコール中毒でみられる。本症候群に振戦せん妄が先行することがあり、Wernicke症候群がしばしば随伴する
Pickwick症候群睡眠時無呼吸症候群のうちで、原因として肥満が重要なもの
West症候群生後3〜9ヶ月の乳児に発症する脳症。乳幼児痙屈発作(点頭発作)、脳波上hypsarrhythmia、精神・運動発達遅滞を三徴とする
オセロ症候群嫉妬型の妄想性障害のこと。シェイクスピアのオセロが同様の症状を示したことからこのようにもよばれる
失外套症候群植物状態。外套(=大脳皮質)の機能が広範に失われたために、言語機能や行動機能に障害をきたした病態。発語や追視、意味のある行動をとることは不可能であるが、意識はあり、嚥下運動などの植物機能、覚醒・睡眠のリズムなどははっきりと残っている
無言無動症は、脳幹部の網様賦活系の部分的な障害により起こる、軽い意識混濁に発動性低下が加わった病態。失外套症候群同様の症状を示すが、覚醒時に追視ができるという点が失外套症候群と異なる
睡眠時ミオクローヌス症候群周期性四肢運動障害。睡眠中に下肢を中心にミオクローヌス様の不随意運動がくり返し生じ、そのために夜間覚醒をきたす病態
睡眠時無呼吸症候群睡眠中の周期性無呼吸、激しいいびき、日中の傾眠傾向、過眠などを呈する
睡眠相後退症候群サーカディアンリズムが24時間よりも長いために、極端な宵っ張りの朝寝坊となる状態。社会生活上の障害をきたし、日中の眠気、集中力低下、頭痛、食欲不振などに悩まされる。思春期から青年期に多い
睡眠相前進症候群 サーカディアンリズムが24時間よりも短いために、夕方に強い眠気を感じ、午後8時頃に就寝するものの、深夜に覚醒し、極端な早寝早起きの生活となるもの。高齢者に多い
前頭葉症候群前頭連合野を含む前頭葉の障害により高次元の精神症状を呈する病態で、社会的には"脳高次機能障害"とよばれているもの。症状としては、発動性の低下、将来の自己イメージの鈍感さ、情動不安定(興奮性の亢進、モリア=諧謔性etc.)、人格変化などがみられる
側頭葉症候群聴覚性認知、視覚性認知、情動・記憶形成に与る側頭葉の障害により、高次元の精神症状を呈する病態。症状としては、幻覚、健忘、感覚失語、聴覚失認、情動形成の不自然化(易刺激性、感情の欠如、性行動の亢進、性格の変化etc.)などがみられる
通過症候群症状性精神病の回復期にみられる、意識障害に属さない、一過性の可逆的病像。自発性の低下、抑うつ症状、過敏性情動性衰弱状態、Korsakoff症候群などがこれにあたる
閉じ込め症候群脳血管障害・変性疾患などで広範に橋底部が破壊されることにより、橋以下の運動神経が全滅してしまった病態。意志伝達手段として残存しているのは動眼神経のみであるが、意識は清明
内分泌精神症候群内分泌疾患に伴う症状性精神病でみられる、基調気分の変化、意欲の低下、欲動の異常などのことをいう
無動機症候群大麻の長期連用により起こる社会的適応能力の低下
むずむず脚症候群夜間などの安静時に下腿を中心に異常感覚が生じ、不眠を呈する病態。慢性腎不全や鉄欠乏性貧血などの基礎疾患に好発するが、健常の高齢者などにもみられる。下肢を動かしたい衝動に駆られるため、入眠困難や夜間覚醒を呈する
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