胎児の発育
胚芽期
germinal period
0〜2週受精から着床までで、受精卵期ともいう。この間、急速に分割・分化が進み、脳の形成などが始まる
胎芽期
embryonic period
3〜8週この期間の終わりにはヒトに類似した形態になっている。心臓や眼、四肢はこの期間に形成される
胎児期
fetus period
9週〜出生12週までは器官形成が続く
20週までに主な臓器の微細構造が完成(組織形成)
それ以降は胎児および臓器の量的増大が主
   第5ヶ月…妊婦が胎動を感じる、心音も聴取可能
   第7ヶ月…眼裂が開く
   第8〜9ヶ月…脂肪の蓄積が増加
      ※肺胞形成は妊娠23週頃であり、これが胎児生育限界となっている
小児の成長
 出生時
birth
新生児期
neonatal period
(出生〜4週)
乳児期
infant period
(1ヶ月〜1歳)
幼児期
early childhood
(1〜6歳)
学童期
school period
(6〜12歳)
思春期
puberty
(第2次性徴〜骨端閉鎖)
体重男子平均:3.00kg
女子平均:2.95kg
出生後3〜4日、体重はいったん減少する(通常10%を超えない)が、7〜10日で出生体重に復帰する(生理的体重減少)1日あたりの増加量は、3ヶ月まで約30g/日、それ以降は10〜20g/日。4ヶ月で出生時の2倍、1歳で3倍になる2歳で4倍
4歳で5倍
5歳で6倍
11歳で12倍急速に増加
身長男子平均:49cm
女子平均:48.5cm
 1歳で1.5倍4歳で2倍12歳で3倍急速に伸びる(特に男子では11〜14歳、女子では10〜12歳)
頭囲33cm 1歳で45cm3歳で50cm  
胸囲頭囲より小さい1ヶ月で頭囲と等しくなる1歳で45cm   
頭囲・
身長比
4頭身  2歳で5頭身
6歳で6頭身
12歳で7頭身※成人では8頭身
生歯なし 6〜8ヶ月で乳歯が生え始める2〜3歳で乳歯は生え終わる6〜8歳で永久歯が生え始め、10〜14歳までに28本生える 
骨年齢女児の方が男児より骨発育が進んでいる 手根骨の化骨数は年齢数に1を加えた数に等しい手根骨の化骨数は年齢数に等しい 
体脂肪率12% 1歳頃に最大(約28〜30%)筋肉の発育とともに相対的に減少するが、思春期前に再び増加する 
体水分量体重の約75%。うち細胞内が約33%、細胞外が約44%細胞外液が細胞内液よりも多いため、容易に脱水に陥る6ヶ月頃に急激に減少(約60%)。3ヶ月頃に細胞内液と細胞外液の量が逆転大きな変動はなく、体重の約60%
(うち細胞内が約35%、細胞外が約25%)
※身長は全身発育の指標、体重は栄養状態の指標、頭囲は脳発育の指標となる

バイタルサインの年齢的変化
 体温(℃)脈拍数(/分)呼吸数(/分)血圧
収縮期(mmHg)拡張期(mmHg)
新生児36.5〜37.0130〜14540〜5080〜6060
乳児36.5〜37.0110〜13030〜4090〜8060
幼児36.890〜11020〜30100〜9060〜65
学童36.880〜9018〜20120〜10060〜70
成人36.0〜36.560〜8016〜18130〜11060〜80

発育指数
 計算方法正常範囲用途
Kaup指数体重(g)/身長2(cm)×1015〜18乳幼児の栄養の判定
Rohrer指数体重(g)/身長3(cm)×104110〜160主に学童の肥満の判定

思春期の身体の変化
男児年齢女児
 8〜9歳子宮発育の開始
精巣・陰茎発育の開始10〜11歳乳房発育の開始thelarche骨盤発育の開始
前立腺発育の開始11〜12歳恥毛の発生pubarche身長増加の促進、母指種子骨の出現、乳頭・乳頭輪の突出、内・外性器の発育、膣粘膜の成熟
恥毛の発生pubarche身長増加の促進、母指種子骨の出現12〜13歳乳房の成熟、乳頭の着色、腋毛の発生
精巣・陰茎発育の大きな促進、乳腺が大きくなる13〜14歳初経menarche、初めは排卵を伴わない出血
声変わり、腋毛の発生、鼻の下の柔らかい髯が発生する14〜15歳周期性、排卵性月経、妊娠能力の出現
精子の成熟15〜16歳ざ瘡
顔・体つきが男性型となる、恥毛の分布が男性型となる、ざ瘡16〜17歳骨端線の融合、成長の停止
骨端線の融合、成長の停止18〜20歳 
小児の発達
反射の発達
 反射の内容通常の出現時期
原始反射
(新生児反射)
Moro反射背臥位からこどもを坐位方向に半ば引き上げ、突然頭を後方に落とすことにより出現する。児は手を開いたまま腕を急速に開排進展する。その後、抱きつく時のように腕を内転させる4ヶ月で消失する
手掌把握反射手掌を圧迫すると手が閉じる4〜6ヶ月で消失する
足底把握反射測定を圧迫すると足趾が閉じる独歩開始前(9ヶ月頃)に消失する
歩行反射
(自動歩行)
足を床につけ身体を前に傾けると、歩行する6〜8週で消失する
定位反射
(踏み出し反射)
足の前面をテーブルの縁に接触させると、足を角から持ち上げる 
非対称性緊張性
頸反射(ATNR)
仰臥位で頭を左右どちらか一方に向けると、顔を向けた側の上・下肢を伸展させ、しばしば反対側の上・下肢を屈曲させる4〜6ヶ月で消失する
索餌反射
(追いかけ反射)
口唇、頬に触れると頭がそれを追うように向きを変え、口で捕らえようとする 
吸啜反射口の中に指を入れると吸い付く 
姿勢反射ランドウ反射腹臥位懸垂で頭を挙上すると、脊柱と下肢が伸展し、頭を屈曲すると、脊柱と下肢が屈曲する3ヶ月から出現するが、2歳をすぎると消失する
パラシュート反射水平位に支えて、突然頭部を低くすると、両腕が防御反応として伸びて身体を支えようとする6〜9ヶ月で出現し、生涯にわたって持続する

運動・精神発達
 運動発達社会的発達言語発達
粗大運動微細運動基本的習慣対人関係発語理解
1ヶ月   物を見つめる元気な声で泣く大きな声に反応
2ヶ月 手を口にもっていってしゃぶる 凝視追視、あやすと微笑 音に関心を示す
3ヶ月 ガラガラをつかむ布をかけられると不快を示すあやすと声を立てて笑う 人の声で静まる
4ヶ月定頸ガラガラを振って遊ぶ 声を出して笑う 
5ヶ月   鏡に映った自分の顔に反応  
6ヶ月寝返り手を伸ばして物をつかむ   声をかけると振り向く
7ヶ月1人座りおもちゃ・立方体の持ち替えコップから飲む  親の話し方で感情を聞き分ける
8ヶ月  おもちゃを取られると不快を示す  
9ヶ月つかまり立ち鋏状把握 人見知り  
10ヶ月 バイバイなどの動作  
11ヶ月つたい歩き コップを自分で持って飲む   
1歳1人立ちピンセットつかみ 父母の後追い言葉を1・2語正しくまねる 
1歳2ヶ月歩行   2語言える 
1歳4ヶ月 積み木を2個重ねる  3語言える簡単な命令を実行
1歳6ヶ月走るなぐり書きをする上着を脱ぐ  絵本を読んでもらいたがる
1歳9ヶ月1人で1段ずつ階段を昇り降り    目・口・耳などを指示する
2歳大きなボールを蹴る 排尿を予告する親から離れて遊ぶ2語文が言える 
2歳3ヶ月  1人でパンツを脱ぐ電話ごっこ  
2歳6ヶ月 まねて直線を書く    
2歳9ヶ月 まねて○を書く 年下の子の世話をやきたがる  
3歳片足立ち、三輪車靴をはける
スプーンを上手に使う
  年齢・姓名が言える 
4歳片足跳び□を描ける排便が自立お使いができる  
5歳スキップ
ブランコの立ちこぎ
△を描ける1人で着衣が可能 簡単な物語が言える 
小児の栄養
各年代における水分・栄養の所要量
 新生児乳児幼児学童成人
水分(ml/kg/日)80〜100120〜150100〜12060〜8040〜50
エネルギー(kcal/kg/日)120100〜12080〜9060〜7030〜40
蛋白質(g/kg/日)2.5
(10%)
2.5〜3.5
(10〜15%)
2.5〜3.0
(10〜15%)
2.0〜2.5
(10〜15%)
1〜1.2
(10〜15%)
脂質(g/kg/日)5〜7
(40〜50%)
3〜6
(30〜45%)
2〜3
(25〜30%)
1.5〜2.5
(25〜30%)
0.6〜1.1
(20〜25%)
糖質(g/kg/日)11〜15
(40〜50%)
10〜18
(40〜60%)
10〜15
(50〜65%)
8〜12
(50〜65%)
4〜6
(50〜65%)

母乳栄養
意義・蛋白、脂肪などの代謝の負担が最も少なくて栄養効率も高い
・多量の分泌型IgAなど各種の免疫抗体が含まれる(特に初乳中)。また、ラクトフェリン、補体、リゾチーム、リンパ球、Mφなどの抗菌性物質も含まれる
・人工栄養には異種蛋白が含まれ、アレルギー疾患の原因となりうるが、母乳ではその心配がない
・良好な母子関係を確立するための心理的効果がある
・経済的
授乳禁忌・母体の感染症…開放性・活動性結核、腸チフス、ATLなど
・母体の体力の著しい低下…重篤な心臓病、腎臓病、糖尿病、悪性腫瘍など
・母親が精神病である
・母親が乳汁移行性の薬剤を服用中…抗代謝薬、テトラサイクリン、フェノバルビタール、副腎皮質ステロイド、モルヒネなど
問題点・母乳黄疸…母乳中の物質がビリルビンのグルクロン酸抱合を抑制するため。母乳中止の必要はない
・乳児ビタミンK欠乏症…母乳中のビタミンKの含有量が少ないため。予防のため、ビタミンKの投与を行う
・母乳の汚染…環境汚染や薬物、アルコールなど
小児保健
新生児マススクリーニングの対象疾患
 概念症状スクリーニング法対処












フェニルケトン尿症
(PKU)
フェニルケトン脱水素酵素の欠損により、体内にフェニルアラニンが蓄積し、チロシンが減少する常染色体劣性遺伝疾患知的障害、けいれん、脳波異常、行動異常、白い皮膚、湿疹、赤茶色の頭髪、ネズミの尿臭etc.ガスリー法
(生後5〜7日)
低フェニルアラニン食
メープルシロップ尿症
(MSUD)
分岐鎖ケト酸脱水素酵素の欠損により、分岐鎖ケト酸・分岐鎖アミノ酸が体内に蓄積する常染色体劣性遺伝疾患ケトアシドーシス、嘔吐、哺乳力低下、けいれん、筋力低下、メープルシロップ様の尿臭etc.バリン・ロイシン・イソロイシンを制限した食事療法
ホモシスチン尿症ホモシステインをシスタチオニンに変換するシスタチオニン合成酵素などの欠損により、体内にホモシスチンが蓄積し、シスチンが欠乏する常染色体劣性遺伝疾患高身長、くも様指、水晶体脱臼、知的障害、けいれん、血栓症etc.低メチオニン高シスチン食。場合によってはビタミンB6の大量投与が有効なこともある
ガラクトース血症ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼあるいはガラクトースキナーゼの欠損により、体内にガラクトースなどが蓄積する常染色体劣性遺伝疾患嘔吐、下痢、黄疸、肝腫大、白内障、肝硬変、出血傾向etc.ボイトラー法乳糖除去食、乳糖除去ミルク
先天性甲状腺機能低下症
(クレチン症)
大部分は原発性で、甲状腺の発生異常(甲状腺欠損、形成不全、異所性甲状腺)によるもの不活発、哺乳不良、便秘、嗄声、皮膚乾燥、低体温、巨舌、臍ヘルニア、遷延性黄疸、粗剛な毛髪、体重増加不良、小泉門閉鎖不全、低身長、運動機能・知能発達の遅れ、骨成熟の遅れetc.RIA法合成L-サイロキシン(T4)の投与
先天性副腎過形成症
(CAH)
副腎皮質ホルモン合成に関与する酵素の、先天性欠損or変異による疾患群。ACTHの過剰分泌によって副腎皮質は過形成となり、欠損酵素の基質となる前駆ステロイドが過剰に産生される酵素欠損のタイプによりさまざまであるが、CAHの大部分を占める21-水酸化酵素欠損症では、全身の色素沈着、外性器の異常などがみられるRIA法
EIA法
副腎皮質ホルモンの補充

乳児健康診査の重点項目
 1ヶ月3〜4ヶ月6ヶ月9〜10ヶ月12ヶ月
リスク要因の確認◎(初回)
成長

発達
身体計測
行動発達社会性 
聴覚   
視覚・斜視    
生活
習慣
食事母乳栄養離乳準備離乳離乳の進行完了の準備
行動上の問題    
育児行動   
疾病の
スクリー
ニング
先天奇形・外表奇形
   先天性股脱

心奇形
   
神経学的異常
   発達遅滞
脳性麻痺
  

  
先天性代謝異常    
神経芽腫検査    
その他予防接種    
発達の目安裸にすると、両手・
   両足をバタバタさせる
体重≧出生時+900g
頭囲=出生時+2〜5cm
物を見つめる
定頸
追視
あやし笑い
腰を支えると座る
寝返り
這い這い
つかまり立ち
手を伸ばして物を取る
物まね動作
伝い歩き
指で小さい物をつまむ
1・2語言える
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