妊娠に関連する用語
placental sign受精後17日目頃に起こる腹痛を伴わない少量の性器出血
過期産妊娠42週以降の分娩。胎盤機能不全による胎児仮死や難産の増加が問題となる。過熟徴候として爪の伸長がみられる他、過期産に伴う胎盤機能不全徴候として羊水過少、臍帯・羊膜の黄染がみられる
正期産妊娠37週以降42週未満の分娩
早産妊娠22週0日から妊娠36週6日の間に起こる分娩
胎芽最終月経初日から数えた妊娠8週未満、受精から満6週未満の児
胎児最終月経初日から数えた妊娠8週以後の児
胎嚢(GS)初期妊娠の、羊膜・羊水・胎盤を含む嚢腫様構造。白色冠をもつ正円として、超音波断層上描出される
流産妊娠22週未満における妊娠中絶
胎児心拍数陣痛図(CTG)
 概念胎児の状態


基線正常では120〜160bpm 
基線細変動陣痛がない状態での胎児心拍数基線の変動幅。正常では5bpm以上(通常は10〜15bpm程度)で、5bpm以下になった場合を基線細変動の消失という胎児well-being。消失の場合には、急性胎児仮死、睡眠様安静状態、未熟胎児、母体への薬剤投与etc.
サイヌソイダル
パターン
胎児心拍数基線が3〜5サイクル/分、15bpmの振幅でサインカーブを描いて細変動がないもの胎児失血・貧血、胎児の末期心不全、慢性胎児仮死etc.



早発一過性徐脈陣痛が始まると同時に徐脈が始まり、陣痛が終わると同時に心拍数が回復するもの児頭圧迫
遅発一過性徐脈陣痛に遅れて徐脈が出現し、陣痛が終わってから心拍数が回復するもの。positive CSTと評価される胎児低酸素症、胎児胎盤機能不全による急性胎児仮死
変動一過性徐脈陣痛と同調せず、U・V・W字型など一定しない下降パターンを呈するもの。うち、60bpm以下、60秒以上のものは高度変動一過性徐脈とよばれる臍帯異常(圧迫、下垂、脱出etc.)。高度変動一過性徐脈の場合は急性胎児仮死
遷延性徐脈胎児心拍数が120/分以下に持続するもの急性胎児仮死、新生児脳障害のリスク

一過性頻脈15bpm以上の心拍の上昇が15秒以上持続するもの。妊娠末期にみられる胎児well-being(胎動が原因)
軽度頻脈胎児基線心拍数が160bpm以上になるもの母体感染or胎児感染、慢性胎児仮死
高度頻脈胎児基線心拍数が180bpm以上になるもの
※fetal distressと診断されるのは、@遅発一過性徐脈、A高度変動一過性徐脈、B高度遷延性徐脈、C基線細変動の消失
出生前診断
絨毛生検
【時   期】妊娠8〜12週
【方   法】経腹的or経腟的に、超音波ガイド下に胎盤or絨毛膜有毛部の最も厚い部分に19〜23ゲージの外套針を刺入し、内套を除去して20mlのシリンジを接続して陰圧をかけてゆっくりと吸引する
【特   徴】得られた細胞はすべて生きた細胞であり、染色体検査・DNA診断・酵素分析などを行うことができる
母体細胞の混入などにより、正しい検査結果が出ないこともある
【合併症】流産率がやや高い
羊水穿刺
【時   期】妊娠15〜20週
【方   法】エコー下で羊水量を10〜20ml採取する。羊水浮遊細胞は培養した後、染色体核型分析を行う。その他、レシチン/スフィンゴミエリン比の測定(⇒2以上なら肺成熟)、儖D450の測定(⇒胎児溶血性疾患で高値)、AFPの測定(⇒神経管開存症(無脳症、二分脊椎etc.)で高値)などを行う
【適   応】
染色体核型分析の適応
@高危険群…夫婦のいずれかがDown症候群の保因者である場合
A中等度危険群…Down症候群以外の転座型を有する場合、母体年齢が35歳以上の場合(←最多)
B低危険群…前回染色体異常児出生歴をもつ場合
Cその他…重篤な伴性劣性遺伝疾患の保因者etc.
【合併症】特になし(流産率も自然流産率と同等)
胎児採血
【時   期】妊娠17週〜
【特   徴】手技が非常に難しい
【合併症】ほとんどない
超音波断層法
【指   標】妊娠初期は頭殿長(CRL)1から妊娠週数を推定し、妊娠中期以降は大横径(BPD)2・大腿骨長(FL)・腹部周囲長などから胎児体重(正常値は3×妊娠月数3g)を推定する。その他、羊水量の評価も重要
   ※1 CRL(cm)=妊娠週数−7      ※2 BPD(cm)=妊娠週数÷4
【疾   患】
診断可能な疾患
無脳症、水頭症、脳瘤、髄膜瘤、嚢胞状リンパ管腫、後頸部浮腫(21・13トリソミーやTurner症候群を伴うことがある)、心嚢滲出液、心肥大、心奇形、腹水、胎児水腫、上部消化管閉塞、横隔膜ヘルニア、臍ヘルニア、臍帯ヘルニア、腹壁破裂、腎形成不全、水腎症、仙尾骨奇形腫、二分脊椎etc.
診断困難な疾患
食道閉鎖下部消化管閉鎖(鎖肛、回腸閉鎖症etc.)etc.
産科処置
子宮頸管縫縮術
【方   法】Shirodkar法…粘膜下を通したテープにより内子宮口の高さで頸管を縫縮する術式
McDonald法…粘膜下を通したテープの一部を粘膜の外に出すように鈍針で縫っていく方法
   McDonald法は、Shirodkar法より簡単だが、効果に劣る
【適   応】子宮頸管無力症、多胎妊娠での早産予防
【禁   忌】子宮収縮時、感染症(膣炎、頸管炎etc.)併発時
吸引分娩
【方   法】胎児の頭に吸引カップを装着し、牽引する
【適   応】急性胎児仮死、分娩第2期遷延、回旋異常など(Sp +2cm以下)に対して行われる。原則として頭位分娩のみ
子宮口全開大orほぼ全開大、既破水、CPD(−)、Sp≧±0cm(←術者によって微妙に異なる)が必要条件
【合併症】児頭血腫が生じることがあるが、母体への損傷は軽度
鉗子分娩
【方   法】児頭を鉗子で挟んで、牽引or回旋させることによって児を娩出させる
【適   応】急性胎児仮死、分娩第2期遷延、回旋異常など(Sp +2cm以下)に対して行われる。ほとんどが頭位分娩だが、骨盤位分娩で児の体幹が娩出された後の後続児頭の娩出に使用されることもある
【合併症】児・母体への損傷が吸引分娩より大きい
【禁   忌】CPD etc.
骨盤位牽出術
【方   法】児の臍輪が見えてから開始する。まず下肢を解出し、臍帯を少し牽引し臍帯の緊張を緩ませる。次いで児の骨盤を術者の両手でつかみ、陣痛発作にあわせて児の躯幹をゆっくり上下に振子運動させることによって、上肢の解出を行う(Mu¨ller法)。その後、可及的速やかにBracht法やVeit-Smellie法により後続児頭の娩出を行う
【適   応】骨盤位分娩の大半
帝王切開
【方   法】開腹し子宮の峡部を横切開する方法(腹式深部帝王切開)が主
【適   応】CPD、全前置胎盤は絶対適応。その他は、急性胎児仮死など急速遂娩が必要な状況で、経腟分娩に時間を要する場合など。胎児がすでに死亡している例では原則として適応はないが、胎盤早期剥離の場合は例外とされる
【合併症】血栓症、感染症、弛緩出血、子宮復古不全etc.
機械的分娩誘発
【方   法】卵膜用手剥離…子宮頸管内に挿入した内診指を用いて子宮下部と卵膜の間を剥離。効果は不確実
人工破膜…有鉤鉗子で卵膜を破る。子宮頸管が成熟している例に対してオキシトシンと併用で行う場合が多い
ラミナリア…ラミナリアを子宮頸管内に挿入して、子宮頸管の軟化・展退・開大を図る
メトロイリンテル…子宮下部に挿入したゴム製のバルーンを滅菌水で膨らませる。分娩誘発効果の他、骨盤位での早期破水防止効果を有する
その他…頸管内マイクロバルーン挿入法、頸管内ガーゼ挿入法、子宮腔内ブジー挿入法etc.
【適   応】胎児死亡、無脳症、PROM、妊娠中毒症・合併症妊娠で妊娠の継続が母体に重大な影響を及ぼす恐れがある場合、Rh血液型不適合妊娠、胎児胎盤機能不全、過期妊娠、微弱陣痛による分娩停止(子宮口開大≧4cmで、CPDや胎児の位置異常がない場合)etc.
【合併症】羊水感染、臍帯圧迫etc.
【禁   忌】常位胎盤早期剥離、収縮輪難産、前置胎盤、CPD、急性胎児仮死etc.
人工破膜の場合、骨盤位分娩、児頭先進部が浮遊している頭位分娩(臍帯脱出の危険があるため)も禁忌
子宮収縮薬
(陣痛促進薬)
【薬剤名】オキシトシン(下垂体後葉ホルモン)、PGF(子宮収縮薬)
【適   応】機械的分娩誘発と同様
【副作用】子宮破裂(←過強陣痛による)、母体損傷(常位胎盤早期剥離etc.)、胎児損傷(胎児仮死etc.)
【禁   忌】常位胎盤早期剥離収縮輪難産前置胎盤CPD急性胎児仮死(慢性胎児仮死では使用してもO.K.)
【特   徴】調節性に優れる
子宮収縮抑制薬
【薬剤名】塩酸リトドリン(子宮筋選択性β2刺激薬)、硫酸Mg、Ca拮抗薬
【適   応】切迫流・早産、帝王切開への移行段階etc.
【副作用】肺水腫、心不全、ショックetc.
【禁   忌】絨毛膜羊膜炎、強度子宮出血(常位胎盤早期剥離etc.)、妊娠継続が危険な妊婦(子癇、子宮内感染合併etc.)、甲状腺機能亢進症、重症妊娠中毒症、重症心疾患、重症肺高血圧、肺水腫etc.
妊娠時に禁忌となる薬剤
抗生物質クロラムフェニコール系、ナリジクス酸(ニューキノロン系)、テトラサイクリン系(⇒胎児の骨格形成不全、歯牙着色etc.)、ポリミキシンB、リファンピシン、ST合剤      ※妊娠時の化学療法の第1選択薬はペニシリン系、セフェム系のβ-ラクタム系抗生物質
抗ウイルス薬ガンシクロビル、デラビルジン(抗HIV薬)
抗真菌薬ミコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、グリセオフルビン
抗寄生虫薬メベンダゾール、アルベンダゾール、キニーネ(⇒胎児奇形、聴力障害、造血障害etc.)etc.
ワクチンポリオワクチン、麻疹ワクチン、風疹ワクチン、ムンプスワクチン、水痘ワクチン
抗癌薬テガフール、ゲムシタビン、パクリタキセル、ドセタキセル、タモキシフェン、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシド、イマチニブetc.
免疫抑制薬アザチオプリン、メトトレキサート、シクロスポリンetc.
NSAIDサリチル酸、ジクロフェナク、インドメタシン(⇒胎児動脈管閉鎖)etc.
経口糖尿病薬SU薬(⇒胎児奇形、胎児低血糖、胎児死亡)、ビグアナイド薬etc.
   ※経口血糖降下薬は授乳時期にも禁忌
抗高脂血症薬スタチン系、プロブコール、フィブラート系
女性ホルモン剤エストラジオール(⇒胎児の腟癌、子宮奇形)、エストリオール、プロゲステロン、卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤、経口避妊薬etc.
男性ホルモン剤テストステロン、蛋白同化ステロイドetc.
他のホルモン剤成長ホルモン剤、性腺刺激ホルモン剤、クロミフェンetc.
抗血栓薬ワーファリン(⇒胎児の出血傾向)、抗血小板薬etc.      ※ヘパリンは胎盤を通過しない
降圧薬β遮断薬、αβ遮断薬、レセルピン、Ca拮抗薬(⇒催奇形性)、ACE阻害薬(⇒催奇形性、IUGR、胎児死亡etc.)、ARB etc.
   ※妊婦の高血圧症には、ヒドララジンやα-メチルドパが使用される
その他痛風治療薬(⇒胎児奇形)、PG製剤、エルゴタミン、抗リウマチ薬、抗アレルギー薬、ハロペリドール、炭酸リチウム(⇒胎児心奇形)、アマンタジン、ベクロニウム、抗痙攣薬(⇒胎児の二分脊椎、顔面奇形etc.)、ビタミンA・D(⇒胎児奇形)etc.
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