その他の内分泌疾患
多発性内分泌腺腫症
multiple endocrine
neoplasia(MEN)
【概念】複数の内分泌腺に腺腫or過形成を生じる疾患。多くはAD遺伝形式をとる家族性疾患
【分類】
 原因遺伝子症状
MENT型
(Wermer症候群)
11q13
(MENT遺伝子)
副甲状腺病変(過形成or腺腫)
初発症状となることが多く、多中心性の発生が特徴的。高Ca血症はそれほど著明ではない
膵病変(膵島細胞種)
腺腫or癌腫or過形成。組織型としてはガストリノーマが最多で、グルカゴノーマ、インスリノーマもみられる。多中心性発生が特徴的
下垂体腺腫
ホルモン非産生腫瘍とGH・PRL産生腫瘍が多い
MENUA型
(Sipple症候群)
10q11.2
(RET遺伝子)
甲状腺髄様癌
血性カルシトニン値が上昇するが、血清Ca値は正常範囲。多中心性発生が特徴的
褐色細胞腫
交感神経過剰症状が出現。多中心性に発生し、両側性腫瘍となることが多い。髄様癌と褐色細胞腫の手術を行う場合は、後者を先行させる
副甲状腺病変(過形成or腺腫)
多中心性に発生し、PTH分泌は亢進するが、高Ca血症は著明ではない
MENUB型10q11.2
(RET遺伝子)
甲状腺髄様癌   MENUA型と同様
褐色細胞腫   MENUA型と同様
神経節細胞腫
小結節状の腫瘍で、舌や口腔粘膜に好発
Marfan様体型
やせ型で長身の体型、長い四肢、くも状指、高口蓋、脊椎の側弯・後弯etc.
カルチノイド症候群
carcinoid syndrome
【概念】消化管や気管支などに分布する内分泌様活性物質分泌細胞(Kulchitsky細胞)が腫瘍化したもの
【疫学】壮年期に好発。好発部位は、日本では虫垂、胃、直腸、小腸の順。消化管以外では、気道(主に主気管支)にも発生することがあるカルチノイド症候群(粘膜下層の索状で充実胞巣状の増殖)
【症状】皮膚症状(発作性の皮膚潮紅・顔面潮紅、ペラグラ様皮疹)、気管支喘息様発作、右心系の弁膜症(TR、PS、PR etc.)、消化器症状(下痢、腹痛etc.)、浮腫、血圧↓、頻脈etc.
【検査】生化学検査…血中セロトニン(5-HT)↑、尿中5-HIAA↑
消化管検査…消化管造影検査・内視鏡検査(⇒頂上に陥凹性病変を伴う隆起性病変)
【病理】鍍銀染色(+)が大きな特徴。一般に発育は緩慢で、low potential tumorとして比較的良好の経過をとる
【治療】外科的切除、薬物療法(ソマトスタチン誘導体etc.)
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