骨粗鬆症 osteoporosis |
【概念】 | 骨吸収>骨形成⇒骨量(骨塩量)の減少⇒骨の微細構造の乱れ⇒骨の脆弱化 |
【分類】 | - 原発性骨粗鬆症
- ・閉経後骨粗鬆症(T型)…骨吸収を抑制させる働きのあるエストロゲンの欠乏による、高回転型の骨粗鬆症。主として海綿骨が侵され、椎骨と橈骨遠位端の骨折が多い
・老人性骨粗鬆症(U型)…骨芽細胞数の減少と機能低下により骨形成が不十分となる、低回転型の骨粗鬆症。海綿骨と皮質骨の両方が侵され、椎骨と大腿骨頸部に骨折が起こる
- 続発性骨粗鬆症
- ・Cushing症候群、糖質コルチコイドの過剰投与…Ca吸収抑制、骨芽細胞抑制により低回転型の骨粗鬆症
・性腺機能低下症…男性ホルモン低下時には低回転型、女性ホルモン低下時には高回転型の骨粗鬆症 ・甲状腺機能亢進症、末端肥大症…高回転型の骨粗鬆症
|
【症状】 | 脊椎椎体の圧迫骨折、大腿骨頸部骨折、腰痛、背部痛、脊柱変形(亀背、円背etc.)、身長の縮み、寝たきり |
【検査】 | 血液検査⇒Ca→、P→ 骨マーカー…骨形成マーカーとして血清骨型ALP(BAP)・オステオカルシン、骨吸収マーカーとして尿中T型コラーゲンN末端テロペプチド(NTx)・デオキシピリジノリン(Dpd) 骨Xp⇒脊椎の魚椎・楔状椎・扁平椎変形、横の骨梁の減少、腰椎二重X線吸収測定法(DXA法)などにより骨量≦若年成人の70% |
【治療】 | 生活指導(Ca摂取、軽い運動)、薬物療法(Ca製剤、活性型Vit. D、エストロゲン、イプリフラボン、カルシトニン、ビスフォスフォネート、Vit. K2) ※薬物治療の副作用…高Ca血症(←Ca製剤、活性型Vit. Dの併用)、子宮内膜癌・乳癌(←エストロゲン)、食道病変に伴う嚥下障害(←ビスホスホネート)etc. ※薬物療法の禁忌…エストロゲン依存性癌・静脈血栓症の既往(エストロゲン)、ワーファリン使用中(ビタミンK2)etc. |
|
骨軟化症 osteomalacia くる病 rickets |
【概念】 | ヒドロキシアパタイトを構成するCa・Pの不足⇒有機基質の石灰化不全⇒類骨の異常増加 ※骨端線閉鎖後に起こったものが骨軟化症、閉鎖前に起こったものがくる病 |
【原因】 | - 活性型Vit. Dの不足
- ・ビタミンD欠乏症…日光照射不足、極端な偏食、吸収不良症候群、胆汁分泌不全、胃切除後などによる
・C25水酸化障害…重篤な肝機能障害、抗痙攣薬の副作用などによる ・C1水酸化障害…慢性腎不全、ビタミンD依存性くる病T型(AR遺伝の先天的酵素欠損)などによる ・ビタミンD受容体異常…ビタミンD依存性くる病U型(AR遺伝の先天的受容体異常)などによる
- 低P血症
- 家族性低リン血性ビタミンD抵抗性くる病(XLH)(XD遺伝の近位尿細管における先天的リン再吸収不全)、Fanconi症候群(AR遺伝の近位尿細管における先天的リン再吸収不全)などによる
- 遠位尿細管性アシドーシス
- PTH分泌の亢進により、骨吸収が亢進されるとともに腎におけるリンの再吸収の抑制が起こる
|
【症状】 | 骨軟化症では筋力低下、歩行障害をきたすのに対して、くる病では骨格変形、低身長、肋骨念珠をきたす | |
【検査】 | 骨Xp⇒骨陰影の菲薄化、骨梁の不鮮明化、骨軟化症では偽骨折、くる病では長管骨骨端部の不整・杯様変形 血液検査⇒血清P↓(ただし慢性腎不全では↑)、骨型ALP↑、活性型Vit. D不足に基づくタイプでは血清Ca↓・活性型Vit. D↓※ ※ビタミンD依存性くる病U型では活性型Vit. D↑となる |
【治療】 | Vit. D欠乏症に対してはVit. Dの投与、Vit. D活性化障害に対しては活性型Vit. D(orアルファカルシドール)の投与、ビタミンD受容体異常に対しては大量の活性型Vit. Dの投与、低リン血症に対してはリンの補充+活性型Vit. D(orアルファカルシドール)の投与 |
|
軟骨無形成症 |
【疫学】 | 骨系統疾患の中で最多 |
【原因】 | 軟骨内骨化の障害(AD遺伝) |
【症状】 | 四肢の短縮、低身長、脊柱管狭窄、知能異常(−)、結合織異常(−)、易骨折性(−) |
|
骨形成不全症 |
【概念】 | 骨芽細胞の異常(AD遺伝)⇒コラーゲン形成障害⇒骨膜性骨化障害 |
【分類】 | 先天性…胎内で多数の骨折を生じ、死産になることが多い 遅発性…幼児期に発症。AD遺伝 |
【症状】 | 青色強膜、易骨折性(主に横骨折)、難聴etc. ※骨折の治癒は正常 |
|
大理石骨病 |
【概念】 | 破骨細胞の異常(AR遺伝etc.)⇒骨吸収障害⇒骨硬化、骨髄腔形成障害、髄外造血の亢進 |
【症状】 | 病的骨折、脳神経障害(特にU・Z・V)、汎血球減少(貧血、易感染性、出血傾向)、肝脾腫、骨幹端の形態異常、骨髄炎etc. |
|
骨Paget病 |
【概念】 | |
【原因】 | |
【病態】 | 骨代謝の亢進 |
【症状】 | |
|