【概念】 | 高尿酸血症(血清尿酸値≧7.0mg/dl)⇒尿酸血症の析出⇒急性の関節炎(痛風発作)などの症状 |
【分類】 | 原発性、続発性、遺伝性酵素異常に分けられる |
【疫学】 | 近年激増中。ほとんどが男性。原発性痛風はしばしば家族性に発症。若年化が進み、現在ピークは30歳代 |
【原因】 | 関節内への尿酸血症の析出⇒補体の活性化⇒白血球の走化⇒白血球による尿酸血症の貪食⇒白血球の自潰⇒関節内への炎症反応の波及 |
【症状】 | 無症候性高尿酸血症の患者にある日突然に超急性の激痛が関節(主に第1中足趾関節)に生じる。局所の腫脹・発赤・熱感を伴い、安静にても軽快しない。痛風発作は1週間ほどで軽快し、無症候性中間期を迎える。その後、飲酒やプリン塩基の過剰摂取、疲労、ストレス、激しい無酸素運動などを契機に、数年に1回から年に数回の頻度で痛風発作をくり返すことになる。それをくり返す内に、慢性期に入り、関節周囲や皮下組織の痛風結節、関節変形、腎障害(痛風腎)、尿路結石などを呈する |
【検査】 | 血液…血清尿酸値↑、WBC↑、CRP↑、ESR↑。その他、耐糖能異常、高脂血症などの合併が多い 骨Xp…慢性期には、骨の萎縮や打ち抜き像 腎機能障害…慢性期には、濃縮力↓ |
【治療】 | 痛風発作時⇒NSAIDsの短期大量衝撃療法がfirst choice ※痛風発作急性期に尿酸値を下げるのは危険。特に急速に下げようとするのは禁忌 その他の時期⇒食事療法(プリン塩基の制限、アルカリ食品・水分の多めの摂取、カロリー制限)、運動療法(有酸素運動を毎日)、薬物療法(尿酸産生抑制薬or尿酸排泄促進薬の他、NaHCO3による尿のアルカリ化)・尿酸産生抑制薬(アロプリノール)…キサンチンが尿酸に代謝される経路を遮断。安全性の高い薬剤 ・尿酸排泄促進薬(プロベネシド、ベンズブロマロン)…近位尿細管における分泌後再吸収を抑制。本剤使用にあたっては、尿量の確保と尿のアルカリ化が重要で、腎機能の低下している患者や尿路結石のある患者には使えない |