今日は朝から1日ACLS(advanced cardiac life support)の講習会でした。就職後のオリエンテーションでBLS(basic
life support)の講習は受けたのですが、きちんとACLSの講習を受けたのは初めてのことでした。
テキストである程度きちんと予習していったつもりなのですが、いざやろうとするとなかなか口や手が動かないもので、講習中何度も頭の中が真っ白になってしまいました。“講習”という練習の場でも慌てまくっていたので、実際の現場だったら、もっと慌ててしまうのは必至でしょう。ほんとまだまだですね。
手技もそうですが、やっぱり一番手間取ってしまうのは薬の選び方とその量。今日の講習ではいろんな失敗を繰り返して、いい勉強になりました。でも、まだまだ実際の現場で100%空で完全に正しい医療をする自信は到底ないですが、白衣のポケットに忍ばせたカンペを見ながら、できる限り正しいとされる医療をしていくよう心がけたいものです。
2006年1月19日(木) 20:44
かけ出しの研修医と、何年も医者をやってる先生の違いって、経験の差とか知識の量の差とか言ってしまえばそれまでなんでしょうが、一番の違いは“SOAP”の“A”のように思います。
“SOAP”というのは、subjective data(患者さんの訴え)、objective
data(客観的所見)、assessment(SとOの評価)、plan(検査や治療の計画)の頭文字を並べたものなのですが、同じSとOの情報を得ても、Aで圧倒的な違いが出てくるような気がします。年数を経れば、慣れると言われれば、それまでなんでしょうが…。
麻酔科医の最初の仕事は、手術予定の患者さんの術前訪問になります。患者さんから話を聞いてSを得て、カルテを読んでSとOを得ます。そこからAに移り、最終的にどういう麻酔方法にするか、麻酔をかける上での注意は何かというPに移るわけなんですが、これが難しいんですよね。
同じ情報量でも、手術には関係のない細かいところに目がいってしまって、大事なところが見えていない。そんなことがよくあります。今日担当の手術もそうでした。術前は特に問題なさそうだと考えていたのですが、朝指導医の先生に確認したら、目の色を変えられました。そんだけ術前“見えてない”ってことなんでしょう。
術中もちょっとしたバイタル(血圧、脈拍など)の変動で、大丈夫かなと思ってしまう傾向があるくせに、大まかな流れに関してはout
of mindになりがち。いつになったら、きちんとした“目”が身に付くんでしょう?